(公開日:2014.09.10)
ビタミンって何?子ども保健教育で学ぶこと(2014.09.10)
- アフガニスタン
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンがバーミヤン州で2010年から実施している子ども保健教育。これは、「トイレに行った後には手を洗いましょう」「食事の後には歯を磨きましょう」「生野菜は調理する前に洗いましょう」といった生活に役立つ衛生等に関する基本的な知識を、高校生くらいの年長の子どもたちが、小学生くらいの年少の子どもたちに伝えるという取り組みです。
この教育活動の中では、ビタミン、鉄分、ヨウ素などの栄養素についても勉強し、知識を広めていきます。
さて、ここで問題です。
1. ビタミンAは子どもにとって必要といわれていますが、なぜでしょうか?
2. アフガニスタンとお隣のイランが原産地と考えられている、ビタミンAを含む野菜を二つ挙げてください。
みなさん、お分かりになりましたでしょうか?
1. の答えは、ビタミンAが粘膜や皮膚を良い状態に保つためにも欠かせないのと同時に、不足すると夜盲症になるリスクが高くなるからです。
2. の答えは、ニンジンとほうれん草です。
アフガニスタンでは0歳から6歳までの子どものうち50.4%がビタミンA不足であり、このうち4.6%が深刻なビタミンA不足である、との調査報告があります。ビタミンA摂取不足の理由は様々考えられますが、そもそもビタミンAについて知らないということも大きな理由の一つと考えられます。調査によると、ビタミンAについて知っている女性はアフガニスタンの平均で30.2%。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが事業を行っているバーミヤン州では知っていると答えた女性はわずか4.4%。残念ながら同州の知識レベルはアフガニスタン34州のうち、最下位です※。
※本稿に関しては、下記の文献を参照。Ministry of Public Health and UNICEF,
"National Nutrition Survey Afghanistan (2013) "
また、子ども保健教育の中で事業開始前にビタミンAについて聞いたことがある/知っていると答えた子どもはわずか5.1%でしたが、事業終了後には78.7%まで増えました。
子どもたちは、ビタミンAに限らず、栄養素について学んだことを家で家族に伝えているとの報告も届いています。
マスマさん(12歳)は小学校6年生です。バーミヤンの中央から16キロほど離れたトプチ村で生活しています。
「私は月曜日と火曜日の午前9時~11時に子ども保健教育に参加しています。これまでに『手を洗いましょう』、『お風呂に入りましょう』、『いろいろなビタミンを採るためにいろいろな食材をとるようにしましょう』、『暖かい恰好でいましょう』、『埃っぽいところやとても寒い日は外で遊ばないようにしましょう』といったことを学びました。これらの知識はとても生活の役に立っています。以前、兄が風邪をひいてしまった時には、まず兄に暖かい恰好でいるように伝え、父には兄がビタミンCをとれるように市場でレモンを買ってくるように頼みました。母には兄のために栄養と水分がたっぷりな温かいスープを作ってほしいとお願いしました。それから、家族に風邪がうつらないように、食事の時は兄のお皿だけ別にしてもらいました。こうしたことは、風邪のときには水分とビタミンCと栄養をしっかり取ることが大切だということや、衛生について保健教育で学んでいたから出来たことです。
村の友だちの中には風邪の原因や、風邪をひいてしまった時にどうしたらよいかなど、健康や衛生について何も知らない子もいます。健康でいるためには基本的な知識を学んだ方がよいのではないかと思います。」
セーブ・ザ・チルドレンでは、子どもたちが少しでも多くの衛生や栄養の知識を身につけて日々の生活に活かし、毎日元気に過ごしてもらえるような支援を今後も続けてまいります。
アフガニスタン担当:紺野
この教育活動の中では、ビタミン、鉄分、ヨウ素などの栄養素についても勉強し、知識を広めていきます。
さて、ここで問題です。
1. ビタミンAは子どもにとって必要といわれていますが、なぜでしょうか?
2. アフガニスタンとお隣のイランが原産地と考えられている、ビタミンAを含む野菜を二つ挙げてください。
みなさん、お分かりになりましたでしょうか?
1. の答えは、ビタミンAが粘膜や皮膚を良い状態に保つためにも欠かせないのと同時に、不足すると夜盲症になるリスクが高くなるからです。
2. の答えは、ニンジンとほうれん草です。
アフガニスタンでは0歳から6歳までの子どものうち50.4%がビタミンA不足であり、このうち4.6%が深刻なビタミンA不足である、との調査報告があります。ビタミンA摂取不足の理由は様々考えられますが、そもそもビタミンAについて知らないということも大きな理由の一つと考えられます。調査によると、ビタミンAについて知っている女性はアフガニスタンの平均で30.2%。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが事業を行っているバーミヤン州では知っていると答えた女性はわずか4.4%。残念ながら同州の知識レベルはアフガニスタン34州のうち、最下位です※。
※本稿に関しては、下記の文献を参照。Ministry of Public Health and UNICEF,
"National Nutrition Survey Afghanistan (2013) "
また、子ども保健教育の中で事業開始前にビタミンAについて聞いたことがある/知っていると答えた子どもはわずか5.1%でしたが、事業終了後には78.7%まで増えました。
子どもたちは、ビタミンAに限らず、栄養素について学んだことを家で家族に伝えているとの報告も届いています。
マスマさん(12歳)は小学校6年生です。バーミヤンの中央から16キロほど離れたトプチ村で生活しています。
「私は月曜日と火曜日の午前9時~11時に子ども保健教育に参加しています。これまでに『手を洗いましょう』、『お風呂に入りましょう』、『いろいろなビタミンを採るためにいろいろな食材をとるようにしましょう』、『暖かい恰好でいましょう』、『埃っぽいところやとても寒い日は外で遊ばないようにしましょう』といったことを学びました。これらの知識はとても生活の役に立っています。以前、兄が風邪をひいてしまった時には、まず兄に暖かい恰好でいるように伝え、父には兄がビタミンCをとれるように市場でレモンを買ってくるように頼みました。母には兄のために栄養と水分がたっぷりな温かいスープを作ってほしいとお願いしました。それから、家族に風邪がうつらないように、食事の時は兄のお皿だけ別にしてもらいました。こうしたことは、風邪のときには水分とビタミンCと栄養をしっかり取ることが大切だということや、衛生について保健教育で学んでいたから出来たことです。
村の友だちの中には風邪の原因や、風邪をひいてしまった時にどうしたらよいかなど、健康や衛生について何も知らない子もいます。健康でいるためには基本的な知識を学んだ方がよいのではないかと思います。」
セーブ・ザ・チルドレンでは、子どもたちが少しでも多くの衛生や栄養の知識を身につけて日々の生活に活かし、毎日元気に過ごしてもらえるような支援を今後も続けてまいります。
アフガニスタン担当:紺野