スマトラ沖地震の大津波から10年~緊急・復興人道支援の長期的な成果を検証~(2014.12.24)



23万人が犠牲となった2004年のスマトラ沖地震によるインド洋大津波から、今月26日で10年を迎えます。

子ども支援専門の国際NGOであるセーブ・ザ・チルドレンは、世界中から2億8400万ドル(およそ340億円)の寄付を集め、2004年から2009年にかけて、津波で大きな被害を受けたインドネシア、スリランカ、インド、タイ、そしてソマリアの5カ国で、設立以来最大規模の緊急人道支援活動を実施しました。

セーブ・ザ・チルドレンでは、被災地の人たちの声を通して、スリランカとインドネシアのアチェ州で実施した支援活動の強み、弱み、持続性、成果などを分析し、今現在の被災地が、今後起こりうる自然災害に対してどの程度の防災力を持っているかを検証しました。

「インド洋大津波から10年が経過した今、私たちが実施した緊急および復興支援活動の長期的な成果を調査することはとても重要です」セーブ・ザ・チルドレン、南・中央アジア地域ディレクター、マイク・ノーベル

調査の結果として、4つの項目が明らかになりました:

● 子どもたちは、災害に対して最も脆弱であること
子どもたちにとって、今後起こりうる災害に対しての備えと、自らの安全を守る方法について定期的に情報を受け取ることはとても重要である。セーブ・ザ・チルドレンは、災害時に身を守り、安全に避難する方法を児童生徒同士で教えあうプログラムを、被災地の学校に紹介し、導入した。

● 防災(災害リスク軽減)に対する投資が重要であること
スリランカとインドネシア両国では、災害時の危機管理政策が強化され、政府の対応能力が向上するといった進歩がみられた。家屋や公共の建物に耐震改修が施されたことは特筆すべき変化であり、また早期警報システムや、津波に備えたインフラストラクチャーの構築も進められた。コミュニティのレベルでは、災害時の対応に関する人々の意識は著しく向上した。

● 緊急支援や復興に向けた活動では、被災者自身の参加が土台とならねばならないこと
被災地の人々が、自分たちの将来に対して自らの決定を行った場合、人々はその結果に対してより大きな責任を担おうとする傾向がある。一方で、支援物資を受け取るだけの受け身な状態の場合、感謝の気持ちを持つと同時に批判的になる場合がある。

● 長期的な成果をもたらすためには、パートナーシップが不可欠であること
政府機関とのパートナーシップのもとに実施された事業が最も永続的な成果をあげている。こうしたパートナーシップの構築には時間を要するが、他では容易に達成できない水準の持続性をもたらす可能性がある。

報告書全文(英語)はこちらです
TSUNAMI TEN YEAR ON, STORIES OF CHANGE
2004-2014: Community Perceptions of the Indian Ocean Tsunami Response and Recovery



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