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「苦情でなく、感謝の手紙を」〜子どもとの向き合い方を変えた先生のお話(2010.11.15)

みなさん、こんにちは。

私の名前はウルジです。今回から、私たちモンゴル人スタッフがモンゴルでの子ども支援の様子を順番にお伝えしていきます。トップバッターを務められて光栄です。                    

 《ウランバートルのオフィスで》

デスクにすわるウルジ私はSCで働き始めて2年になります。担当分野は教育。その中でも、公立学校での教師の体罰とか、子どもからの不法な金銭の徴収の問題の解決にたずさわっています。日本の学校でも、これらの問題はあるでしょうか?モンゴルでは、こういった教師の不正な行為がまだまだ絶えません。

そこで私たちは、問題解決のために、学校教師に対して「ポジティブ・ディシプリン」を広めています。体罰ではなくて、子どもとちゃんと向き合って、子どもの立場にたって、子どもが自分の良いところをひきのばすことのできるよう指導をしてもらいたい!私たちの目的はそこにあります。

ここ3ヶ月では、5校から合計30人の教師がこの「ポジティブ・ディシプリン」の集中研修に参加してくれました。研修後には、私たちの方から学校に赴き、研修で学んだことが実践されているか見学に行ったところ、みんなの変化に驚かされました!

例えば、ある先生がこんなことを話してくれました:

《ポジティブ・ディシプリンの教材を受け取る先生たち(2010.9)》

PD研修をうける先生たち「以前は、生徒が宿題をやってこなかったりすると、
その生徒の父兄に、あなたのお子さんは宿題をやってこないとか、授業をさぼったとか、そういった子どもの悪いところを書いた手紙を送っていました・・・。

でも研修中、これまでの自分の指導法を見直して...新しいアイデアを思いついたんです。それは、苦情の手紙ではなくて、感謝の手紙を送るというアイデア。

「お子さんがテストで良い点を取りましたよ」とか、「今日は授業を受けていました」とか、そういったポジティブな言葉を父兄に送るようにしたんです。

そうしたら、それがとても良かったようで、ここ数年まったく保護者会に参加していなかった親が、私に会いに来てくれて、感謝の手紙がとても嬉しかったこと、そしてこれからはもっと積極的に子どもの教育について関わっていきたいということを約束してくれたんです!

ああ、私は親とのコミュニケーションのあり方について良い方法を見つけられたんだ!
と本当にその時はうれしかったです」

私は、この話を聞いて、私たちの活動が子どもたちの学校生活に良い変化をもたらしていることが分かり、とても誇りに思いました。すべての子どもには、安全な環境で学ぶ権利があって、それが実現すれば子どもたちの家族にも良いインパクトがあると私は信じています。

モンゴルでの私たちの活動に支援してくださる日本のドナーの方々に、いつも感謝をしています。そしていつも子どものより良い人生を考え、関わっていけたらと思っています。

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2010年11月からモンゴルのブログでは、新シリーズとして、モンゴル事務所で働く各スタッフからのメッセージをお届けしていますモンゴルの子どもたちの様子、活動の報告のみならず、スタッフのSCで働く生きがい、またはお国事情・文化の紹介に至るまで幅広くモンゴルを紹介して、みなさんにモンゴルの空気をお届けできれば幸いです。