ポジティブ・ディシプリン: 行政との連携を実施中 Vol.4 (2011.01.14)
■2011年も、「ポジティブ・ディシプリン」をよろしくお願いいたします■
書籍「ポジティブ・ディシプリンのすすめ」が日本で出版されてから1年半。2010年、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンはセミナーや行政との連携を通して、「ポジティブ・ディシプリン」の普及につとめてきました。
今回は2011年年始のご挨拶として、年度末へ向け大詰めを迎える豊島区家庭教育推進員制度での活用について、進捗をご紹介いたします。
■「正しい」子育てってあるの? ■
昨秋、家庭教育推進員の方々約50名が、ご自身のお子さんの通う区内8つの小学校で、ほかの保護者へポジティブ・ディシプリンを伝える活動を実施しました。これは、自分が一番「共感できる」部分を大切にポジティブ・ディシプリンを伝えることを念頭に、半年に亘り準備をすすめたものです。
ほかの保護者に伝えるにあたり、「親子の気質の相性について、考える時間にしたい」「長期的目標を考える時間をゆっくりもちたい」「普段なかなかできないから、'子育て'をテーマに思う存分話をしてみたい」等、各グループの想い(ねらい)もそれぞれでした。
ただ、いま振り返ると、準備を進めるなかで繰り返し浮上する問いがあったように思います。それは、「正しい」子育てがあるのか?というもの。人へ伝えるからには、「正しい」ことが求められるのでは?...という想いからでる本質的、且つ率直な疑問です。
■ポジティブ・ディシプリンはひとつの考え方■
ポジティブ・ディシプリンでは「子育てに正しい1つの答えがあるわけはない」と考えます。親子の気質はもちろんのこと、天気や体調など、日々成長する子どもへの向き合い方は、さまざまなことに影響を受けます。ただそんな毎日でも一貫して、子どもと「信頼」に基づいた親子関係を築くことに集中するために考案されたのがこのポジティブ・ディシプリンの考え方です。
秋、その疑問を乗り越え、本番当日の推進員の方々の言葉は、とても力強いものでした。
「母としてだけではなく、人としての意見も子どもに伝えたいと思います」
「お母さんはぼくのことどう思ってるのかな?と、実は思っているんじゃないか、と気づけました」
"ひとつの「正しい」子育ての回答をみつけたい"という意識から少しずつ、ポジティブ・ディシプリンという「考え方」を踏まえ、"子どもたちにどうやって、何を伝えるか"、その活用方法へ推進員の方々の意識が移っていったのがよくわかった瞬間でした。
■活動はいよいよ終盤へ■
正解をもたない「ポジティブ・ディシプリン」を伝えるのには、そこに大きな苦労があったかもしれません。一方、そういったポジティブ・ディシプリンだからこそ、互いの子育てからの学びへの尊重も生まれたと思います。
2月には推進員の方々が活動を振り返る発表会が予定されており、現在は、目下その準備中。どんな振り返りの発表があるか、楽しみにしているところです。
セ−ブ・ザ・チルドレンは、2011年も、子どもたちとの向き合い方に変化をもたらし、子どもの権利を実現できるよう、このような活動に尽力していきます。
※ 豊島区との連携事業の詳細については、第3回報告・第2回報告・第1回報告をご覧ください