「ミャンマーから逃げてくるとき、本当に大変でした。私たちを追いかけてくる人たちがいて、目の前で男の人が撃たれました。バングラデシュにたどり着くまで10日間かかり、3日間は何も食べませんでした。逃げる途中で何人かの人は暑さで死にました。本当にとても怖かった」
サジダさん
70万人のロヒンギャ難民の半数以上は子どもです
2017年8月以降、70万人を超えるロヒンギャの人々が、銃撃やレイプ、虐待といった想像を絶する恐怖から逃れるために、ミャンマーから避難しています。
国境を越え、バングラデシュに避難してきた大半の人々は、着の身着のまま避難してきました。そして、ショックを受け、深い悲しみを抱え、疲労困憊の状態にありました。そして今、大勢の人がぎゅうぎゅう詰めの状態で暮らし、衛生状態も良くない難民キャンプでの苦しい生活と日々格闘しています。こうした状況のキャンプで暮らしている人たちの半数以上は、子どもたちです。
多くの家族が食料支援に頼って生きています。安全な水が手に入り、保健医療サービスを受けられるようになることが必要です。また、4人に3人の子どもたちが学校に通えていません。感染症といった病気が流行する危険性が非常に高くなっています。
サジダさんは家族と一緒に、ミャンマーでの迫害と暴力から逃れてきました。彼女はおなかがすいて、恐怖でいっぱいでした。そんな中、男性が銃で撃たれるのを見たのです。バングラデシュに向かうボートに乗るために、家族は国境で何日も待ちました。
「ミャンマーから逃げるとき、本当に大変でした。私たちを追いかけてくる人たちがいて、 私たちの目の前で男の人を撃ちました。 バングラデシュに着くまで10日かかり、3日間は何も食べられませんでした。逃げる途中で何人かの人は暑さで死んでしまった。本当にとても怖かった」
サジダさんは今、バングラデシュで避難生活を送っています。彼女には未来への希望があります。現在、読み書きを学んでいて、一緒に遊んだり話したりする新しい友達ができました。
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちの安全を確保し、適切なケアをし、そして学びの場を提供するために、ロヒンギャの人が大勢避難しているバングラデシュで活動しています。保健医療施設を立ち上げ、病気やけがをした子どもたちの治療を行い、安全な出産が行えるよう支援しています。さらに、トイレや体を洗う場所を設置し、子どもたちが清潔かつ健康でいられるために必要なせっけんなどの衛生用品をつめた衛生キットを配布しています。
私たちは、心的外傷(トラウマ)となりうるような経験をした子どもたちが、そうした経験から立ち直れるよう、情緒的な支援や心理社会的支援を提供しています。
また、仮設の学習スペースを設け、子どもたちが継続して学ぶことができるよう、教材を配布しています。また、子どもたちが学び、遊べる場所―子どもが再び子どもとしての時間を過ごせる場所として、「こどもひろば」や少女のためのスペースを立ち上げました。