(公開日:2013.11.15)
フィリピン台風30号緊急支援【第3報】パナイ島の被災状況(2013.11.15)
- フィリピン
パナイ島では9万戸の家屋が倒壊
現在、セーブ・ザ・チルドレンはレイテ島タクロバン、パナイ島ロハス等で被害状況の調査を続けています。
「タクロバンの被害の大きさに驚いていましたが、レイテ島周辺の島々の被害状況もかなり深刻で、支援が必要とされています」エバン・シャーマン セーブ・ザ・チルドレン メディア&コミュニケーションズ・オフィサー
パナイ島中央に位置するカピス州の北東地域だけでも、少なくとも50名が亡くなり、50万人の人びとが被災しました。パナイ島では90万戸の家屋が全壊。漁で生計を立てていた多くの島民が、生活の糧である釣り船を失ってしまいました。
ネア・マガラネスさんと娘のグローリー・マエさん(7カ月)の場合
パナイ島イロイロ州エスタンシア
©Save the Children
ネアさんとご主人は、海沿いに建つ家に留まっているのは危険だと判断し、強風の中、7カ月の娘グローリーさんを抱いて避難場所を探して外へ出ました。
「強風が屋根を直撃したので、家から出てどこかほかの場所へ逃げなければと思ったのです」と、ネアさんは当時の状況を思い出しながら話してくれました。
高波が防波堤を打ち付け、海岸が水にのまれるのを見て、ネアさん夫婦は娘を抱きながら、必死につかまる場所を探しました。
ネアさん夫婦は、水がどんどん押し寄せる中、コンクリートの建物の柵によじ登り、窓から中へ入りました。幸運にもそこにはロフトがあり、先に避難していた他の家族と一緒に、台風が収まるまでそこに留まりました。
「海水は、2メートルの高さのロフトまで届きそうになりました。台風がこれほどの威力を持つなんて、想像したこともありませんでした。今まで見たことのないものでした。私たちは、この状況の中で生き残ることは不可能だと、希望を失ってしまいました」
エスタンシアの小さな村で、85名が亡くなりました。何千人もの村民が家を失い、何百隻もの釣り船が粉々になり、漁村の生活の糧が失われました。
「すべてを失い、私たちはこれから一体どうすればいいのかわかりません。営んでいた雑貨店は壊れてしまい、全財産が流されてしまいました。でも、大切なのはこうして支えあえる人がいて、そして娘がいてくれることです」
緊急支援物資40トンと医療専門家チームを被災地へ
セーブ・ザ・チルドレンの緊急支援物資40トンを乗せた空輸便は、14日の朝にセブを出発しタクロバンに入りました。、また、12名からなる医療専門家チームの派遣が決定し、14日にマニラに向けて出発しました。医療チームは15日にマニラからセブ島へ向かい、フィリピン保健省や関係機関との協力のもと、必要な支援活動にあたります。
©Save the Children
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