~災害などの緊急時、あなたはどのように子どもに声をかけますか?~
 緊急下の子どものこころのケア「子どものための心理的応急処置」

地震や事故などの危機的な出来事に直面した子どもたちは、普段とは異なる反応や行動を示すことがあります。

「子どものための心理的応急処置(Psychological First Aid for Children)※」(以下、「子どものためのPFA」)とは、特別な心理的知識がなくても、災害などの危機的状況で子どものこころに配慮した支援ができるよう、支援者が取るべき行動や姿勢を示したものです。

地震や事故などの危機的な出来事に直面した子どもたちは、普段とは異なる反応や行動を示すことがあります。

「子どものための心理的応急処置(Psychological First Aid for Children)※」(以下、「子どものためのPFA」)とは、特別な心理的知識がなくても、災害などの危機的状況で子どものこころに配慮した支援ができるよう、支援者が取るべき行動や姿勢を示したものです。

自然災害など危機的な出来事に直面した子どもたちが、不安になったり、泣きやすくなったり、睡眠や食事に変化が起こるなどは、異常な事態における正常な反応です。しかし、大人とは異なり、子どもはまだ発達の途中にあり、反応や行動が年齢によって異なるため、子ども特有の支援が必要です。災害時の子ども支援では、子どもたちが示す一般的な反応や行動を理解し、落ち着きを取り戻せるように子どもに合わせたコミュニケーションを行い、必要な支援へとつなげることが大切です。

「子どものためのPFA」研修プログラムでは、危機的状況を経験した子どもが示す反応や行動を認知発達段階別に学び、それらが異常な事態における正常な反応であることを理解します。また、PFAの行動原則「見る、聴く、つなぐ」に基づき、子どもに合わせたコミュニケーション方法や、必要な支援に適切につなぐ重要性を学びます。

 

*子どものためのPFAは、世界保健機関(WHO)などが支援者が共通して身につけておくべき心構えと対応をまとめたPFAを、子どもとその保護者・養育者に対して実施するうえで、子どもの発達段階の特性や、年齢にあった必要など、子どもに特化して、セーブ・ザ・チルドレンが作成したものです。

パンフレット(A4二つ折り)はこちら

 

自然災害などの影響を受けた子どものこころを支える5つのポイント
幼児期・学童期 / 学童期・思春期

 

特設ページ 子どもにやさしい防災

<研修情報>
■セーブ・ザ・チルドレン主催:

研修の実施が決定次第、情報を掲載いたします。

これまでの研修実施実績はこちら

<研修情報>
■セーブ・ザ・チルドレン主催:

研修の実施が決定次第、情報を掲載いたします。

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<研修のご開催や講師派遣について>

「子どものためのPFA」研修のご開催や講師派遣についてのお申込み・お問い合わせはこちらへ

はじめに・・・

 


子どものためのPFAは、被災した子どもたちに対し

●おしつけがましくない、実際に役立つケアや支援を提供します
●ニーズや心配事の確認を行います
●水や食料、住居など、基本的ニーズの援助を可能にします
●安心させ、落ち着けるよう手助けをします
●被災した子どもたちに、情報や公共サービス、社会的支援をつなぎます
●さらなる危害から保護します

はじめに・・・

 


子どものためのPFAは、被災した子どもたちに対し

●おしつけがましくない、実際に役立つケアや支援を提供します
●ニーズや心配事の確認を行います
●水や食料、住居など、基本的ニーズの援助を可能にします
●安心させ、落ち着けるよう手助けをします
●被災した子どもたちに、情報や公共サービス、社会的支援をつなぎます
●さらなる危害から保護します

PFAとは
●専門家にしかできないものではありません
●専門家が行うカウンセリングではありません
●「心理的ディブリーフィング」(つらい出来事について詳しく話しをしていくもの)ではありません
●何が起こったのかを分析させたり、起きた事を時系列に並べさせたりするものではありません
●無理に話を聞き出すものではありません
●被災者が語るのを聞くことはあっても、感情や反応を聞き出すものではありません

危機的状況下で子どもが示す反応


災害時のストレス下にある全ての年齢の子どもたちが示す一般的な反応

●再度同じようなことが起きるのではないかという不安を示す
●自分の大切な人や自分自身が傷ついたり、離れ離れになってしまうのではないかと不安になる
●破壊された自分の地域(地元)を見て反応を示す
●家族やきょうだいと離れることに反応を示す
●不眠になる
●泣く

危機的状況下で子どもが示す反応


災害時のストレス下にある全ての年齢の子どもたちが示す一般的な反応

●再度同じようなことが起きるのではないかという不安を示す
●自分の大切な人や自分自身が傷ついたり、離れ離れになってしまうのではないかと不安になる
●破壊された自分の地域(地元)を見て反応を示す
●家族やきょうだいと離れることに反応を示す
●不眠になる
●泣く

 

災害時のような普段と違うことが起こった時に、認知発達段階によって一般的に子どもが示すストレス反応

0-3歳くらい
●普段よりも、親にくっついて離れない
●赤ちゃん返りのような、より幼い行動に戻る
●睡眠や食事行動における変化がある
●いつもより泣いたり、イライラしている
●以前は怖がらなかったことを怖がる
●落ち着きと集中力がない
●遊びにおける変化がある
-遊びに対する関心が減る、もしくは無くなる または、遊んだとしても短時間のみ、もしくは 同じ遊びを繰り返す
-遊びにおいて攻撃的、暴力的になる
●以前よりも攻撃性と要求が強くなる
●他者の反応に対してとても敏感になる

 

4-6歳くらい
親もしくは他のおとなにくっついて離れない
●親指を噛むなど、幼い行動に戻る
●口数が減る
●動きが少なくなる、もしくは逆に多動になる
●遊ばない、もしくは同じ遊びを繰り返す
●悪いことが起きるのではないかと不安になったり、 心配したりする
●悪夢を見るなど、睡眠障害が起きる
●食事生活における変化
●すぐに混乱するようになる
●集中力がなくなる
●おとなの役割を引き受ける
●イライラする、怒りっぽくなる

 

7-12歳くらい
●身体的活動レベルの変化
●感情と行動の混乱
●社会的接触から逃れる
●出来事について同じ言葉・方法で繰り返し話す
●学校へ行きたがらない
●恐怖心を抱き、表す
●記憶、集中力、注意に対して負の影響がある
●睡眠障害および食欲不振
●攻撃性、苛立ち、落ち着きのなさ
●身体的な訴え(精神的なストレスからくる身体症状)
●他の被害者に対する心配
●自分を責める感情や罪悪感

 

13 歳くらい〜 (思春期)
●非常に深く悲しむ
●強い自意識、もしくは自分が負傷した人を助けることができなかったという罪悪感や羞恥心を持つ
●他の被害者に対し、過度に心配する
●自己中心的な考えや自己憐憫の情を持つ可能性がある
●対人関係における変化
●ハイリスクな行動、自滅的な行動、他者を避けることや攻撃的な行動などが増す
●世界観の大きな変化を経験する
●現在や将来に対して大きな望みを持たなくなる
●権威や親に対して反抗的となる
●社会に適合するために、より仲間に頼るようになる

 

*上記は緊急時に子どもが示す一般的なストレス反応になりますが、気になることがあれば、避難所などで見かける専門家(医師、保健師、看護師、臨床心理士、精神保健福祉士など)につなげてください。

*認知発達段階には個人差があります。

 

強い反応を示しやすい子どもとは・・・
●親や養育者と離ればなれになっている
●親しい人や他者が、負傷する現場を見た
●負傷している
●怯えている様子がある
●親や養育者が悲しんだり不安そうにしているのを見て、同様に心配し不安になっている
●周りの人が亡くなっているのに、自分は生きているということに対する罪悪感を抱いている


明らかにストレスを抱えているサインがある子どもは・・・

●震え、頭痛、食欲不振、痛みなど、不快感を伴う身体的な症状がある
●泣くことが多い
●取り乱したり、パニックになる
●攻撃的で他者を傷つけようとする(叩く、蹴る、噛むなど)
●養育者からずっと離れない
●混乱し適応ができない
●動かない、もしくはほとんど動かない、引きこもっている、とても静かになる
●他者がいると隠れたり、恥ずかしがったりする
●他の人に反応しない、まったく話さない
●とても怖がる

*年齢や発達段階、他者(特に親や養育者)の反応、これまでの経験、虐待や家庭内の暴力・ネグレクトなどの過去の経験などの要因も、子どもの反応に関係します。

PFAの行動原則
Look(見る)⇒Listen(聴く)⇒Link(つなぐ)

PFAの行動原則
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① 安全確認を行う
周辺を良く観察し、損傷した道路、崩壊する恐れのある建物、火事や洪水の危険がないか等、潜在的な危険性に注意をすることが必要です。また、常に皆さん自身の安全を確認するようにしてください。

① 安全確認を行う
周辺を良く観察し、損傷した道路、崩壊する恐れのある建物、火事や洪水の危険がないか等、潜在的な危険性に注意をすることが必要です。また、常に皆さん自身の安全を確認するようにしてください。

 

② 明らかに緊急の対応(基本的ニーズ)を必要としている子どもがいないか探す
●重傷を負い、緊急医療救助を必要としている子どもやその家族はいないか?
●雨風をしのぐ場所や破れた衣類の替え等、基本的なニーズをすぐに満たす必要のある子どもやその家族はいないか?
●差別や暴力から保護されるための基本的なサービスや特別なケアを必要としている子どもやその家族はいないか?

【注】皆さんの周りで支援ができる人を探して下さい。自分の役割を理解し、特別な支援やただちに基本的ニーズを満たす必要がある子どもやその家族を助けられる人を見つけましょう。例えば、子どもやその親・養育者が大けがをしている場合は、医療従事者やけがの応急処置を施す訓練を受けているスタッフ等に救助を依頼してください。

①  支援が必要と思われる子どもや親、養育者に寄り添う


② 子どもや親、養育者のニーズや心配事について尋ねる

ストレスを抱えた子どもやその家族と初めて接する際は、まず今のニーズや心配事についてたずねます。ただ、子どもは、ストレスを抱えていても、今何が必要なのかについて説明することが難しい場合もある、ということに注意しましょう。

①  支援が必要と思われる子どもや親、養育者に寄り添う


② 子どもや親、養育者のニーズや心配事について尋ねる

ストレスを抱えた子どもやその家族と初めて接する際は、まず今のニーズや心配事についてたずねます。ただ、子どもは、ストレスを抱えていても、今何が必要なのかについて説明することが難しい場合もある、ということに注意しましょう。


③ 子どもや親、養育者の話に耳を傾け、気持ちを落ち着かせる手助けをする

子どもや親、養育者が出来事について話したがっている場合には、耳を傾けますが、話すことを無理強いしないでください。自分が子どもの話を聞いていて、少し苦しい、しんどいなどと感じたら、他にその子どもの話を聞けそうな方へつないでください。

① 子どもや家族の基本的ニーズが満たされ、適切なサービスが受けられるよう手伝う
●基本的ニーズとは、食料、水、避難場所、衛生な環境などのことです。
●特別なニーズには医療、衣服、幼い子どもに食事を与えるためのコップや哺乳瓶などがあります。こうしたニーズを満たすことができる場所や人に、子どもやその家族をつなぐようにしてください。

① 子どもや家族の基本的ニーズが満たされ、適切なサービスが受けられるよう手伝う
●基本的ニーズとは、食料、水、避難場所、衛生な環境などのことです。
●特別なニーズには医療、衣服、幼い子どもに食事を与えるためのコップや哺乳瓶などがあります。こうしたニーズを満たすことができる場所や人に、子どもやその家族をつなぐようにしてください。


② 子どもや家族が自分たちの力で問題を対処できるよう手伝う


③ 情報を提供する

●ストレスをもたらす出来事が起きた際、一番つらいことのひとつは、自分自身や大切な人の安全や健康状態について不安を抱えたり、心配したりすることです。子どもやその親・養育者の多くは次のことについて情報を求めます。
1)出来事、2)影響を受けた大切な人びと、3)自分たちの安全、4)自分たちの権利、5)必要な援助や物資を得る方法
●できる限り正確な情報を伝えるため、次のことを行って下さい
1)正確な情報はどこで得られるのか、最新情報はいつ、どこで得られるのか調べる
2)人びとへの支援を始める前に、できるだけ多くの情報を収集する
3)危機の状況、安全性、受けられるサービス、行方不明者や負傷者の居場所や状況について、最新の情報を得るようにする
4)緊急避難、公共サービスの再開などのこれからの計画が、人びとに確実に伝わっているようにする
5)医療や家族の捜索、避難場所、食料配給などのサービスがある場合、人びとがそのことを知っていて、利用できるようにする。また、必要に応じて、サービスを受けるための問い合わせ先を被災者に伝える、もしくは直接紹介する。
●子どもやその家族に情報を提供するときは、次のようなことに注意をしてください。
1)提供する情報の出所と、どれほど信頼できるものかを必ず説明する
2)自分が知っていることだけを伝え、思いつきや気休めを言わない。
3)いつも簡潔で正確なメッセージを心がけ、それを繰り返し、誰もがその情報を聞いて理解していることを確認する。
4)同じ内容を全員が聞けるように、子どもやその家族に集まってもらって情報を伝えるのもよい
5)これからも事態の進展について最新情報を伝えていくつもりであれば、そのことを知らせる。いつ、どこで伝えるのかも知らせる


④ 子どもとその家族を社会的支援へとつなぐ

 

⑤子どもやその親・養育者に支援を約束した場合は、必ずフォローアップを行ってください。
自分がボランティアなどで、短期間被災地に入る場合は、継続的に支援できる人や機関につないでください。

さいごに・・・

 

子どもたちの日常生活のルーティンをできるだけ保ってあげてください。
遊びたい子どもたちがいれば、安心して遊べる機会や場所をつくってください。特に、年齢の低い子どもたちは、遊びの中で起きた出来事(例えば、地震ごっこなど)を表現することもありますが、それは止めずにそのまま遊ばせてあげてください。遊びの中で経験や感情を表すことは、子どもの自然なストレス対処方法の一つでもあります。

さいごに・・・

 

子どもたちの日常生活のルーティンをできるだけ保ってあげてください。
遊びたい子どもたちがいれば、安心して遊べる機会や場所をつくってください。特に、年齢の低い子どもたちは、遊びの中で起きた出来事(例えば、地震ごっこなど)を表現することもありますが、それは止めずにそのまま遊ばせてあげてください。遊びの中で経験や感情を表すことは、子どもの自然なストレス対処方法の一つでもあります。

 

子どもの中には、自分だけでは上手く対処できず、さらなる支援を必要とする子どももいるでしょう。さらに専門的な支援が必要となる子どもは、例えば次のような子どもたちです。
●依然として強いストレスを抱えている
●人格や行動に大きな変化が起き、それが継続している
●日常生活に支障をきたしている
●自分自身や他者を傷つけるリスクがある
こういった子どもたちは、専門家へつなぎましょう

 

避難所などで見かける専門家は、医師、保健師、看護師、臨床心理士、精神保健福祉士などが多いと思います。とにかく、少し気になるなと思った子どもは自分だけで対応せず、専門家へつなぐことが大切です。

あくまでもできる範囲で支援をしましょう。

 

下のサイトでも情報が取得できます。
災害時こころの情報支援センター
http://saigai-kokoro.ncnp.go.jp/

子どものための心理的応急処置(子どものためのPFA)紹介動画(セーブ・ザ・チルドレン×SOMPO)

(4分52秒)

 

簡易版パンフレットはこちら 

子どものための心理的応急処置(子どものためのPFA)紹介動画(セーブ・ザ・チルドレン×SOMPO)

(4分52秒)

 

簡易版パンフレットはこちら 

<参考資料>
■心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA) フィールド・ガイド(独)国立精神・神経医療研究センター、ケア・宮城、公益財団法人プラン・ジャパン
■子どもに優しい空間ガイドブック(Child-Friendly Spaces)(17.5MB)(公財)日本ユニセフ協会、(独)国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所、災害時こころの情報支援センター
■子どもにとって安心・安全な組織・事業づくり ~子どものセーフガーディング~  
■災害・紛争等緊急時における精神保健・心理社会的支援に関するIASCガイドライン(2.26MB)(独)国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所
■スフィア・プロジェクト 人道支援憲章と人道対応に関する最低基準(5.14MB)支援の質とアカウンタビリティ向上ネットワーク
■災害時の発達障害児・者への支援について国立障害者リハビリテーションセンター

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■心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA) フィールド・ガイド(独)国立精神・神経医療研究センター、ケア・宮城、公益財団法人プラン・ジャパン
■子どもに優しい空間ガイドブック(Child-Friendly Spaces)(17.5MB)(公財)日本ユニセフ協会、(独)国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所、災害時こころの情報支援センター
■子どもにとって安心・安全な組織・事業づくり ~子どものセーフガーディング~  
■災害・紛争等緊急時における精神保健・心理社会的支援に関するIASCガイドライン(2.26MB)(独)国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所
■スフィア・プロジェクト 人道支援憲章と人道対応に関する最低基準(5.14MB)支援の質とアカウンタビリティ向上ネットワーク
■災害時の発達障害児・者への支援について国立障害者リハビリテーションセンター

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2016年4月27日 朝日新聞「熊本の子どもたちに、息の長い「心のケア」を」 
2016年4月29日 すぱいす*spice「子どものこころのケア」
2016年6月 9日 Yahoo Japan「もし大災害に襲われたら。傷つく子どもたちと向き合うために知っておきたいこと」
2016年7月15日 WAMNET「災害時「心の応急手当て」を セーブ・ザ・チルドレンが普及活動」
2016年9月 2日 THE HUFFINGTON POST 「被災した子どもの心のケアのために、知っておきたいこと」
2017年4月16日 毎日新聞「熊本地震1年子どもケア、受講急増「見る、聴く、つなぐ」心理的処置」
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