(公開日:2013.11.21)
フィリピン台風30号緊急支援【第5報】子ども広場の設営を開始(2013.11.21)
- フィリピン
?子どもたちに安全な場所を?
セーブ・ザ・チルドレンは子ども広場の設営を開始しました。
フィリピン台風の子どもの被災者数は460万人と言われています。多くの子どもたちが、住む家や村、そして家族が台風の洪水で流されていくのを目撃しました。学校再開の目途も立たず、家族と離ればなれになってしまった子どもたちは、搾取や虐待の危険にさらされています。
■子ども広場の開設
喫緊のニーズとして何百万もの被災世帯に早急に食糧、水、仮設住宅を届けることが求められていますが、それと同時に子どもたちへの心理的ケアも重要な課題です。
台風で半壊した校舎 ©Save the Children
セーブ・ザ・チルドレンは、ユニセフや地元自治体との協力のもと、レイテ島に11カ所、およびパナイ島に5カ所の子ども広場を開設し、トレーニングを受けた現地スタッフやボランティアメンバーが、安全で組織だった環境の中で教育や活動の場を提供し、子どもたちの心理社会的ケアを図ります。19日、タクロバンに最初の子ども広場を3カ所開設しました。
■安全な遊びと学びの場を取り戻したマリアさん
台風30号の猛威は、マリアさんの家も、地域一帯も破壊してしまいました。マリアさんと家族は、レイテ島タクロバンのリサール小学校で避難生活を送っています。セーブ・ザ・チルドレンがユニセフや地元自治体と共同で避難所に開設した子ども広場で、マリアさんは安全な遊びと学びの時間を取り戻しました。
©Save the Children
マリアさんのお父さんは言います―「避難生活で子どもたちは不衛生な環境の中で過ごしていたために、風邪をひいたり、咳をしたりしていました。子ども広場ができて本当によかったと思います。台風が去って二日後に家に戻ってみましたが、そこには何も残っていませんでした。子どもたちから家に帰りたいとせがまれたときに、もう帰る家はないと説明しなければなりませんでした。子どもたちはそれを聞いて泣き出してしまったので、わたしはもう一度家を建てるから心配ないと言って慰めたのです」
マリアさんのお父さんは魚の行商人ですが、台風の後は仕事がなくなってしまいました。
「子どもがもう一度学校に通えるようになってほしい。セーブ・ザ・チルドレンがここでしてくれていることは、とても有難いです。わたしたちに支援をしてくれる人たちがいるとわかって、気持ちが楽になりました」
■できるだけ早く子どもたちに日常生活を
支援が届きにくい町から離れた地域を訪れたセーブ・ザ・チルドレン子ども保護アドバイザー デビッド・ブルーマーによると、子どもたちの置かれている状況はさらに切実だとのこと。
©Jonathan Hyams/Save the Children
「今日レイテ島をタクロバンから南下しましたが、何百人もの子どもたちが道路わきで物乞いをしているのを目撃して衝撃を受けました。村々は壊廃しており、何もすることがない子どもたちは、瓦礫の上にただ座って一日を過ごしていました。危機に直面した子どもたちは、それぞれ非常に異なる反応をします。震災直後にどのようなケアを受けるかが、長期的な回復に決定的な影響を与えるのです。過去の事例からも、学校に戻って日常の活動に戻る時期が早いほど、回復も早くなることがわかっています。」
地元コミュニティは、悲惨な経験をした子どもたちのためにも、安全な遊びや学びの場を確保することが急務であることを訴えています。子ども広場の開設は、被災した子どもたちにだけでなく、大人たちが生活を立て直すことに集中する環境を提供することにもなるのです。セーブ・ザ・チルドレンは、今後も子どもたちの保護を積極的に実施してまいります。
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