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子どもの栄養改善に向けて  新たな活動のスタート(10.02.01.)

先月1月15日より、国際協力開発機構(JICA)の支援を受け、ベトナムイェンバイ省において子どもの栄養改善に向けての新しい事業が始まりました。

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               体重測定で子どもの成長を数値で確認するところ

ベトナムは今、目覚ましい勢いで経済発展を続けています。しかし、毎年の経済成長率が8%にのぼる一方で、都市部と農村の経済格差が目立つようになってきました。そして、その「格差」は、子どもの成長にも大きく表れています。例えば、2007年のベトナム政府の調査によると、5歳以下の低体重児の割合は、首都ハノイで9.7%であるのに対し、セーブ・ザ・チルドレンの活動する北部イェンバイ省では26.1%にものぼっています。

この格差の大きな背景の一つにあるのが、少数民族の問題です。ベトナムには全部で54の少数民族がいて、北部イェンバイ省では、人口の79%が少数民族だと言われています。農業を中心とした暮らしをしている少数民族は、現金収入が限られており、また伝統的な食文化は時に子どもの十分な栄養摂取の妨げになる可能性があります。

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           栄養たっぷりの野菜は子ども、母親両方の健康の源です。

そこでセーブ・ザ・チルドレンでは、子どもを抱える母親や、妊産婦に対し、栄養研修や家庭菜園の実践を通じ、地域の中にある安価で栄養価の高い食材や、その調理法を紹介し、地域の住民が持続的に栄養改善できる仕組み作りを行っていきます。また、子どもの成長には幼少期の際の母乳育児が重要となっており、地域の中に保健ボランティアを育成し、母親への母乳育児指導や、健康面の相談も行っています。

事業は2年間で、600名の子どもと400名の妊産婦、5000名の周産期女性を対象に実施していきます。

皆さまのご支援、ご協力をお願いします。

(報告:ベトナム事業担当 新井)