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水・衛生プロジェクト(WASH)をUNICEFと開始

10月19日から、エーヤワディ地域のライン・ボン地区(モラミヤンジューン・タウンシップの一部とラピュータ・タウンシップの一部を含めた地区)で水と衛生(Water, Sanitation and Hygiene:WASH)事業が開始されました。事業期間は6ヶ月間。UNICEFミャンマーとの共同事業です。

昨年、SCJはヤンゴン地域のクンジャンゴン・タウンシップの16村と、エーヤワディ地域のピアポン・タウンシップ15村で同様のWASH事業をUNICEFと実施(2009年7月から2010年1月まで)。子ども約1500人を含む人口約37,000人に対して、新しい貯水池2箇所および修復28箇所、小学校31校へのトイレや貯水タンクの設置、4,000世帯へのトイレ資材供与、1700世帯へのウォーター・フィルターの供与などを行いました。加えて、学校や地域住民組織(WASH委員会)と協力して、トイレの使用、手洗いの励行、安全な水の作り方などの衛生に関する生活実践の啓発活動にも取り組みました。この昨年の事業が、住民参加を促した地域に根ざしたコミュニティ活動として、高い評価を受け、今回の事業連携の継続につながっています。(以下写真は昨年の事業から)

写真1.jpgピアポンタウンシップのサー・ビー・スー村の修復した貯水池(約2,200mm)水浴びなどのために動物が入らないように(衛生対策)、更に子どもたちが誤って入らないように(安全対策)、周辺にはフェンスをはっています。

写真2.jpg          サー・ビー・スー小学校に設置した、雨水を貯めるタンクと繋がっている手洗い場


写真3.jpg           学校に設置したトイレと手洗い場。トイレの後に、流水と石鹸で手を洗う子どもたち。


今回の事業対象村は、ライン・ボン地区の10村(子ども約2,700人を含む人口約6,500人)。サイクロン「なるぎス」の被災から復興が遅れている、乾季の水不足が深刻、小学校もしくはECCDセンターがあることを基準として選定しました。
私たちの事業により、年間を通して少なくとも3,000人が必要かつ安全な水へのアクセスが確保されるとともに、小学校10校の衛生設備の改善や、家庭内における適切な水と衛生の実践によって、コミュニティ全体の水と衛生環境が向上することを目指しています。


写真4.jpg            公共の場での啓発ポスター。英語とミャンマー語との両方で書かれています。
写真8.jpgデルタ地域で見られる一般的なトイレ。川へそのまま流すので不衛生であるだけでなく、子どもが川へ落ちる危険性も伴います。

上掲の写真の中に、日本のODAロゴマークに気が付きましたか?これは、日本政府から拠出された資金による事業であることを示しています。日本の民間による資金的な支援とともに、日本のNGOには途上国での活動の実施パートナーとしての貢献も期待されています。「世界のこどもたちのために」という普遍的な目的を共有しているセーブ・ザ・チルドレンとUNICEF。SCJはこれからも水と衛生分野にとどまらず、保健と栄養の分野においても積極的に協働事業を実施していきたいと考えています。

(報告者:ミャンマー駐在員 藤野)