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日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり
(公開日:2016.02.15)

子ども参加に関する意識調査2015 Vol.1「“子どもだからダメ”って言葉は必要ない」(2016.2.15)

 
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、子ども参加によるまちづくり事業“Speaking Out From Tohoku(SOFT)〜子どもの参加でより良いまちに!〜”の一環として、石巻市と協働で、2015年11月4日から12月11日にかけて、宮城県石巻市の小学4年生〜高校生を対象に、「Hear Our Voice 10 〜子ども参加に関する意識調査2015〜」を実施しました。
東日本大震災から5年が経過しようとしている今、子どもたちはどのようなことを考えているのでしょうか。


■約8,000人の子どもたちの声■
この調査では、2011年2012年2014年の調査 に引き続き、東日本大震災後の地域の復興や防災に子どもが参加することについて、子ども自身がどのように認識しているかを把握するために実施しました。その結果、8,152人の子どもたちから有効回答を得ることができ、下記のことが明らかになりました。


●復興について
・約6割が「自分のまちの復興に関わりたい」
子どもたちの62.4%が、「あなたは、自分のまちの復興に関わりたいと思いますか?」という問いに「はい」と回答しました。多くの子どもたちが「はい」と回答しているものの、その割合は年度を追うごとに少なくなっています。(2011年度/84.4%、2012年度/68.1%、2014年度/64.9%)一方、子どもたちの61.7%が、「あなたは、自分のまちの復興のために何かしたことがありますか?」という問いに「はい」と回答しました。「何かしたい」と答えた子どもの割合より低くなっていますが、その割合はわずかに増加しています。(2012年度/56.7%、2014年度/57.2%)


・「何をしたらいいかわからない」「かかわる機会がない」
「あなたは、自分のまちの復興に関わりたいと思いますか?」、「あなたは、自分のまちの復興のために何かしたことがありますか?」という問いに、「いいえ」と答えた子どもの理由として、「何をしたらいいのかわからない」「関わる機会がない」という回答が上位を占めました。これは2012年度、2014年度の調査結果と同じ傾向です。いまだ、子どもが復興に関わることについての具体的な情報や身近な機会の提供が子どもに分かりやすい形で少ないことが原因だと考えられます。また、「特にやりたくない」と回答した子どもの割合は、年度を追うごとに増加しています。震災直後には子どもには復興に関わることへの意欲があったにも関わらず、復興に関わるための具体的な情報や身近な機会が子どもに分かりやすい形で提供されなかった期間が長引くほど、復興に関わることへの意欲が低下したと考えられます。


〜寄せられた子どもたちの声〜 
※自由回答より抜粋。誤字・脱字もそのまま転記。 
・震災がおこったとき、僕たちは小学校1年生だったので年下の人はもっと幼くて覚えていない人や経験していない人がいるので、そういう人に震災のことを教えてあげてください。(小6・女)
・防波ていの復旧作業はすすんでいるのか、もしもその間にまた津波がきたら、ひなんする場所はあるのか。道路の状況はどうなのか、ガレキはもうないのかなど言いたいことはいっぱいあります。(中1・男)
・何かの役に立ちたいが、いそがしいのもあるし、できることはすべて大人にやられていまうし、やろうとしてもジャマになるだけだし、大人だったらすぐできるかんたんな仕事しかさせてもらえないから、もっとそこを工夫すれば、いいえの人もはいになると思いました。(小5・男)
・大人も子供も困っている時は必ずあると思う。悩み事や苦しい事もある。そんな時は助け合って生きる必要がある。「子供だからダメ」って言葉は必要ない。「力」になりたいと思ってダメですか?(中3・女)
・4年半がたちました。あのとき、子どもを大切に守ってくれた大人のみなさん。今、私は6年生になりました。あのとき、大人の方々の優しさがあってからこそ、私達子どもは成長しています。感謝。あと、にげるところがなくて、こまっていたとき、家にとめてくれた人。ありがとうございました。(小6・女)


●防災について
・10人に9人以上が「災害に備えることが大切」
「災害に備えることが大切だと思いますか」という問いに、約95%の子どもたちが「はい」と回答しました。一方、「災害に備えて何かしていますか」という問いに「はい」と回答した子どもは約73%にとどまりました。

・「何をしたらいいかわからない」「いそがしくて、時間がない」「おとながしてくれる」
「災害に備えていない」理由としては、「何をしたらいいかわからない」「いそがしくて、時間がない」「おとながしてくれる」と回答した子どもの割合が多くなりました。


・自助への意識や行動が高く、共助への意識は自助ほど高くない
「 災害に備えて何をしているか」という問いへの回答は、家庭で出来る自助にあたる手段が多く選択され、地域で協力して行う、共助にあたる手段は自助ほど多くありませんでした。自助にあたる手段に関しては子どもたちの意識や行動は高い一方で、共助にあたる手段に関して子どもたちの意識は自助ほど高くなく、行動になるとさらに低くなっていることが伺えます。


→調査概要・結果詳細はこちら
「Hear Our Voice 10 〜子ども参加に関する意識調査2015〜」 (速報)


〜寄せられた子どもたちの声〜 
※自由回答より抜粋。誤字・脱字もそのまま転記。 
・4年半前の震災では多くの人が亡なりました。自分の友達も亡なりました。地震がきたときは机の下にかくれたり校庭に避難しました。当時このような行動ができたのも日頃から避難訓練をしていたからだと思いました。避難訓練をする理由は、災害が起きても冷静に行動するため、自分の命を守るためだと思います。震災を経験した自分たちだからこそできることがあると思います。訓練をしてみんなの防災意識を高めていきましょう!!(中3・女)
・地域と学校の連携した訓練が足りないと思います。学校の避難訓練を単独で行うのではなく、地域と連携し同時に行うことが大切だと思います。(高2・女)
・震災当時ぼくは小学一年生でした。その時はおばあちゃんがひなんしていた学校まで、むかえにきてくれました。でももしぼくが一人で家にいたときなどは、災害が起きてもだれも指示してくれません。なので自分一人でいてもすぐ行動に取りくめる様な指示が書いてあるプリントなどがあると安心です。(小6・男)
・東日本大震災は起きた、経験した。だから生きている間、そこで何が起ったか、どんな風に起きたか、震災後にはどんなことになったかなど、新しい人達に教え、また起きても災害を最小げんにして次の人へと伝げていきたい。(中3・男)
・私たち子供の目線で感じたこと、学んだことはまだ違った視点だと思います。それを大人の意見と共に合わせて、石巻市の防災についてもっと考えたり発信したりしていきたいです。(中3・女)


■地域の復興や防災に向け、子どもたちにもっと参加の機会を!■
2011年、2012年、2014年、そして今回の継続調査により、子どもたちは未曽有の震災を経験したにもかかわらず、当事者として復興や防災に関わりたいと強く願っているものの、そのための具体的な情報や身近な機会が子どもに分かりやすい形で提供されなかったことから、意欲が低下していることが分かりました。復興には長い年月がかかりますが、子どもたちは未来を担うだけでなく、今を生きている地域の一員です。


セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、子どもたちが地域の復興や防災に向けて声をあげ、社会に参加できるよう、子どもたちに具体的な情報や機会を、子どもに分かりやすい形で、より多く提供できる仕組みを社会が作っていく必要があると考えます。そのため、今後も行政・保護者・地域の方々と連携し、様々な形で、子どもたちが地域の復興や防災に向けて声をあげ、参加できるように活動を続けていきます。


今回の調査にご協力いただいたみなさま、そして活動を支援してくださっているみなさまへの感謝とともに、今回の調査で寄せられた子どもたちのすべての声をレポートとしてまとめ、3月以降にホームページにてお届けします。今後も東北の子どもたちの声にぜひ耳を傾けてください。どうぞよろしくお願いいたします!


(報告:遠野事務所 中村悠)

 

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