「死んでしまった友達もいるし、けがをした友達もいます。いつも一緒に遊んでいた友達。もう一緒に遊べない。お墓に行って、いつもそこで泣いています」
ハーリドさん
イエメンの紛争は、世界最悪の人道危機です。
イエメンで起こっている紛争は、すでに3年を経過し、世界最悪の人道危機となっています。その危機において、最も影響を受けているのは子どもたちです。子どもたちは、爆撃や病気、飢えという三つの恐怖に苦しんでいます。家や学校にいて、爆撃を受けていないときでさえ、子どもたちは、飢えや病気による死のリスクに晒されています。
飢えや病気は完全に防ぐことができるはずなのに。
イエメンの主要な港町であるホデイダには、食料や燃料、その他の生活に必要な物資が輸入されてきます。しかし、このホデイダで、戦闘が激しさを増しているために100万人を超える人々が飢えに直面する恐れがあります。イエメンは、ここ100年で最悪の飢饉が発生するかもしれない瀬戸際にあります。
戦闘機から爆撃を受けた時、ハーリドさんはスクールバスに乗っていました。彼は爆弾の破片によりひどい傷を負い、現在もその記憶に苦しんでいます。この爆撃により、40人の子どもたちが死亡しました。犠牲になった40人の子どもたちの大半が10歳未満の子どもたちでした。
爆撃後、ハーリドさんは病院に運ばれましたが、意識不明の状態が25日間続きました。その後、この恐ろしい経験から回復するため、集中的に心理社会的支援を受けました。
「死んでしまった友達もいるし、けがをした友達もいます。いつも一緒に遊んでいた友達とは、もう一緒に遊べない。お墓に行って、いつもそこで泣いています」
彼の望みは、紛争が終わることです。そして彼の夢は、医師になって、子どもたちの治療をすることです。
私たちは、イエメンの子どもたちを支援するために日々、尽力しています。そして、同時に、政府や政治家たちに対して働きかけも行うなど、イエメンの子どもたちの命を救い、子どもたちの未来を守るために、私たちはあらゆることを行っています。
私たちは、トラウマとなるような経験をしてきた子どもたちが、そうした経験から立ち直れるよう、心理社会的支援を行っています。そして子どもたちが学んだり、遊んだりできる場所であり、そして、これから長い時間がかかるであろう回復への道のりの第一歩を踏み出す場所として、「こどもひろば」の活動を行っています。
さらに、子どもたちが教育を受けられるよう、仮設の学習スペースも立ち上げました。子どもたちが学び続けるために必要な教科書やペン、教材といった学習用品も配布しています。
そして、病気や傷を負った子どもたちを治療し、コレラやジフテリアといった命に関わる感染症の流行を食い止めるために活動を行っています。