プロジェクトに欠かせない人々(2013.12.20)

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンではジャパン・プラットフォームからの助成や皆さまからのご寄付を活用させていただき、保健教育や就学前教育を行っています。

海外での支援を行っていると、よく専門家と呼ばれる人たちから「地域の人の協力がない」「地元の人々が援助に依存している」という声が聞かれます。また、「地元の人の自立を促していない」というような話をする人もいます。でも、本当にそうなのでしょうか?

今回は弊会のプロジェクトに絶大なるご協力をいただいているお二人をご紹介したいと思います。

  まずはバーミヤン中央郡スルカー・クル村にお住いのセディカさん(58歳)。
5人のお子さん(娘さん3人、息子さん2人)のお母さん。5人ともすでに結婚され、息子さん2人は同居されています。息子さんのお一人は市場で商店を経営されており、もうお一人は農業に従事されています。ご主人はお仕事をされておられず、時々息子さんのお仕事を手伝っていらっしゃるようです。
   
冬場は寒いので、薪を市場から買ってきたり、牛などの糞の乾いたものを暖房の燃料として使っています。弊会からも薪を提供させていただいておりますが、それだけでは暖をとるには十分でなく、牛糞などの乾いたものも使っているとのこと。就学前教育に通ってくる子どもたちは、「みんな自分の子どもみたいなものだからね」とセディカさん。
 
「こういった活動は政府や支援してくれる団体だけに責任があるわけではないからね。孫も恩恵を被っているし。時々見に行くと小さな子どもたちが数字を勉強したり、積み木で遊んでいたり、楽しそうだね。」とおっしゃってくれました。


  サキナさん(青いベールの方)はバーミヤン中央郡のモラ・グラム村にお住まい、2人の娘さんと1人の息子さんのお母さん。子ども保健教育の会場としてお部屋を提供してくださっています。一人息子のイーサン君は小学校2年生で、週2回子ども保健教育に参加しています。サキナさんの娘さんのマルジヤさん(茶色のベールの方)も近所に住んでいて、お子さんを子ども保健教育に参加させています。

庭に二部屋あって自分たちで使うだけでなく、そのうち一部屋を2年間子ども保健教育のために無償で貸してくださっています。そこで地域の子どもたちが衛生や栄養に関する知識を学んでいます。

暖房の燃料として、弊会が提供している薪だけでなく、自分たちで拾ってきた小枝や動物の糞の乾いたものを使っています。こうした少しずつのサポートによって、地域の子どもたちがモチベーションを高く持って保健教育に参加して、一生懸命学んでくれるのではないか、と考えているそうです。

「私も夫も学校に行っていないので、私たちの子どもたちが勉強していることに関心を寄せているし、子どもたちに輝かしい未来が待っているので、子どもたちにはいろいろと知識を身に付けるように励ましているのです。息子は賢いようなので、下の子に簡単な数の数え方やアルファベットを教えてあげるように言っています。私たちの村のために活動してくれてありがとうございます。」


  どうしても支援活動を行っていると、地元の人々の協力や貢献を当然のように考えてしまいがちです。セディカさん、サキナさん共に教育への思いや願いがたくさんあります。そんな思いから、教育の会場を提供してくださったり、自分たちの貴重な暖房用の燃料を提供してくださっています。大変大きな貢献をしてくださっておられます。ここでは代表してお二人の事例をご紹介いたしました。実はこのようなたくさんの方々の思いや願い、そして数多くの協力と貢献があってこそ、教育は成り立っています。

(アフガニスタン担当 紺野)

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