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お母さんと子どもたちの栄養改善と生計向上を目指して(2011.6.20)

外務省日本NGO連携無償資金協力により、2010年3月1日に開始したバゴー地域テゴン・タウンシップ30村での「母乳・補助食の栄養指導と生計向上支援事業」を開始し、1年以上が経過しました。

この事業の目的は、5歳未満の子どもたちの栄養不良を減らしていくことです。この目標を達成するため

■5歳未満の子どもの母親や妊婦の栄養に関する知識を伝える活動
■定期的な身体計測によって栄養不良を早期に発見し、栄養補助食療法により早期に健全な発育を回復する活動

などを行ってきました。この1年間の活動の様子をご報告します。

【子どもの栄養不良を防ぐために】
母親と妊婦の知識を向上させるため、「栄養不良の原因」、「成長モニタリングと3つの食材グループ」、「適切な調理法」、「乳幼児の適切な食生活」、「母親の栄養と栄養補助食」、「母乳哺育」という栄養に関するトピックを村ごとに少人数を対象に啓発しました。全30村で合計4,958名が参加しています。そのうち男性参加者は、209名でしたが、回を重ねるごとに増加していきました。子どもの栄養に関する男性の関心と理解を促進する効果も現れたようです。

女性向け栄養指導.JPG

SCのスタッフがお母さん向けに栄養に関する指導をする様子 

【子どもの栄養不良を治すために】
各村2名づつ育成された栄養ボランティアが、5歳未満の子どもの身体計測を毎月実施。そこで栄養不良と判断された子どもは、10日間の栄養教育・調理実習に加え、20日間の食材支給プログラムに参加。健全な発育を維持するために2歳未満の子どもや妊婦にも参加を促しました。特に、重度栄養不良の子どもには、UNICEFから調達した栄養補助食「プランピーナッツ」を支給しました。この活動を2010年6月から2011年1月までプロジェクトが支援して実施し、その後は現在まで村ごとに自分たちで決めたスケジュールに則って継続的に行っています。

体重身長測定.JPG

毎月の身体計測。SCのスタッフが実演指導した後、村の栄養ボランティアが中心になって実施

このような活動により、お母さんと子どもたちの健康・栄養状態に改善がみられています。次回は、この事業の1年間の成果と今後について、詳しくお伝えします。

報告:ミャンマー駐在員 藤野