紛争を逃れる少女の続編動画を公開

主人公は、ロンドンに住む少女リリー。前回の動画「Most Shocking Second a Day(モスト・ショッキング・セカンド・ア・デイ)」では、突然起きた紛争により、これまでの平和な日常が一秒ごとに悲劇に変わっていく様子を約90秒の動画で描きました。2014年3月の公開以来、世界で5千万回以上再生され、過去2年間で最も視聴されたバイラル動画の一本として大きな反響を得ました。

今回はその続編「Still the Most Shocking Second a Day(スティル・ザ・モスト・ショッキング・セカンド・ア・デイ)」。セーブ・ザ・チルドレンが欧州と中東で支援する子どもたちの話を基に、紛争を逃れ避難生活を余儀なくされる何千人もの子どもたちの現実を伝えます。定員超過のボートに命を託して地中海やエーゲ海を渡った子どもの数は、2015年1月~2016年3月に計32万5千人を超え*1、2015年の9月~2016年2月の半年の間に、340人の子どもが溺死したとされていますが*2、これは平均すると1日に2人が亡くなっているという計算になります。117秒にまとめられた今回の動画の中で、リリーは新たな生活を求めて英国を逃れ、途中、家族とも離ればなれになりながら、危険で孤独な旅をする難民の少女となります。


*1UNHCR: Statistics taken UNHCR Migrant arrivals Jan 2015 – Mar 2016
*2 IOM/UNHCR DATA: An estimated *340 children have drowned since September –Sep 2015 – Feb 2016

 

セーブ・ザ・チルドレンは今回の続編を、11歳の少女の目を通し、今現在、故郷も、住む家も、家族も、学ぶ機会も失っている一つの世代の子どもたちに起きている現実を知ってほしいとの思いで、制作しました。全ての子どもたちは守られ、教育を得る機会を与えられるべきであり、リリーのような子どもたちには更なる支援が必要とされています。

Most Shocking Second a Day

2014年3月、シリア紛争勃発から3年にあわせ、公開された93秒の衝撃的なビデオ映像「Most Shocking Second a Day」。2日で1,000万回再生を記録し、2年間で5千万回以上再生されました。

シリア国内と周辺国外避難民への支援活動

 ※2016年2月現在

<保健・栄養>
薬や栄養値の高い食料の不足で、子どもたちは栄養失調や病気の危機にさらされています。ヨルダンの難民キャンプや受け入れ地域では乳幼児への適切な栄養支援を実施するほか、エジプトとシリアではそれぞれ、A型肝炎やポリオのワクチン接種キャンペーンを実施しています。また、パートナー団体と協働し、シリア北部では5つの保健・医療施設を支援し、内4施設は基礎医療を、内1施設では内1施設では妊産婦への24時間緊急医療を提供しています。これらの施設には毎週約3500人の患者が訪れ、毎週約100人の赤ちゃんが誕生しています。

<教育>
多くの学校が攻撃に遭ったシリア。北部地域の34,500人の子どもたちに対し、学校で学び続けられるよう支援しました。ヨルダン、レバノン、イラクでは、シリアから逃れてきた子どもたちや若者に対して臨時学習所を開設して、代替教育の場を提供しています。また通学バッグや制服、学費等を、必要とする子どもたちに提供しました。

<食料・生計>
深刻な食料不足に直面する人々に対し、ヨルダンの難民キャンプでは毎月533トンの食料支援を実施しています。レバノンやエジプトでは、社会スキル・専門スキル研修の機会を提供することで、将来的な雇用に繋げる支援を実施しています。シリア北部では、農業に必要な機材や種を購入する支援をし、人々が農業で生計を立てられるよう支える活動を始めています。

セーブ・ザ・チルドレンは、これまでにシリア国内、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトで4,174,318人(内、子ども2,603,744人)に支援を届けました。(2016年6月時点)

いただきましたご寄付は、シリア国内外避難民を含む、世界の子どもたちのために大切に活用いたします。