ミャンマー西部ラカイン州への緊急支援事業のご報告(2011.2.1)
昨年2010年10月22日から23日にかけて、ミャンマー西部にカテゴリー4の大型サイクロンが襲来しました。このサイクロンによって、ラカイン州に、45名の死者、15,000世帯の家屋の全壊という多大な被害がもたらされました。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、ジャパン・プラットフォームの支援を受け、80%以上の家屋が半壊または全壊したとされるラカイン州ミエボン・タウンシップにて支援を実施しました。このタウンシップの7つの村の村民2,040世帯(9,448人)へ、家庭用水衛生キットの配布を行い、今年1月10日に完了しました。
納品された物資
緊急時には多くの団体が一斉に支援に入りますので、通常、ニーズ分析と共に他団体との支援分野の調整を行います。その結果、別事業での配布物資には含まれておらず、また生活に絶対的に必要である水や衛生に関する物資(ろ過器、貯蔵用バケツ、蚊帳、石鹸など)のニーズが高いことが分かりました。そして、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの行う支援では、家庭用水衛生(WASH:Water, Sanitation and Hygiene)キットを配布することに決まりました。
家庭用WASHキットの中身 ろ過器
物資はミャンマー国内(主にヤンゴン市内)で調達され、陸路および水路を使って被災地域に運ばれた後、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフおよび村の代表者たちの監督の下、村民有志の協力を得て各世帯に配布されました。家庭用水衛生キットの配布時に、水に関する衛生教育(配布したキットの使用法、適切な手洗いの仕方、適切な水の保存方法など)を実施し、配布されたキットが効果的に使用されると共に、村人たちの知識向上に努めました。
船から配布場所まで運ぶ様子 配布準備中
配布を待つ住民たち
各自、キットを家庭に運ぶ
この家庭用水衛生キット配布事業完了後、引き続き被災者のニーズに応え、乳幼児を対象とした栄養価の高い食糧不足を補うための事業「給食配布事業」を行っています。
多くの場合、災害は、特に最貧困層に、一生かかっても復活できないほどの被害をもたらします。今後も長期に亘り、彼らの復興を支援して参ります。応援をよろしくお願いします。
(報告者:ミャンマー駐在員 藤野)