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日本
(公開日:2017.10.31)

「子どものための心理的応急処置」指導者養成研修を実施

 

医師、臨床心理士、看護師等、専門家の方々が大勢集まった会場の様子


セーブ・ザ・チルドレンは、2017年10月3日と4日の二日間にわたって、都内において、緊急下の子どものこころのケア「子どものための心理的応急処置(Psychological First Aid for Children 以下、子どものためのPFA)」*の指導者養成研修を開催しました。「子どものためのPFA」は、ストレスを抱えた子どものこころを傷つけずに対応するための手法です。支援が必要と思われる子どもに寄り添い、ニーズや心配事があれば必要な人、物、情報へつなぎます。セーブ・ザ・チルドレンでは、「子どものためのPFA」研修を子ども・子育て支援、教育、福祉、精神保健医療関係者などとともに日本全国で普及をしています。

昨年より日本全国の子ども支援団体や災害医療支援従事者などから「子どものためのPFA」の手法を学ぶ研修を受講したいという要望がたくさん寄せられるようになり、「子どものためのPFA」のニーズが各方面で高まっています。そこで、PFAに関する適切な知識や手法を習得してもらい、実際に普及する研修におけるファシリテーターの養成を目的として、災害派遣精神医療チーム(DPAT)事務局と共催で研修を実施しました。

研修には、DPATや消防関係者、セーブ・ザ・チルドレン職員など31人が参加しました。九州、関西、東北などの遠方から来た方も多く、研修への意気込みが感じられました。

研修の初日、参加者はグループに分かれて「人道対応の最低基準」や「子どもにとって安心・安全な組織、事業づくり」「災害時のメンタルヘルス」など、「子どものためのPFA」基礎の部分について学んだあと、実際の研修内容やファシリテーションについて講義を受けました。

二日目は、より実践的な学びを深めることを目的として、ストレスを抱えた子どもに接した場合を想定したロールプレイなど、ファシリテーターとしての模擬研修に取り組みました。

グループごとに、ストレスを抱えた子ども、支援者、ナレーターなどの役に分かれて場面を設定しました。あるグループは、「被災地で兄弟がぽつんと佇んでおり、周囲には親や養育者もいない。そんな兄弟に支援者としてアプローチをする。子どもたちのニーズを聞くと・・・」と、状況を設定。ロールプレイ後に、子どもの自助力を引き出すためにどう対応したか、ストレスを抱えて疑心暗鬼になっている親や養育者にどう接したかなど、配慮したことや実際にロールプレイを行って感じたことなどを共有しました。

さらに、ロールプレイでは、「トライアンギュレーション」という、パペットなど「第三者」の力を借りながら、子どもとのコミュニケーションを促進する手法についても学びました。この手法を日頃から使っているという参加者もいて、臨場感溢れるロールプレイに会場は多いに沸きました。

「子どものためのPFA」の行動原則は、「見る・聴く・つなぐ」です。これは、災害などの緊急時、子どもに何が起こったのか分析させたり、起きたことを時系列に並べて話すよう促したり、感情や反応を無理に聞き出すことではありません。今回の研修では、PFAの行動原則を、子どもに寄り添いながら実践する上で必要な重要事項について、ファシリテーターとしてどのように伝えるか皆で学びました。


研修を終えて、参加者からは「PFAは専門家にしかできないものではないということを学びました。しかし、専門家だったら、ぜひ当たり前のようにPFAのことを知っておいてほしいと思った」「早速、PFA研修を開催して、地元でPFAの手法を伝えたい」と言った意見があがりました。


臨床経験豊富な専門家による巧みなトライアンギュレーションに沸く会場の様子


二日間の研修が終わり、最後に講師から参加者全員に修了証を手渡しました。「子どものためのPFA」を普及していく資格を持つ、新たなファシリテーターの誕生です。

災害などの危機的な出来事に直面した子どもたちは、大人とは異なる反応や考え方を示します。また、成長段階によって必要とする支援も異なってきます。緊急時にストレスを抱えた子どもたちは、初期段階において適切な支援を受けることにより、子ども本来が持っている回復力を促すことができるのです。

災害が実際に起きた時に子どもたちと親・養育者を守ることができるように、セーブ・ザ・チルドレンは、これからも「子どものためのPFA」のさらなる普及に向けて、連携しているパートナーとともに、全国で研修を開催していきます。


指導者模擬研修では、今まで学んだことを活かし、個性豊かな指導が実践された。


*子どものためのPFAとは
「子どものためのPFA」は、世界保健機関(WHO)などが作成したPFAマニュアルをもとにセーブ・ザ・チルドレンが2013年に開発した、子どもの認知発達段階の特性にあわせて、災害時にストレスを抱えた子どものこころを傷つけずに対応するための手法です。現在、災害医療をはじめとする緊急・復興支援に関わる関係者から注目を集めています。


 

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