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いよいよ活動開始!―現地診療チームの活躍―(2010.12.15)

スーダン全域では、実に10人に1人の子どもが5歳の誕生日を迎えられずに亡くなっていますが、SCJの事業地、カポエタでも子どもの栄養不良の問題は深刻です。干ばつなどの影響で、栄養不良になっている子どもたちが多くいるため、私たちのプロジェクトでは、栄養不良集中治療センターを作って深刻な栄養不良の子どもの入院ができるようにし、さらに村を週1回定期的に巡回して子どもたちの診療を行ったり栄養治療食や補助食を配る活動を行っています。

11月には、栄養不良集中治療センターで働く職員と、村々を巡回して子どもたちを診療する巡回チームの職員、さらにコミュニティで活動する地域保健栄養改善員などを面接し、採用することができました。

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<職員面接の様子>


今日は、巡回チームのある一日を紹介したいと思います。

 

11月30日。
巡回チームは、パリンガという村にある3つの集落を廻り、子どもたちの栄養状態を測定して、巡回診療を必要としている子どもをみつける活動をしました。彼らは、前日にもおなじ集落を回り子どもたちの栄養状態を測定したのですが、その時に、栄養不良がひどく合併症を起こしている子どもを2人みつけました。そこで、今日はチームを2つにわけ、1つのチームはまだ訪問していない集落に行って子どもの栄養状態を測定し、もう1つのチームは、2日前にみつけた深刻な状態の子どもを診療所に入院させる任務に就くことにしました。 

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<巡回に行く途中の、巡回チームの職員>

Briefing.jpg <チームを2つにわける打合せ>

深刻な栄養不良にある子ども2人は、私たちの栄養不良集中治療センターが完成していれば、もちろんそこに入院してもらうのですが、まだ残念ながら建設途中で完成していないのでそこには収容できません。けれど、2人とも相当な栄養不良で衰弱しており、1人は栄養不良の合併症もおこし、マラリアにもかかっているようですし、放っておけば命も危ない状況です。そこで、Save the Childrenが運営しているリウォト診療所に入院させてもらうことにしました。私たちの集中治療センターも、この診療所を増築する形で建設中です。

 

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<深刻な栄養不良状態にある子どもの腕の太さを測る巡回チームのメンバー>

 

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<栄養状態測定の様子。
この子どもは、合併症を伴う深刻な栄養不良と判断され、入院しました>

 

入院にあたっては、まず、巡回チームがお母さんをはじめとする村の人たちに子どもの状況と入院の必要性を説明し、納得してもらいます。お母さんにしてみれば、初めて会う人たちに連れて行かれるのですから、抵抗もあると思いますが、今日の2人の子どものお母さんたちは、納得して子どもと一緒に診療所まで来てくれました。


診療所でマラリアのテストをしたところ、やはり1人はマラリアにかかっていました。マラリアの検査のために採血されている時もほとんど泣きもせずぐったりとしていました。放っておいたら、どうなっていたか...。幸いベットに空きがあったので直ちに入院させ、マラリア薬による治療とプランピーナッツ(栄養治療食)による栄養回復処置を開始することができました。

 

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<巡回メンバーのリーダー(一番右)が、子どもの入院についてリウォト診療所職員に
お願いしているところ>

栄養不良集中治療センターや巡回チームの職員の採用も終わり、事業も軌道に乗ってきました。巡回チームは、リーダーのもと、日々村々を回り、子どもの診察をしています。12月の終わりくらいには、センターも完成する予定です。1人でも多くの子どもの命を救えるように頑張っています。

 

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<リウォト診療所に増設中の栄養不良集中治療センター。
完成が待ち遠しい!>

 

 

この事業はジャパン・プラットフォームの支援により実施されています。
JPFスーダン南部HP: http://www.japanplatform.org/area_works/sudan/new-south.html