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シリア危機
(公開日:2015.04.16)

「青少年クラブ」の現場から〜シリア難民ハスナさんに芽生えた新たな希望〜(2015.04.16)

 

青少年向け研修の様子

2013年、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、シリア難民と受け入れ国レバノンの青少年双方を対象とした「青少年クラブ」をレバノンのベカー県に開設しました。(参照:前回の活動報告ブログ)

今回は、クラブに参加している青少年の中から、ハスナさんの声を紹介します。ハスナさんは、今でも争いが続くシリア南部からレバノンに避難している22歳の女性です。紛争が始まるまでは、家族や友人たちに囲まれて楽しく生活していました。シリアでは、政治学を専攻し、将来に希望を抱きながら熱心に学ぶ大学生でした。

ところが、ハスナさんが大学1年生の時、シリア紛争が始まりました。紛争が激しさを増すにつれて、大学の寮から実家へ簡単に帰れない日々が続くようになると、お父さんから、大学を辞めて、実家に戻るようにと言われてしまいました。その後間もなく、ハスナさんの実家周辺にも危険が及んだため、一家でレバノンへ避難することになりました。

ハスナさんの家族は、シリアからレバノン・ベカー県(カブ・エリアス村)に避難し、まだ建設も終わっていない家屋を借りて暮らす生活が始まりましたが、ここでの生活は、シリアにいた頃と比べて極めて過酷なものとなりました。 「これまで辛かったのは、シリアの平和な生活を失ったことと、友だちと離ればなれになったこと、中でも、大学へ通い続けられなかったことはとても悲しかった。」と、遠い目をしてハスナさんは言います。

そんなハスナさんに、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが運営する青少年クラブのことを教えてくれたのは、彼女の母親でした。保健所を訪れた際に、青少年クラブがあるのを知ったハスナさんの母親が、彼女に登録を勧め、ハスナさんは迷わず参加することに決めました。

「シリアでの平穏な生活と大学生活をどちらも失って、レバノンに来てからというもの、ただ家の中で何もせずに日々を過ごす生活でした。友だちもできず、地域とのつながりもなくて、毎日家の中で鬱々と過ごすだけだった環境を、有意義なものに変えたかった。新しい知識や経験を得るチャンスのない日々に、終止符を打ちたかった。そして、大好きな政治学の勉強を続けられなかった分、新しいものを学び取ることにその熱意を向けたかったのです」と、ハスナさんはこの活動に参加するようになった想いを語ってくれました。

 
青少年クラブで意見を交わす参加者たち

ハスナさんはまず、効果的なコミュニケーションや意思決定の仕方等を教える青少年向け研修(社会スキル研修)に参加しました。活動に興味を持ったハスナさんはさらに、「ボランティアとして、クラブ運営の手伝いをしたい」と名乗り出ました。それからハスナさんは毎日青少年クラブに来て、職員をサポートするようになりました。今では、トレーナー向けの研修も受講し、他の青少年たちに対して研修を実施できるまでに成長しています。

「青少年クラブに参加し始めてから、知識が増え、より自信がついて、社交的にもなりました。昔の私は悲観的で、レバノンにいても仕事も見つからず、勉強も続けらないだろうとあきらめるばかりでした。でも今は、レバノンでも学び続けることができるし、やりがいのあることを続けられると、希望を抱けるようになりました。」

「将来は、シリアで始めた政治学の勉強を続け、語学も学びたい。また、お金目当ての為だけに働くのではなく、社会に対して肯定的な変化をもたらせるような仕事に就きたい。今の経験は、将来に必ず役立つだろうと感じています。」ハスナさんは、強い意志を持ったまなざしで語ってくれました。

ハスナさんが青少年クラブに参加することによって、将来への希望につながっていることは、私たちにとっても大きな励みです。これからも、一人でも多くの青少年をサポートできるよう、事業を続けていくのと同時に、皆さまにもクラブに参加する青少年の声をレバノンからお伝えしていきたいと思います。


―シリア難民青少年支援プロジェクト―
事業場所:レバノン・ベカー県
事業概要:シリアから避難してきた10代、20代の若者たちは、レバノンの生活慣習や教育制度の違いなどから、日常の生活において社会的、経済的に様々な困難に直面しています。そこで、シリア難民が多く滞在するレバノン東部のベカー県に居住する14歳から24歳までのシリア難民青少年と受け入れコミュニティの青少年を対象に、子どもの保護や生計支援を目的とした事業を行っています。事業期間:2013年4月9日〜2014年2月28日(第1期)/2014年3月3日〜2015年4月15日(第2期)
事業分類:【緊急・人道支援】【子どもの保護】【生計支援】

本事業は皆さまからのご支援と、ジャパン・プラットフォームからの助成により実施しています。

報告者:レバノン駐在員 長島麻奈


 

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