セーブ・ザ・チルドレンは、6月1日の国際子どもの日にあわせ、最新の世界子どもレポート「奪われた子ども時代(Stolen Childhoods)」を発行し、世界では子どもの人口の4分の1にあたる7億人もの―しかしおそらくは、それ以上もの―子どもたちが、紛争や激しい暴力、早すぎる結婚・妊娠、児童労働、栄養不良、教育を受けられないといった要因で、子ども時代が奪われていることを報告しました。
レポートの内容をもとに、セーブ・ザ・チルドレンは今日から世界各国で、日本を含む各国政府に対し、子どもたちへの公的支出を増やし、すべての子どもたちを平等に扱い、子ども時代を守るための法整備を行うことを求める署名を開始します。集まった署名は、各国代表が集まる9月の国連総会で提出します。
また、レポートの発行にあわせ、子どもたちに人気の開封動画(アンボクシング動画)をモチーフに、「かつてない衝撃の開封動画(Biggest Unboxing Surprise EVER!!)」シリーズ3作を公開しました。3人の子どもたちが、それぞれおもちゃの箱をワクワクしながら開けてみると、そこには…。驚き、混乱した表情を見せる子どもたちですが、箱の中にある説明書を読み、そこでさらに衝撃の事実を知ることになります。署名への参加や動画の視聴は、ページ下へスクロールしてください。
世界では7億人の子どもが、子ども時代を奪われています―
子どもたちから「子ども時代を奪う要因」を、”死亡”、”栄養不良”、”教育を受けられないこと”、”児童労働”、”早すぎる結婚”、”早すぎる出産”、”激しい暴力の被害”の7つと設定し、さまざまな統計データをもとに、現状を明らかにしました。
■世界では、毎日1万6,000人の子どもが、予防可能な原因で、5歳の誕生日を迎える前に命を落としています。
■世界では、5歳未満の子どものおよそ4人に1人、1億5,600万人が、栄養不良の結果、身体および精神の発達が阻害された、発育阻害にあります。
■世界では、学齢期の子どもの6人に1人、2億6,300万人が、学校に通えていません。これは、先進国の子どもの人口2億4,500万人よりも多い人数です。
■世界では、5歳から17歳の子どもの1億6,800万人が、児童労働に従事しています。これは、日本の5歳から17歳の子どもの人口*1の、およそ11.5倍にもなります。
■世界では、7秒に1人、15歳未満の少女が結婚しています。
■世界では、2秒に1人、少女*2が出産しています。
■世界では、紛争により、子どもの80人に1人、2,800万人が、住む家を追われ避難を強いられています。その中には、戦闘に参加させられている子どももいます。
■世界では、毎日200人の少年・少女が、殺人の被害に遭っています。
*1 総務省統計局 人口推計平成27年年齢各歳別人口より。
*2 19歳未満の少女の出産件数(1,700万)から算出。15歳未満の少女の出産は年100万件。
日本の子どもの子ども時代
レポート「奪われた子ども時代」では、世界の子どもたちの置かれている状況について明らかにしています。世界の子どもたちの状況と比較すると、日本の子どもたちの子ども時代は守られているように感じるかもしれませんが、日本の子どもたちの置かれた状況に課題がないわけではありません。日本の子どもの相対的貧困率*3は16.3%で、子どもの6人に1人が相対的に貧困の状態にあります。また、2015年度中の全国208ヶ所の児童相談所における児童虐待相談対応件数は10万3,260件で、過去最多となっています。これは、日本も批准している国連子どもの権利条約で保障されている、生活水準への権利(第27条)や、虐待・放任からの保護(第19条)が守られていない状況と言えます。 *3厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査」より。
署名にご協力をお願いします
「子どもたちに子ども時代を」―世界で署名活動を開始
セーブ・ザ・チルドレンは、今の、そして未来の子どもたちのために、各国政府に子どもたちへの公的支出を増やすことを求めます。
2030年までに貧困、不平等・格差、気候変動のない持続可能な世界を実現しようと、2015年9月の国連総会で、全会一致で採択されたのが「持続可能な開発目標(SDGs : Sustainable Development Goals)」です。SDGsで掲げられた17の目標が達成されれば、2030年までに、どこに住んでいようとも、全ての子どもが学校に通い、安全に暮らし、健康に生きられる社会になっているはずです。これは、途方もない目標に思えるかもしれませんが、各国政府が、子どもたちが子ども時代を過ごす権利を完全に保障するための投資を行えば、決して不可能ではありません。
意図的に、もしくはただ社会から顧みられずに見捨てられた子どもたちへの、不十分で、不効率で、不衡平な公的投資の結果として、7億人の子どもたちの子ども時代が奪われているのです。
私たちは、今日から世界各国で、日本を含む各国政府に対し、子どもたちへの公的支出を増やし、すべての子どもたちを平等に扱い、子ども時代を守るための法整備を行うことを求める署名を開始します。集まった署名は、各国代表が集まる9月の国連総会で提出します。
■日本からの署名はこちらから(日本語)
■その他各国からの署名はこちらから(英語)
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