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災害後の子どもの育つ環境の変化と支援体制への影響に関する調査を実施(2014.03.07)

(公開日:2014.03.07)
東日本大震災発生から3年
災害後の子どもの育つ環境の変化と支援体制への影響に関する調査を実施(2014.03.07)

被災地の子ども虐待リスクの軽減に向けて
〜気になる子ども・家庭を地域で支えるために〜


セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、東日本大震災発生以降3年間、岩手、宮城、福島の3県で支援活動を行ってまいりました。被災地での活動において、子どもの虐待に対する不安の増加が聞かれ、報道等でも被災地で虐待が増加していることを印象付ける記事を見かけるようになりました。そこで、SCJは被災地における子ども・家庭を取り巻く環境の課題を包括的に把握するため、「東日本大震災からの学び:災害後の子どもの育つ環境の変化と支援体制への影響に関する調査」を実施しました。

「グレーゾーン」対応の強化を多機関と連携しながら推進するために、以下を提言としてとりまとめました。


震災後3年以降、被災地の子ども虐待の防止は「グレーゾーン」対応が鍵


1.グレーゾーンに焦点をあてた支援・サービスの拡充・多様化へ
2.官民の積極的連携を軸に、関係機関/団体の協働体制の強化へ
3.「通告」だけでなく、判断に迷う事例の「相談」を促す、予防に効果的な啓発へ

【視点1】 避難・移動をした子どもへの支援の必要性
【視点2】 家族構成・主たる養育者の変更があった子どもへの支援の必要性
【視点3】 家族の避難先の市町村との連携体制の構築の必要性
【視点4】 官民の連携における個人情報の管理に関わる検討の必要性


調査の結果を踏まえ、復興支援活動4年目を迎えるSCJは、被災地における子どもの虐待防止に向けて、本調査では、被災地の状況を現地の視点から捉え直すために、支援者への調査を中心に、相反する意見も含め、多職種の視点から包括的に子ども・家庭・地域社会の課題を捉えることを重要視しました。各課題が子どもの養育環境全体の中でどのような位置にあるのか、またどのような課題がどこに集積しているのかを鳥瞰できたことに、本調査の大きな意義があったと言えます。また、同時に行ったウェブ調査からは、被災地の一般住民の方々の子ども虐待とネグレクトの認識や通告行動について、新たな知見が得られました。被災後の子どもや家庭への支援現場における震災の影響は、国内の子どもの虐待対応や早期予防など、全般的な課題を映し、制度・施策として強化すべき点が一部明らかになったとも考えられます。
SCJは、被災地における支援活動の4年目にあたり、子ども虐待のリスクの軽減に向け、市町村、教育、福祉、関係民間団体等との連携を深めて、上記の提言を踏まえ、「気になる」子ども・家庭を支えるための支援や取り組みの強化を広く内外へ呼びかけていきます。


「東日本大震災からの学び:
災害後の子どもの育つ環境の変化と支援体制への影響に関する調査」概要


本調査は、震災後3年以降の中長期的な子ども支援に向けて、SCJの今後の活動へ反映することに留まらず、当事者、地域社会、行政、民間団体等も含め、被災地における子どもたちや家庭の本質的課題に対する新たな認識、支援、及び、協働体制を再構築するための一助を担うべく実施した。


【調査の目的】
1. 子どもの虐待とネグレクトに対する、潜在化している支援ニーズを包括的に把握する
2. 公式統計等に顕れない子ども・家庭の潜在的ニーズを掘り起こす
ため、外部からの視点では捉えられない現地のコンテキストを、現地の支援者や、養育者、子どもの視点に立脚し、問題を捉え直す(再構築する)
3. 被災前からの現地の支援資源状況を踏まえ、支援関係者の視点や問題意識を包括的に集約する


【調査の概要】
 調査期間:2013年6月〜11月
 調査地域:岩手県(主に陸前高田市)、宮城県
(主に石巻市)、福島県(主に南相馬市)
 調査対象:要保護児童支援に携わる専門職、健全育成分野
の民間団体、教育・保育現場などの職員
 調査設計:
 〜 机上調査(既存の統計データ)の検討
 〜 支援者への調査: ヒアリング調査(合計46か所:98名)
 〜 支援者への調査: 質問紙調査(関係職種:83名)
 〜 ウェブ調査(一般地域住民:1,088名)
 〜 特筆すべきテーマについての考察
    〔虐待・ネグレクト、DV、避難・移動、家族構成・
    主たる養育者 の変更、原発事故の影響、仮設住宅、里親、震災による社会資源への影響〕
※〜で頻出し、震災の影響を直接的に受けていると思われたテーマを選択した


【調査メンバー】
公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
吉田 恒雄  駿河台大学副学長・法学部教授
            特定非営利活動法人 児童虐待防止全国ネットワーク 理事長
川松 亮  厚生労働省 雇用均等・児童家庭局総務課児童福祉専門官
有村 大士  日本社会事業大学社会福祉学部准教授
株式会社 三菱総合研究所(一部業務を委託)


【主な調査結果】
 虐待そのものより、判断に迷う事例は市町村・都道府県等の相談機関に繋がりにくい
 被災後、家族形態や主たる養育者の変更が、子どもの養育環境に新たな懸念を生じさせた
 被災地の子どもの虐待やウェルビーングに関する認識は、職種等に関わらず多様であった
 虐待には至らないが、前段階(グレーゾーン)に位置づけられる「気になる」課題に発言が集中している
 目に見える虐待より、「ネグレクト」または「ネグレクト系の育児」に関する養育課題が大きい
 被災後、避難・移動による変化により、子ども・家族・地域社会に様々な影響を与えた


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