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アドボカシー(チャイルド・ライツ・センター)
(公開日:2013.12.26)

報告書「The Right to Learn(学ぶ権利)」を発表(2013.12.25)

 
?ポストMDGsにおける教育目標の課題は「教育の質と学習成果」?

ミレニアム開発目標(MDGs: Millennium Development Goals)が2015年に達成期限を迎えた後の2016年以降の国際開発枠組み(ポストMDGs)の策定に向けた議論が行われる中、子ども支援の国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは12月11日、報告書「The Right to Learn(学ぶ権利)」をニューヨークの国連本部で発表し、全世界の初等教育4年生の4割にあたる2億5千万人の子どもが、読み書き計算ができない状況について、親やコミュニティが不満を抱いていることを明らかにしました。

国際社会は、普遍的な初等教育の達成を目指してMDGs及び、万人のための教育(EFA: Education for All)の取り組みを続けてきました。2000年以降、それまで学校に通えなかったおよそ4,500万人の学齢期の子どもが初等教育を受けられるようになり、歴史上最も多くの少年少女たちが学校に通っている他、教育における男女格差も著しく縮小しました。しかし、多くの国や地域では未だに教育の質が十分でなく、せっかく学校に通っても、期待される学習成果があらわれていないのが現状です。特に、極度の貧困の中で生活している子どもたちや、紛争地域の子どもたちに、そういった傾向が顕著に表れています。

ブラジル、エチオピア、インド、ケニア、ネパール、南アフリカ、タンザニア、ジンバブエの7カ国で実施した教育の学習成果に関する調査からは、親をはじめとしたステークホルダーが、学校や子どもたちの学習進捗状況に関する情報や教育に関する権利についてほとんど知らされない状況に大きな不満を感じ、学校に関する情報公開と透明性を求めていることがわかりました。

例えばインドでは、学齢期の子どもの95%以上が学校に通うようになりましたが、小学5年生の約半分が、2年生レベルの読み書きや、2桁の引き算が満足にできないという調査結果が出ています。しかし、就学児童の母親の約半分が学校に通ったことがないため、子どもの教育の成果について自分で確認することができません。親やコミュニティが子どもの学習を支える効果的な役割を果たせるようになるためには、学習到達度のデータなどを提供することが求められています。

このような調査結果に基づき、セーブ・ザ・チルドレンは、教育の分野におけるポストMDGsの焦点は、情報公開と透明性の向上による教育の質と学習成果における衡平性の達成であると考え、次のような提案をまとめました。

1. ポストMDGs策定に向けた議論に、発展途上国の市民社会の声を確実に反映させること。
2. ポストMDGsの議論が進むこの機を捉え、次の開発枠組みに野心的な目標として教育の質と学習成果における衡平性の達成を入れること。
3. 各国が学習成果の進捗状況を測定するための細分化されたデータ収集と、解析を行うためのシステムを充実させること。
4. 教育援助額の増加を図り、緊要な教育資源を各国の最貧困層に振り向けること。
5. ポストMDGsにおける目標として、学習成果の衡平性の達成と、国ごとの目標と指標決定の参加型プロセスを支持することで、地域のステークホルダーに対する説明責任の向上を図ること。
6. 子どもの学習到達度や学校に関する情報開示と透明性を確保し、地域コミュニティのエンパワメントを図ること。

セーブ・ザ・チルドレンは引き続き、ポストMDGsの策定に向けた各プロセスにおいて、上記の点を働きかけていきます。


報告書(英語PDF)
The Right to Learn - Community Participation in improving Learning

■ミレニアム開発目標(MDGs)について
2009年9月の国連ミレニアムサミットで、「ミレニアム宣言」が採択され、この宣言をもとにMDGsがつくられました。MDGsは、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げ、その下で、21の具体的なターゲットと60の指標を設定。8つの目標の一つに「普遍的な初等教育の達成」があります。

*本報告書は、ASERパキスタン、the Center for Universal Education at Brookings、ユニセフ(国連児童基金)、GEFI(国連世界教育推進活動)、ユネスコ(国連教育科学文化機関)、Woman Thrive Worldwideの協力のもと、12月11日に国連本部で発表されました。

 

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