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日本
(公開日:2017.07.07)

仙台 学校の先生を対象に「子どものための心理的応急処置」研修を実施

 

6月14日、セーブ・ザ・チルドレンは、みやぎ心のケアセンターなど他団体と連携し、宮城県仙台市において、公立学校(小中高・特別学校)の教職員を対象に「子どものための心理的応急処置(Psychological First Aid for Children 以下、子どものためのPFA)」研修を行いました。


「子どものためのPFA」は、専門家が行うカウンセリングや医療行為ではなく、誰にでもできる緊急時の子どものこころのケアの手法です。災害などの緊急時に、ストレスを抱えた子どもや親・養育者を支える心理社会的支援のひとつとして開発されました。ここ数年、セーブ・ザ・チルドレンは「子どものためのPFA」を日本国内で普及するために、研修や紹介セミナーを各地で開催してきました。その成果が徐々に表れ、日本でも確実に拡がりつつあります。

PFAへの関心の高まり
日本では東日本大震災後、被災者の初期段階のストレスを軽減する手法としてPFAへの関心が高まっています。セーブ・ザ・チルドレンは、世界保健機関(WHO)などが2011年に開発したPFAマニュアルをもとに、2013年には子どもに特化したマニュアルを作成しました。2014年から日本国内で普及を行っています。2017年には、東京をはじめ、名古屋、徳島、長崎、新潟など各地で、災害医療関係者や学生、保育士などの子ども・子育て支援関係者を対象に研修を実施しています。

「子どものためのPFA」詳細は:http://www.savechildren.or.jp/lp/kumamotopfa/

宮城県での講師育成と波及効果

宮城県では、2015年から東松島市で教員や保育士、保健師、市の防災危機管理課職員を対象に1日研修を行ってきました。また、県内で「子どものためのPFA」の研修を担える人材育成を進めるべく、震災後に設置された公益社団法人みやぎ心のケアセンターとセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが協力し、2016年に指導者育成研修を実施しました。

こうした取り組みを通じて、宮城県では2016年、教員を対象とした防災主任研修の一環として、「子どものためのPFA」が採用されました。2回目となる今年は、地元のみやぎ心のケアセンターと協働し、8人のうちほぼ全員が県内在住という講師陣で実施することができました。これは、地域でPFA研修を継続し災害時に常に備えるという点で、とても重要です。

はじめは緊張、最後はリラックス

各学校で防災担当の「主任」を務める、文字通り経験豊富なベテラン教員100人が参加する研修会。最初は緊張した面持ちの先生が多く、少し固い雰囲気でした。「子どものためのPFA」研修ではさまざまなロールプレイを行うのですが、先生方の反応に、始めは少し不安でした。

座学では、みやぎ心のケアセンターの企画研究部長で児童精神科医でもある福地成先生が緊急時の子どもの反応について、また「子どものためのPFA」の日本での普及を進めているセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン職員の赤坂美幸がPFAの行動原則「見る・聴く・つなぐ」について解説しました。その後は4つのグループに分かれて、いよいよ演習開始です。先生方は、最初はぎこちなかったのですが、お手玉を使ったアイスブレークで少し身体がほぐれたようで、次第に笑顔が出てきました。


「見る・聴く・つなぐ」というPFAの行動原則をもう一度確認しながら、ペアになった講師が、災害などの緊急時にひとりでいる子どもとの接し方をロールプレイで実演。「え、これを僕らがやるの?」という声が聞こえてきそうな戸惑った表情もありましたが、いったん始まると真剣かつ楽しそうに演技していました。

また、行動原則「聴く」のロールプレイでは、子ども(役の先生)の言葉に「うん、そうかぁ」などと耳を傾けながら心配事やニーズを上手に尋ねる様子から、普段から生徒たちの悩みや相談を聴く先生方の真摯な姿勢を感じました。同時に、話そうとしない子どもにどう対応すべきか、誰かに「つなぐ」より自分が解決策を提案してあげるべきじゃないのかなど、さまざまな気づきや、責任感の強さゆえの悩みもあったようです。東日本大震災直後の子どもたちと接してきた実体験を思い出された先生も、少なからずいたのではないでしょうか。

研修終了後、講師8人はそれぞれのグループから出た質問やコメントを共有し、良かった点、演習で工夫・改善すべき点などを話し合いました。講師にとっても貴重な経験になったようです。

さらなる普及に向けて
今回の「子どものためのPFA」研修は、地域の中で講師を派遣できる体制を作り、地域内でつながっていくというグッド・プラクティスと言えます。その意味で、私たちセーブ・ザ・チルドレンにとっても貴重な成果となりました。防災主任研修会に2年連続で「子どものためのPFA」研修を採用してくださった県の関係者の方々に、あらためて感謝いたします。

地震など大規模な災害が起きたとき、子どもが抱えているストレスを軽減し、自然回復を促す環境やコミュニケーションを迅速に提供することは、長期的なこころの問題を抱えるリスクを減らします。そのためには他の防災同様、普段からその体制を準備していく必要があり、「見る・聴く・つなぐ」を実践できる人たちを、地域の中で育成していくことが重要な要素のひとつとなります。

セーブ・ザ・チルドレンは、教育機関や子ども支援に携わる方々への普及と研修をさらに進めていき、災害などの緊急時に子どものこころのケアを実施できる体制が各地に広がるよう、これからも取り組んでいきます。


 

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