モンゴルで活動開始(2007.10.15)
【セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン モンゴルで活動開始】
〜モンゴルに到着しました!駐在員からの報告〜
【世界で一番寒い首都の短い夏】
日本のサポーターの皆様、初めまして。2007年9月からモンゴル駐在員として勤務を開始した上田雅子と申します。9月6日の首都ウランバートル到着から早3週間が過ぎようとしています。
〜モンゴルに到着しました!駐在員からの報告〜
【世界で一番寒い首都の短い夏】
日本のサポーターの皆様、初めまして。2007年9月からモンゴル駐在員として勤務を開始した上田雅子と申します。9月6日の首都ウランバートル到着から早3週間が過ぎようとしています。
首都ウランバートルは、真冬はマイナス40度まで冷え込み、世界で一番寒い首都と言われていますが、到着してから3週間は夏期から冬期の移行期にあたり、意外と暖かい日が多く、街は観光客、また短い夏の気候を楽しもうとするモンゴルの人々で賑わっています。
街の中心に位置し国会議事堂の真向かいにあるスフバートル広場では、短い夏の間、ポップコンサートから歯科衛生キャンペーンまで、様々なイベントが毎週末開かれ、老若男女を問わず、憩いの場となっています。モンゴル人の同僚に言わせると、短い夏の間に一気にイベントや楽しいことが集中してしまい、冬期の間はとても寂しくなるとのこと。
夕方5時には既に暗くなり、あまりの寒さにタクシー(1km30円程度なので一般の人々が気軽に利用している)を利用して通勤する人が多くなる冬期。モンゴルの人々がからりとした心地よい夏の気候を思い切り楽しみたい気持ちもよく分りますね。
ところで、この時期、街を散策していて目につくのは、道路に散らばる麦ガラのようなもの。実は、これは街中で売られている松の実のカラで、夏にしか市場に出ないモンゴルの人々の大好物。ビニール袋いっぱいの松の実をぺロリと平らげてしまいます。松の実は、ビタミンを始めとする栄養価が豊富で、肉を中心とした食生活のモンゴルの人々にとっては健康に欠かせないスナックとのこと。
【地域レベルで障がい児支援を】
リハビリテーション・センターの取り組み
一周年記念式典に参加
10月5日に、SCJのパートナー団体、セーブ・ザ・チルドレンUKモンゴル事務所が首都ウランバートル市郊外の低所得者居住地区で運営するリハビリテーション・センターの一周年記念式典に参加してきました。
センターに通う障がいを持つ子どもたち、保護者、地域代表が40人近く参加し、新聞・ラジオ局の取材も受け大盛況でした。参加している子どもたちも保護者も満面の笑み。同センター責任者によると、子どもたちも保護者もこの一年で大きく変わったといいます。
センターが運営されている地区周辺には、重度から軽度の障がいを持つ子どもが約200人ほど暮らしていますが、同センターが開設した当時から障がいを持つ子どもへのサービスを無償で提供するのは同センターのみ。
中央政府から障がい児への保障は、残念ながら皆無といえます。同センターは特に、重度の障がいを持つ子ども、また貧困など家庭の事情から十分なケアが受けられない子どもたち36人をサポートしています。
センターには作業療法士、身体療法士、社会福祉士が常駐し、子どもたちに身体の運動機能を高めるリハビリ、着替えやトイレなど自立した生活が出来るようになるサポート、基礎的な学習指導、また保護者へのカウンセリングも行っています。センター周辺には、整備された道路もなく、非常にデコボコしているので、車椅子の子どもやその他重度の障がいを持つ子どもに対しては、送迎サービスも行っています。
その他、センターが力を入れているのは、ガーデニングや創作活動を通して子どもたちの生活スキル高めること、また交通手段の欠如や社会的な理由から家に閉じこもりがちな障がい児を遠足などを企画して積極的に外に連れ出すことです。
センター開設当時は、保護者の多くが自分の子どもは歩けるようになるはずがない、話せるようになるはずがない、学校に通えるはずがないと諦めの態度を取っていたといいます。しかし、一年経った今、寝たきりだった幼児が元気に駆け回り、全く話が出来なかった子どもが会話できるようになり、保護者が子どもに接する態度も大きく向上したといいます。また、センターが学校側に働きかけたことで、学校側の障がい児受け入れに対する姿勢も変わりつつあり、センターに来る子どもの中でも通学する子どもが増えてきています。
ゾラ(5歳、女の子)は、センターに通いだした当時(1年前)は寝たきりで、身体を自分自身で動かすことがまったくできませんでした。1年間リハビリセンターにがんばって通った彼女は、いまではお兄ちゃんと元気に駆け回っています。1年前にはとても想像できなかった光景だと、お母さんが語ってくれました。
【今後の課題】
同センター責任者によると、今後の課題は、センターに通ってくる貧しい家庭出身の子どもたちに栄養価の高い食事を提供すること、またバリアフリーの室内トイレを整備することです。
同センターに通う子どもたちの中には、貧しさから朝食・昼食を抜いてくる子どもも多いとのことですが、同センターには調理設備が無いため、現在は簡単な軽食を提供するのみとなっています。子どもの中には栄養不良による発達障がいが目立ち、栄養価の高い食事の提供は急務となっています。
トイレに関しては、屋外にある為、マイナス40度と凍てつく冬期は、車椅子の子どもにとっては、トイレに通うことが非常に困難です。室内の一角にも簡易トイレが設置されていますが、衛生面の問題とプライバシーの問題から年齢の高い子どもには敬遠されています。
SCJ のモンゴルでの活動の焦点の一つは、サポート体制の向上、教育環境の整備・改善を含めた障がい児支援です。今後、同センターでのサポート体制がより充実したものとなるよう、また同様なセンターが他の貧しい地区でも運営できるようになるよう支援を展開していく予定です。皆様の応援、お待ちしております。
街の中心に位置し国会議事堂の真向かいにあるスフバートル広場では、短い夏の間、ポップコンサートから歯科衛生キャンペーンまで、様々なイベントが毎週末開かれ、老若男女を問わず、憩いの場となっています。モンゴル人の同僚に言わせると、短い夏の間に一気にイベントや楽しいことが集中してしまい、冬期の間はとても寂しくなるとのこと。
夕方5時には既に暗くなり、あまりの寒さにタクシー(1km30円程度なので一般の人々が気軽に利用している)を利用して通勤する人が多くなる冬期。モンゴルの人々がからりとした心地よい夏の気候を思い切り楽しみたい気持ちもよく分りますね。
ところで、この時期、街を散策していて目につくのは、道路に散らばる麦ガラのようなもの。実は、これは街中で売られている松の実のカラで、夏にしか市場に出ないモンゴルの人々の大好物。ビニール袋いっぱいの松の実をぺロリと平らげてしまいます。松の実は、ビタミンを始めとする栄養価が豊富で、肉を中心とした食生活のモンゴルの人々にとっては健康に欠かせないスナックとのこと。
【地域レベルで障がい児支援を】
リハビリテーション・センターの取り組み
一周年記念式典に参加
10月5日に、SCJのパートナー団体、セーブ・ザ・チルドレンUKモンゴル事務所が首都ウランバートル市郊外の低所得者居住地区で運営するリハビリテーション・センターの一周年記念式典に参加してきました。
センターに通う障がいを持つ子どもたち、保護者、地域代表が40人近く参加し、新聞・ラジオ局の取材も受け大盛況でした。参加している子どもたちも保護者も満面の笑み。同センター責任者によると、子どもたちも保護者もこの一年で大きく変わったといいます。
センターが運営されている地区周辺には、重度から軽度の障がいを持つ子どもが約200人ほど暮らしていますが、同センターが開設した当時から障がいを持つ子どもへのサービスを無償で提供するのは同センターのみ。
中央政府から障がい児への保障は、残念ながら皆無といえます。同センターは特に、重度の障がいを持つ子ども、また貧困など家庭の事情から十分なケアが受けられない子どもたち36人をサポートしています。
センターには作業療法士、身体療法士、社会福祉士が常駐し、子どもたちに身体の運動機能を高めるリハビリ、着替えやトイレなど自立した生活が出来るようになるサポート、基礎的な学習指導、また保護者へのカウンセリングも行っています。センター周辺には、整備された道路もなく、非常にデコボコしているので、車椅子の子どもやその他重度の障がいを持つ子どもに対しては、送迎サービスも行っています。
その他、センターが力を入れているのは、ガーデニングや創作活動を通して子どもたちの生活スキル高めること、また交通手段の欠如や社会的な理由から家に閉じこもりがちな障がい児を遠足などを企画して積極的に外に連れ出すことです。
センター開設当時は、保護者の多くが自分の子どもは歩けるようになるはずがない、話せるようになるはずがない、学校に通えるはずがないと諦めの態度を取っていたといいます。しかし、一年経った今、寝たきりだった幼児が元気に駆け回り、全く話が出来なかった子どもが会話できるようになり、保護者が子どもに接する態度も大きく向上したといいます。また、センターが学校側に働きかけたことで、学校側の障がい児受け入れに対する姿勢も変わりつつあり、センターに来る子どもの中でも通学する子どもが増えてきています。
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【ゾラちゃんの話】ゾラ(5歳、女の子)は、センターに通いだした当時(1年前)は寝たきりで、身体を自分自身で動かすことがまったくできませんでした。1年間リハビリセンターにがんばって通った彼女は、いまではお兄ちゃんと元気に駆け回っています。1年前にはとても想像できなかった光景だと、お母さんが語ってくれました。
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【今後の課題】
同センター責任者によると、今後の課題は、センターに通ってくる貧しい家庭出身の子どもたちに栄養価の高い食事を提供すること、またバリアフリーの室内トイレを整備することです。
同センターに通う子どもたちの中には、貧しさから朝食・昼食を抜いてくる子どもも多いとのことですが、同センターには調理設備が無いため、現在は簡単な軽食を提供するのみとなっています。子どもの中には栄養不良による発達障がいが目立ち、栄養価の高い食事の提供は急務となっています。
トイレに関しては、屋外にある為、マイナス40度と凍てつく冬期は、車椅子の子どもにとっては、トイレに通うことが非常に困難です。室内の一角にも簡易トイレが設置されていますが、衛生面の問題とプライバシーの問題から年齢の高い子どもには敬遠されています。
SCJ のモンゴルでの活動の焦点の一つは、サポート体制の向上、教育環境の整備・改善を含めた障がい児支援です。今後、同センターでのサポート体制がより充実したものとなるよう、また同様なセンターが他の貧しい地区でも運営できるようになるよう支援を展開していく予定です。皆様の応援、お待ちしております。