フィリピン台風30号緊急支援【第9報】伝染病の拡大阻止を(2013.12.02)

結核高蔓延国のフィリピンで、今後の感染拡大に懸念

セーブ・ザ・チルドレンは、医療援助団体と協力しながら、レイテ島で診療を開始後2日間で292人の患者の診療を行いました。


パナイ島での巡回診療 (c)Sarah Tyler/Save the Children

タクロバン市から南に30キロ、被害の激しいドゥラグ市で治療を続けるドロタン医師は、5歳未満の子ども127人を診ましたが、ほとんどの子どもが急性呼吸器感染症の症状を見せており、その内42人は肺炎の治療が必要でした。
「無数の家屋が倒壊し、多くの家族が学校や仮設避難所にすし詰めの状態で生活している中、雨が続き、未だに多くの場所に淀んだ水が溜まっている環境では、病気の蔓延を阻止するのが非常に困難です。」

こうした中、セーブ・ザ・チルドレンは医療援助団体と共同で、レイテ島とパナイ島で巡回診療を実施。これまでにレイテ島で729人、パナイ島で417人を診察しました。遠隔地の巡回診療で伝染病の拡大防止に努める他、地元診療所へのサポート、また被災により医療施設が機能していない地域や、患者の急増に対応できていない地域の住民への診療を行い、緊急治療を必要とする被災者に適切な処置を施しています。


診療の順番を待つパナイ島の住民 (c)Sarah Tyler/Save the Children
また、フィリピンはもともとWHOが選定する22カ国の結核高蔓延国中の第9位であり、2012年には20万人以上の感染が確認されていたため、、ドロタン医師は結核患者の対応についても警鐘を鳴らします。「(被災後に)結核と診断された患者はまだ数人ですが、被災地における結核の流行のリスクは高まっています。結核には継続的な治療が不可欠であり、途中で治療をやめてしまうと菌が薬への抵抗力をつけて重症化してしまうという懸念があります。」

セーブ・ザ・チルドレンの医療チームは、被災地で外科的、内科的、心理的サポートを続けています。



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