東日本大震災から10年 いま伝えたい想い
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの“Speaking Out From Tohoku~子どもの参加でより良いまちに!~”に参加。東北子どもまちづくりサミットや2016年11月のイベント「東日本大震災・熊本地震を経験した子どもたちによる報告会~東京タワーから子どもの声を発信!~」などの活動にも参加。現在は高等専門学校の2年生。現在も「石巻市子どもセンター らいつ」の運営サポートに携わる。
姉(ネッティー)が「子どもまちづくりクラブ」(*1)のメンバーとして活動していたので、家でもよく「石巻市子どもセンター らいつ」(*2)などの話が話題にあがっていました。当時は小学生でしたが姉の話を聞くうちに活動に興味を持ち、高学年になった2015年から姉と一緒に活動に参加するようになりました。初めは、メンバーのなかで一番下の学年でしたが、学年が上のメンバーがやさしくて、いろいろ教えてくれました。「らいつ」で実施していた「子どもまちづくりクラブ」のつながりで、セーブ・ザ・チルドレンが主催した東北子どもまちづくりサミット(*3)などのイベントにもよく参加しました。今でも、月に1回くらい活動に参加しています。
2016年11月に参加した東京タワーのイベント(*4)は印象に残っています。東北子どもまちづくりサミットとは違い、話を聞いてもらう相手が震災当時被災地にいなかった東京の人たちが中心だったので、質問を受けたときに、震災を見る視点や持っている情報が違うと感じました。
また、熊本地震で被災した子どもたちも一緒に発表しましたが、話を聞いて自分たちが被災したときの状況とは少し違うと感じるところがありました。たとえば災害時の連絡手段などは、東日本大震災の時より早くに復旧していたように思いました。
現在も「らいつ」の活動に関わっていますが、震災を伝える人たちが少なくなり防災への意識が薄れてきていると感じることから、石巻の“今”を伝える映像を制作しSNSなどで配信することを皆で考えています。
人前で話すことが苦手だったのですが、「らいつ」のまちづくりクラブや、セーブ・ザ・チルドレンの活動に参加するようになってから自分の意見を人前で伝えることができるようになったと思います。自分の意見を伝えるだけでなく、人の意見も聞くことが大切で、人の意見をしっかりと聞くことで多様な視点から物事を考えられるようになったと思います。
今でも「らいつ」の活動に参加する子どもたちのなかで、意見を言いづらそうにしている子や発表に慣れていない子がいたら、アドバイスをして少しでも皆の前で自分の意見を伝えられるようサポートしています。
東日本大震災が発生した当時、小学校1年生でした。周りで起きていることが理解できなくてとにかく怖かったことを覚えています。小さい子どもでも理解できる言葉で、今何が起きているのか説明してくれて、寄り添ってくれる人たちの存在がとてもありがたかった。年齢によって必要な支援は違ってくると思いますが、当時の自分にとっては物資の支援より安心感を与えてくれる精神的なサポートのほうがうれしかったです。
それから、震災後にがれきなどを大きな重機や手作業で撤去しているところを見て、もっと効率よく作業できる方法はないかと友人と話していました。現在高専でそのときの友人と実生活でも使えるロボットをつくりたいと思い勉強をしています。たとえばパワードスーツ(人体に装着される人工筋肉などの動力を用いた衣服型の装置)は医療・介護や物流・荷役など重量物を扱う作業で使われますが、一日中装着し続けることは難しいです。多様な視点から皆で議論を重ね、誰でも装着したまま日常生活に支障が出ない仕様の装置をつくって、今後被災地の復興などでも使用できたらいいと思っています。