娘は痛みと恐怖で叫び続けました。
空爆で重傷を負ったラザンさん(8歳・イエメン)のお父さんのストーリー
「私はサミール、33歳です。娘は空爆で金属片が目に当たって重傷を負い、血を流しながら痛みと恐怖で叫び続けていました。しかし私には、病院に連れて行くための交通費すらありませんでした。娘は『大丈夫、痛いけれど見えるよ』と言っていましたが、本当はかなり見えなくなっていたのです。
5日間家で激痛に耐えていた娘は、セーブ・ザ・チルドレンの支援で専門病院へ搬送され、手術を受けることができました」
恐怖を経験したラザンさんに、セーブ・ザ・チルドレンは精神保健・心理社会的支援(こころのケア)も提供しています。
イエメンの紛争は、世界最悪の人道危機です。
イエメンでの紛争はすでに3年を経過し、世界最悪の人道危機となっています。この危機において、最も影響を受けているのは子どもたちです。ハーリドさん(12歳)が戦闘機から爆撃を受けた時、スクールバスに乗っていた子どもたちのうち、40人の子どもたちが死亡しました。犠牲になった子どもたちの多くは10歳未満の子どもたちでした。
ハーリドさんは爆弾の破片によりひどい傷を負いました。爆撃直後は意識不明の状態が25日間続きました。その後、この恐ろしい経験から回復するため、集中的にこころのケアを受けました。
「死んでしまった友達もいるし、けがをした友達もいます。いつも一緒に遊んでいた友達とは、もう一緒に遊べない。お墓に行って、いつもそこで泣いています」
彼の望みは、紛争が終わることです。そして彼の夢は、医師になって、子どもたちの治療をすることです。
私たちは、イエメンの子どもたちがトラウマとなるような経験から立ち直れるよう、こころのケアを行うほか、教育の機会を提供といった様々な形での支援をしています。 また、子どもたちの命を救い、子どもたちの未来を守るために病気や傷の治療、コレラやジフテリアといった感染症の流行を止めるための活動を行っています。
紛争、飢え、そして病気によって何百万人もの子どもたちの命が脅かされています。
コンゴ民主共和国は、世界最悪の人道危機に直面しています。子どもたちは、そうした状況の最大の犠牲者となっており、200万人を超える子どもたちが、飢えにより命を落とす危険があります。この地域での紛争は20年にわたって続いているだけでなく、国全体でコレラやエボラにより子どもたちの命は脅かされています。紛争により村が安全ではなくなる前までは、ティムさんの暮らしはいいものでした。
「家は焼け崩れてしまいました。お父さんが首を斬り落とされて殺されたと、村の人から聞きました。お母さんと私たちきょうだいは何も持たず、30キロも歩きました」
彼女は家族とともに逃げ、今はおばの家で暮らしていますが、彼女の母親が重い病気のため小さな家に19人もの親戚が暮らし、食べ物は極端に不足しています。ティナさんは紛争のために学校に行っておらず、教育を受けないと、自分の未来がなくなると心配しています。
私たちは、最も弱い立場にある子どもたちの命が守られ、安全でいられるような支援活動を行っています。また、子どもたちにとって必要な教育の機会を提供し、子どもの未来を守るための支援も行っています。そして、本来なら子どもたちが経験してはならない恐怖から回復できるようこころのケアを行ったり、学んだり、遊んだりできる安全な空間の提供もしています。
紛争が子どもに与える影響
シリア国内と周辺国での支援
2011年3月に始まったシリア危機。人道支援を必要とする1,310万人を超える人のうち、500万人以上が子どもです。この危機の影響を受けた子どもたちやその家族に対し、セーブ・ザ・チルドレンは、緊急支援物資の提供や教育、子どもの保護などさまざまな面で支援を行っています。2018年までにシリア国内、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプト、トルコで380万人(うち子ども240万人)を超える人々に支援を届けました。
南スーダン国内と周辺国での支援
2016年7月の国内での武力衝突以降、ウガンダをはじめとする周辺国に逃れた南スーダン難民は約230万人となり、国内で支援を必要とする人は約570万人に上りました。セーブ・ザ・チルドレンは、南スーダン国内および周辺国で、食料支援や保健・栄養、教育分野での支援のほか、避難の途中で家族と離散した子どもや、虐待や児童労働、児童婚といったリスクにさらされている子どもを守るための保護の活動などを行いました。
イエメンの子どもたちへの支援
長年にわたる貧困や情勢不安が続いていたイエメンでは、2015年の武力衝突の激化により全土が大規模な人道危機に陥りました。2018年に人道支援を必要とする人は人口の約8割に当たる 約2,200万人、うち子どもは約1,130万人に上りました。セーブ・ザ・チルドレンは2018年、深刻な食料危機に対応するための食料配布に加え、栄養不良の子どもたちの治療、保健サービスの提供、教育支援などを通して、373万人へ支援を届けました。
セーブ・ザ・チルドレンの特徴
セーブ・ザ・チルドレンは子どもの権利のパイオニアとして、約120ヶ国で活動しています。
セーブ・ザ・チルドレンは、子ども支援活動を行う、民間・非営利の国際組織です。1919年、イギリス人エグランタイン・ジェブによって設立されました。彼女は第一次世界大戦で荒廃したヨーロッパで、敵味方を超えて、栄養不良に苦しむ敵国の子どもたちの援助に取り組みました。その活動の中で、子どもの権利に関する世界初の公式文書とされる「ジュネーブ子どもの権利宣言」を起草。その理念は、現在196の国と地域が締結している国連の「子どもの権利条約」へとつながり、世界に広がっています。
現在、日本を含む29ヶ国の独立したメンバーが連携し、約120ヶ国で子ども支援活動を展開。子どもの権利のパイオニアとして、国連や各国政府からもその専門性を認められ、世界中で、子どもを取り巻く環境に変革をもたらしています。
活動理念
ビジョン
セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現されている世界を目指します。
ミッション
セーブ・ザ・チルドレンは、世界中で、子どもたちとの向き合い方に画期的な変化を起こし、子どもたちの生活に迅速かつ永続的な変化をもたらします。
私たちが大切にすること
説明責任
Accountability
説明責任
Accountability
人材・資金・情報など、あらゆるリソースを効率的に活用し、確実な成果を上げ、支援者や活動をともにするパートナー、そして誰よりも子どもたちに対して自らの行動を説明することに、一人ひとりが責任をもちます。
協力
Collaboration
協力
Collaboration
互いを尊重し認め合い、多様性を活かし、子どもたちの生活に変化を起こすため、世界的なネットワークを駆使してパートナーたちと協力し行動します。
活動資金
セーブ・ザ・チルドレンの活動は皆さまからのサポートで成り立っています
セーブ・ザ・チルドレンは活動資金のうち、94%を事業費に充てています。支援の内容としては、保健・栄養分野の支援、教育支援など多岐にわたります。
経常費用の割合※1
地域別支出割合※2
分野別支出割合(日本)
分野別支出割合(海外)
※1 2018年度経常費用 1,751,289,418円
※2 海外援助費・緊急援助事業費・国内事業費・事業助成金等 計1,116,166,835円
活動内容
緊急・人道支援
自然災害や紛争などの影響を受けた子どもや地域社会に対して、迅速かつニーズに合った支援を行い、人々が日常を取り戻したり、生活を再建したりできるようサポートします。
保健・栄養
妊産婦と新生児のケア、感染症や栄養不良の予防と治療、保健システムの強化などを通し、すべての子どもやその家族が、良質な保健サービスを受けられるよう支援します。
教育
すべての子どもが質の高い教育を受けられるよう、学習環境の改善、教員の能力養成、地域社会の意識向上、就学前教育の普及などの活動を通して支援します。
子どもの保護
子どもを暴力、虐待、搾取から守るための取り組みや、安心・安全に成長できる環境づくりを、行政や地域社会、保護者、子どもたちなどさまざまなステークホルダーとともに推進します。
防災(災害リスク軽減)
防災に子どもたちの声が反映され、災害時に子どもたちが主体的に行動できるよう、地域社会の防災体制を強化。子どもを中心とする防災を推進します。
子どもの貧困
すべての子どもが生活や成長に必要なものやサービス、機会を得られ、可能性を発揮できるよう、直接支援や社会啓発、政策提言を通し、子どもの貧困問題の解決に取り組んでいます。
支援を受けた子どもの声
暴力が激化したミャンマーから逃れ、 バングラデシュで避難生活を送る ロヒンギャ難民のジャナットさん(12歳)
暴力が激化したミャンマーから逃れ、 バングラデシュで避難生活を送る ロヒンギャ難民のジャナットさん(12歳)
(セーブ・ザ・チルドレンが運営する)学 習センターが大好きです。ミャンマーで はいろいろなことがありましたが、ここ で勉強したり遊んだりしていると落ち着 いた気持ちになって、これまでに起こっ たことを忘れることができます。
学校が空爆で破壊され、セーブ・ザ・チルドレンが支援する学習支援センターで学んでいるイエメンのアブラーさん(12歳)(写真中央奥)
学校が空爆で破壊され、セーブ・ザ・チルドレンが支援する学習支援センターで学んでいるイエメンのアブラーさん(12歳)(写真中央奥)
大きくなったら先生になりたいです。この学校にいる先生が大好きだから。でも、私が何より願っているのは、この紛争が終わることです。紛争は、私と、私の愛する人たちを引き離しているのです。
空爆に遭い、 セーブ・ザ・チルドレンの支援で 治療を受けているイエメンの サミールさん(8歳)
空爆に遭い、 セーブ・ザ・チルドレンの支援で 治療を受けているイエメンの サミールさん(8歳)
救急車で病院に運ばれて、3日後に目 が覚めました。早く紛争が終わって、落ち 着いてほしいです。将来は医者になっ て、たくさんの人を治療したい。 今はそう思っています。
職員の想い
海外事業部 プログラム・コーディネーター
渡邊 紗世
海外事業部 プログラム・コーディネーター
渡邊 紗世
バングラデシュに避難しているロヒンギャ難民の子どもたちと家族のために、難民キャンプで井戸やトイレを設置しています。人口が密集したキャンプでは、生活に必要な水が不足しているばかりか、衛生環境が悪いために感染症が蔓延する危険もあります。このキャンプには、ミャンマーで凄惨な体験をした多数の子どもたちが生活しています。これらの子どもたちが健康に生きるためには、長期的な支援が必要です。そのためには皆さまの協力が不可欠です。あなたのご寄付を、困難な状況を生きる子どもたちのためにしっかりと役立ててまいります。
海外事業部 プログラム・コーディネーター
松村 拓憲
海外事業部 プログラム・コーディネーター
松村 拓憲
シリアにおける紛争で家を追われ、隣国レバノンで避難生活を送る子どもたちの支援を行っています。ここでは家計を支えるために、工場での危険な労働や、早すぎる結婚を強いられる子どもたちも少なくありません。私たちは、皆さまのご寄付をもとに、子ども一人ひとりのニーズに沿った支援を届けています。今後は、難民となった人たちが自分たちの力で生きていけるよう、保護者が収入を得られるための支援にも取り組んでいく予定です。生まれた場所に左右されず、子どもたち誰もが可能性を開いてほしい。そう願って活動を続けています。
支援者の声
世界の子どもたちの現状を見過ごすことができず
世界の子どもたちの現状を見過ごすことができず
社会貢献活動にはこれまで参加したことはありませんでした。 きっかけは初めての海外一人旅です。
自分がいかに恵まれていて、ちっぽけな価値観で生きてきたか、と痛感しました。 どこかの団体に寄付をして社会の役に立ちたいと思っていたときにセーブ・ザ・チルドレンのことを知り、世界の子どもたちの現状を見過ごすことができませんでした。
毎月の寄付ぐらいの金額は、いくらでも無駄なことに使えてしまいます。
支援を受けた子どもたちの笑顔を写真で見ると嬉しい気持ちになり、少しでも人の役に立っているなら良かった、と思っています。
(男性、24歳、埼玉県)
子どもと世界の問題について話すきっかけに
子どもと世界の問題について話すきっかけに
自分の息子と同年代か、より小さい子どもたちが厳しい暮らしを強いられていることを再認識し、これまで何も貢献していなかったことに気づき、セーブ・ザ・チルドレンへの寄付を始めました。
ニュースレターやアニュアルレポートをいただくたびに、子どもと世界の問題について話せるのがありがたいです。
子どもが「僕も大人になったら寄付するよ」と言っていたので、続けていて良かったと思います。
(男性、42歳、東京都)
子どもが健康に5歳を迎えられた感謝を込めて
子どもが健康に5歳を迎えられた感謝を込めて
末っ子が5歳になった時、何かの拍子にキャッチコピーで、世界では5歳の誕生日を迎えるのが難しい国がある、ということが目に留まりました。
末っ子が健康に恵まれ5歳を迎えられた感謝をこめて寄付をしようと思ったのがきっかけです。
社会貢献とか、寄付とかいう考えではなく、単純に息子が元気に育ってくれたので、他の子も元気に育つように、と願ってセーブ・ザ・チルドレンへの寄付を始めました。
これからも人の幸せも願える人で有りたいと思っています。 何より、子どもに背中を見せられる親でありたいです。
(女性、44歳、奈良県)
退職後の自分のあり方のまず一歩と思って
退職後の自分のあり方のまず一歩と思って
セーブ・ザ・チルドレンへの寄付を始めた頃、退職後で社会的なつながりを失い、自分のあり方について答えを探していた時だったと思います。
ネットで活動内容などを調べ、今後の自分のあり方のまず一歩と思いセーブ・ザ・チルドレンへの定期支援を決めました。
紛争地の子どもたちの惨状に対し、何かできることをしたいと思ったからです。
(女性、64歳、神奈川県)
寄付金控除を受けられます
セーブ・ザ・チルドレンへの寄付は税控除の対象です。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは内閣府より公益社団法人としての認定を受けています。そのため、セーブ・ザ・チルドレンへの寄付は、税制優遇措置の対象となっています。所得税、法人税、相続税、一部の自治体の住民税において、それぞれに定められている条件を満たすことで優遇措置を受けられます。
よくある質問
世界の子どもたちへのセーブ・ザ・チルドレンの活動をご支援いただく毎月定額での継続ご寄付の仕組みです。すでに世界で約200万人の支援者がいらっしゃいます。毎月寄付をいただいている支援者様には定期的に年次報告書やニュースレター、メールマガジンをお送りしています。
皆さまからいただきましたご寄付は、今もっとも支援を必要としている子どもたちへの支援活動に活用されます。例えば、子どもたちが学校に入学し、質の高い教育を受けられるよう学校環境の整備改善、教員研修などの教育支援や、妊産婦・母親への栄養指導などの支援を行い乳幼児の栄養不良や死亡を防ぎます。その他にも、自然災害や人道危機の被害にあった子どもや地域社会への迅速な支援、暴力・虐待・搾取などから子どもたちを守る、子どもの保護事業、地域社会の課題に対して、子どもが意見を表明する機会づくりの促進、将来起こり得る災害の危機に備えて被害や損失を減少させる防災(災害リスク軽減)活動を行っています。また、子どもにかかわる問題に対し、政策目標を実現するため政策決定者や個人、組織に対して働きかけを行うなど様々な活動を展開しています。
個人支援者様からの継続的なご支援は、日本や世界各国での子どもたちのための紛争・災害などの緊急人道支援、保健・栄養、教育、子どもの保護事業等の大切に活用させていただいております。
2018年には世界約120ヶ国で、約4000万人以上の子どもたちに支援を届けました。しかしながら、依然として、世界では4億2000万人の子どもたちが紛争下に暮らしています。こういった子どもたちを守り抜いていくために、個人支援者様に継続的にご協力いただくことが非常に重要になってきます。
現時点では、緊急実態発生時に迅速に被災者への支援を行うことを目的とした「いのち・みらい貯金箱」という寄付制度はございますが、それ以外で、用途や地域を指定したご寄付を承っておりません。
セーブ・ザ・チルドレンは約120ヶ国で活動しておりますが、今もっとも支援を必要としている子どもたちへの迅速で、持続的な支援活動に活用させていただくため、支援対象国や支援分野を限定しない、毎月寄付(SCサポート)へのご支援をお願いしています。
継続ご支援の場合には、クレジットカードまたはゆうちょ銀行など銀行口座からの口座振替がご利用いただけます。クレジットカードの場合は毎月10日、口座振替の場合には毎月27日(金融機関休業日の場合はその翌営業日)に手続が行われます。通帳(明細)には、「NSSCJ」と記載されます。
クレジットカードの場合、お申込みいただきました金額は、各カード会社との規約に基づきご指定口座からの振替となります。振替日につきましては、各クレジットカード会社より送付されるご利用明細でご確認ください。
ご希望される1カ月前までに、セーブ・ザ・チルドレンの事務局までお電話もしくはEメールでご連絡いただくことで支援金額(種類)の変更、支援の中止が可能です。