―活動概要―

2016年4月14日の地震発生を受け、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、翌日より被災地でニーズに基づいた緊急支援を開始。支援物資の配布や、子どもたちが安心・安全に過ごすことのできる空間「こどもひろば」の運営を実施するとともに、防災用品の提供、給食支援などを実施し、これまでに22,000人以上に支援を届けました。現在も、子どもの生活や成長が環境に左右されないよう、給付金の提供を続けています。(2018年3月現在)

【活動1】
チームの派遣から支援物資の配布(2016年4月15日~)

4月14日21時26分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする地震が発生したことを受けて、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、東日本大震災緊急支援に対応した職員から構成される熊本地震緊急支援対応チームを立ち上げました。4月15日に熊本地震緊急支援対応チームが現地入りし、避難所の視察や聞き取りを実施。子どもたちや保護者のニーズに基づき、現在までに以下をはじめとした支援物資を配布してきました。

・7大アレルゲン不使用の離乳食 ・おしりふき 
・母乳パット ・制汗シート ・ぬいぐるみ ・おんぶ紐 など

【活動2】
「こどもひろば」の運営(2016年4月16日~5月13日)
4月16日から、熊本県益城町の5ヶ所の避難所で、子どもが安心・安全に過ごすことのできる「こどもひろば」の活動を実施しました。「こどもひろば」とは、子どもたちが同年代の子どもたちと安心して遊び、日常に近い生活を取り戻すことのできる場所のことです。学校再開後の5月13日までの実施で、のべ約2,100人の子どもたちが参加。この活動を通じて、子どもたちが災害による影響から立ち直ることができるよう支援しました。

セーブ・ザ・チルドレンは、この「こどもひろば(Child Friendly Space)」を世界中の紛争や災害などの緊急支援現場でも実施しています。

 

■開設場所:熊本県益城町の以下5ヶ所の避難所
  ・益城町立広安小 
  ・益城町立広安西小 
  ・益城町立益城中央小 
  ・益城町立飯野小 
  ・阿蘇熊本空港ホテルエミナース

■参加人数:のべ約2,100人
■内容:お絵かき、ブロック遊び、折り紙、ボール遊びなどを、子どもたちと相談して実施。

 

<保護者の声>

「地震が起こってから、娘はずっと怖がっていました。でもここに来ると、年の近い子ども同士で遊べて、怖がる様子が全然なくなりました。」
「『こどもひろば』から戻ってくると、『折り紙したよ!』と嬉しそうに話してくれます。今は、子どもが笑っている顔を見ているだけでいいんです。」

 

【ゴールデンウイーク企画】
「こどもひろば」での「ものづくりワークショップ」(5月3日~5日)
ゴールデンウイークの連休に家族で楽しめるイベントとして、「ものづくりワークショップ」を5ヶ所の「こどもひろば」で開催。段ボールで組み立てる「いすづくり」と、バッグに思い思いの絵をペイントする「マイバッグづくり」を行いました。

【活動3】
「子どものための心理的応急処置」「避難所でできる遊び」に関する特設サイトを開設(2016年4月15日~)

災害などの際、子どもたちの発達状況に応じて適切なコミュニケーションをとり、必要な支援につなげていくための「子どものための心理的応急処置」を紹介する特設サイトを開設したほか、熊本地震被災地で活動支援団体への研修を実施しました。また、場所や道具が限られた避難所でもできる遊びをまとめた特設サイトも開設しました。
■熊本地震で被災された皆さまや、被災地で支援活動をする皆さまへ ~子どものための心理的応急処置のご紹介~
■避難所でもできる遊びの紹介 ~遊びながら作ろう~

【活動4】
給食支援(2016年5月16日~)

簡易給食の補食支援(2016年5月16日~31日)

益城町では、5月9日から授業が再開されたことに伴い、5月16日より給食も再開されました。しかし、給食センターが被災し復旧の見通しが立たないことから、パンと牛乳の簡易給食になりました。子どもたちに少しでも栄養価の高い給食を提供し、震災前と同じように給食の楽しさを味わってもらえるよう、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとワールド・ビジョン・ジャパンが簡易給食の費用を支援し、チーズやゼリーなどの補食メニューも加えられるようにしました。

弁当給食への支援(2016年6月1日~3月末)

6月1日以降、簡易給食は、より栄養価が高い弁当給食となりました。保護者の経済的負担を軽減するため、費用の一部を支援しています。

■対象:熊本県益城町の全公立小中学校(小学校5校、中学校2校、児童生徒約3,100名)

温かい給食再開のための給食食器支援(2017年4月12日~)

熊本地震で給食センターが被災し弁当給食が続いていた益城町の小中学校で、4月12日、温かい給食が再開しました。セーブ・ザ・チルドレンは簡易給食や弁当給食への支援に続き、温かい給食に必要な食器(小中学校5校3060食分)を提供しました。温かい給食の初日のメニューは、シチューと米粉パン、人参サラダなどの5品。小学校6年生の教室では、「シチューおいしい!」「あったかい!」「もうおかわりしたよ」と明るい声が響きました。

【活動5】
防災用品の配布(2016年5月26日~)
熊本地震の被災地にある学校では、余震の懸念が続く中授業が行われており、また、普段とは違う通学路を利用して学校に通っている子どもたちもいます。このため、非常時の備えを強化し、より安心・安全に学校生活を送ることができるようにとの思いで、防災用品を配布しています。
■対象:熊本県益城町の小中学校(防災ずきんと懐中電灯付防犯ブザー)幼稚園・保育所(防災ずきん)および学童保育(防災ずきんと非常用持ち出し袋) 、御船町、嘉島町、山都町、甲佐町、 西原村の幼稚園・保育所・小中学校(防災ずきん)および学童保育(防災ずきんと非常用持ち出し袋)

【活動6】
学用品の配布(2016年6月1日~)
熊本県益城町の小・中学校に在籍し、地震で大きな影響を受けた児童生徒が、これまでと同じように学校生活を送ることができるよう、制服や運動服、水着のほか、バスケットボールのゴールや卓球のユニフォームなど、授業や部活動で使用される運動用具についても提供しています。

 

【活動7】
放課後児童クラブ(学童保育)への支援(2016年6月3
日~)
熊本地震の被災地では、学校再開後、被災者の生活環境の変化などにより、学童の果たす役割が今まで以上に大きくなっています。このため、熊本県益城町を中心に、放課後児童支援員(学童指導員)に対する研修を実施しています。これまでに、参加者同士の意見交換の場や専門家による講義といった機会を設けたほか、災害を経験した子どもたちとの向き合い方を学ぶ「子どものための心理的応急処置」の研修を行いました。

 

学童保育に通う子どもたちを対象とした出前講座も実施しています。

【活動8】
中学3年生を対象とする給付金の支給(2016年~)

震災の影響により、子どもたちの学業や文化・スポーツ活動に支障が出ないよう、益城町内の公立中学校に通う中学3年生を対象に「給付型緊急子どもサポート~夏休み応援キャンペーン~」を実施。住宅が一部損壊以上など、一定の条件を満たす生徒計263人に対して、5万円の給付金を支給しました。

【活動9】
「子どもまちづくりリーダーツアー」開催

復興に向けたまちづくりについて考える「子どもまちづくりリーダーツアー」を、2016年8月10~11日に開催しました。益城町をはじめとする熊本県内の小中高生30人が集まり、まちの好きなところや、震災を受けて困ったこと、大人や社会に伝えたいことについて話し合いました。さまざまな意見から「自然」「子どもの居場所」「防災」など5つのテーマに絞り、復興に向けたまちの姿について6つの「夢のまちプラン」をまとめました。8月27日には、益城町内で報告会を開催。町の関係者や地域の住民を前に発表しました。その後、出席者全員で、今後のまちづくりについて意見交換をしました。9月11日開催の「第7回東北子どもまちづくりサミット」でも、リーダーツアー参加者のうち16人が、自分たちの思いを伝えました。

【活動10】
東日本大震災・熊本地震を経験した子どもたちによる報告会を開催

11月20日の「世界子どもの日」に合わせ、東日本大震災や熊本地震を経験した子どもたちによる報告会を東京タワーで開催。岩手県山田町、陸前高田市、宮城県石巻市、熊本県益城町の子どもたちが、約70名の参加者を前にそれぞれの経験や思いを伝えました。会の最後には、共同のメッセージを発表。「ぼくたち、私たち、子どもの意見も聴いてください。もしかしたら明日災害がおこるかもしれません。その時のために、周りの人ともっとつながって下さい。そして、一日一日を大切に後悔しないように生きてください。」と、参加者に力強くメッセージが届けられました。

<これまでの熊本地震緊急・復興支援活動>
2016年11月22日 東京タワーから子どもの声を発信!東日本大震災・熊本地震を経験した子どもたちによる報告会Vol.1
2016年10月17日 益城町の中学3年生263人に、給付金を支給
2016年8月24日
 復興に向け、子ども30名が集合!「子どもまちづくりリーダーツアー」

2016年7月6日     学校生活が、いつも通りに近づくように
2016年6月7日   子どもたちを支える人に寄り添って
2016年5月31日 熊本地震【第八報】「放課後児童支援員研修」を実施します
2016年5月31日 益城町の小中学生に防災ずきんを提供
2016年5月25日 熊本地震【第七報】益城町で防災用品の配布を実施
2016年5月16日 益城町の全公立小中学校で給食再開に合わせた補食支援を開始
2016年5月14日 「こどもひろば」に参加した子どもたちからの手紙
2016年5月12日 熊本地震【第六報】学校再開後の給食支援を実施
2016年5月2日   熊本地震【第五報】学校再開後の教育支援を決定
2016年5月2日   GWの連休中に「こどもひろば」で「ものづくりワークショップ」を実施します
2016年4月29日 「こどもひろば」からの声
2016年4月23日 被災地の支援現場より 千賀事務局長
2016年4月22日 熊本地震【第四報】これまでの支援活動
2016年4月16日 熊本地震【第三報】「こどもひろば」を開設しました
2016年4月15日 熊本地震【第二報】「子どものための心理的応急処置」に関する特設サイト開設
2016年4月15日 熊本地震【第一報】子ども支援ニーズを調査する緊急支援対応チームを被災地に派遣

 

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セーブ・ザ・チルドレンとは

1919年に英国にて設立。子どもの権利のパイオニアまた子ども支援の世界的リーダーとして、すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現されている世界を目指して世界120ヶ国で活動する国際NGOです。国連の経済社会理事会(ECOSOC)の最高資格である総合諮問資格(General Consultative Status)を取得。日本では1986年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが発足しました。