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日本/東日本大震災/福島
(公開日:2014.09.10)

【福島:放射能リテラシー(7)】いわき市の2つの中学校でワークショップ:パイロット版セッション3を実施〜これからの環境について考えよう〜(2014.09.10)

 

いわき市の中学校二校で6月、7月に行った「放射能リテラシーワークショップ:パイロット版」。3部構成からなるワークショップのセッション1の様子は、8月6日付のブログで、セッション2の様子は8月21日付のブログでご紹介しました。今回のブログでは、最後となるセッション3についてご報告します。ワークショップの進行役は、NPO法人市民科学研究室の上田昌文さんです。

放射能リテラシーワークショップ:パイロット版の構成
これまでブログでご紹介したように、ワークショップは3つのセッションからなり、学校で行う場合は、各セッションは50分授業×2で進めます。セッション3の主な内容は以下の通りで、今回のブログでは、主に展開AとBについてご紹介します。

【放射能リテラシーワークショップ:パイロット版 セッション3の主な活動とそのねらい】



展開

ねらい

子どもの活動内容

@

セッション1,2で学んだことを振り返る

クイズ形式でセッション12のおさらいをします。

A

メディアの伝え方について考え、情報をどのように 読み取るかを話し合う

新聞やマンガなどで「福島」がどのように取り上げられているかを知り、どのような伝え方がよいかを考え、グループ内で自分の意見を発表します。

B

環境中の放射能汚染に ついて考え、その対策について話し合う

放射能汚染がどのような状況であるか、また環境に影響しているかを考え、環境マップに記入します。その後グループで 1つの要素を選んでどのような対策をすべきか考え、最後に全体で共有します。



【展開A:メディアの伝え方について考え、情報をどのように読み取るかを話し合う】
これまでの2回のセッションで、放射線の基本的な知識や、外部被ばくや内部被ばくについての 対処の仕方について学んだ子どもたち。セッション3では自分たちが住んでいる福島県について、資料の読み取りやディスカッションを通じて、考えていきます。

展開Aでは、福島の様子や放射線の影響と思われる描写をしたマンガを使い、その内容について、意見を交わしました。自分の意見を述べる時には、「なぜそのように 思ったか」という根拠も述べたり、「どのように改善すればよいか」という方法についても考えてディスカッションを進めていきます。

セッション1であげられた子どもたちが不安や疑問の中に、「『福島』と聞かれただけで、嫌な顔をされそう」「原発事故以来、福島は全国から注目を浴びるのか」という意見がありました。

そのような子どもたちが今回あげた意見には、メディアの伝え方を疑問に思う声や、情報を正しく伝えてほしいという思い、しっかりアンケートをとった上で伝えるべきだという考えが見られました。




【展開B:環境中の放射能汚染について考え、その対策について話し合う】
展開Bでは、放射線が自然環境の中でどのように移動し、どんな場所にたまってしまうのかを考えます。原発、大気、山間部、川、海、農地、市街地などと書かれた「環境マップ」に、放射線が原発事故後、どのように広まっていったかを矢印を使って記入していきます。



続いては、地域の「放射能対策室」のチームメンバーになったという設定で、各グループで、放射線対策を考えます。

最後にグループで意見をまとめ、全体で発表します。子どもたちは各グループの発表からも学び合い、さらにファシリテーターから環境や除染作業についての現状を聞くことで、学びを深めていきました。



子どもたちの声
3回のセッションを終え、2つの中学校の子どもたちのアンケートから様々な声を聞くことができました。

【(1)セッション1、2に参加してから自分の行動や生活の中で変わったことは?】
ワークショップに参加することで、多くの子どもたちがより放射線について考えるようになったことがわかります。たとえば、「放射能について前よりも考えるようになった」という答えは、セッション2のあとのアンケート(全回答者77人)では、38人、セッション3の後(全回答者72人)は、45人に増えています。また、「新聞やテレビ、モニタリングポスト等で、身の回りの放射線量について関心を持つようになった」もセッション2のあとは、22人、セッション3の後では25人、「友だちや家族と放射能について話すようになった」は、13人から17人に増えています。

【(2)放射能について学ぶことは大切だと思いますか?】
最後に「放射能について学ぶことは大切だと思いますか?」という質問をしたところ、2つの学校とも72人中、62人、実に8割以上の子どもが「大切だと思う」と答えています。その理由として、「日常生活を送る上での知識が必要だ」という考えや、「自分の将来のために学んでおく必要性がある」「将来また事故が起こるかもしれないから」という意見もありました。

今回の2つの中学校で実施した3部構成のワークショップの報告は以上です。
今後も引き続き、学童保育クラブや中学校などでワークショップを実施していく予定です。今後も報告をお楽しみに!

(報告:福島事務所 佐々木未央)


<放射能リテラシーワークショップについて>
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、福島プログラムの一環として、2013年9月から放射能リテラシープロジェクトを始めました。このプロジェクトは、福島の子どもたちが、放射能について学び、さまざまな情報や報道を読み解き、自分なりに判断する力を身につけることを目的としています。昨年11月から試作版ワークショップが始まり、2014年7月現在、福島県福島市といわき市の中学校で実施しています。


 

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