無電化の村に灯る安心と信頼の明かり(2015.01.08)

ミャンマーの農山村地域で実施している母子保健事業で、子ども、母親(妊婦を含む)、そして地域住民の健康維持・促進の拠点となる4カ所の保健センターの建設を行いました。さらに、株式会社エコシステムグループの支援を受け、それぞれの保健センターに太陽光発電機材を設置しました。

現在、ミャンマーでは電力の供給を受けているのは人口のわずか30%に過ぎません。民主化と経済開放の恩恵が行き届きにくい農山村地域において、この事業はそこで暮らす人々にとってとても貴重なのです。

設置された太陽光発電機によって、電気が届いていない無電化地域において、夜間でも安定した十分な照明が確保され、「365日24時間対応」の保健サービスの提供が可能になりました。その結果、妊婦がいつでも安心して妊婦検診を受けたり、出産したりすることができるようになりました。


ソー・タウンシップのティ保健センターに設置されたソーラーパネル

また、各保健センターにワクチン保冷器も供与しました。保冷手段が限られていたときには、助産師が一日に数か村を急いで巡回して予防接種を行わなければなりませんでしたが、保冷器が設置されたことによって、そのような大きな負担が軽減されました。


供与されたワクチン保冷器(中央)と、
電気を充電・供給するための蓄電池(下)やインバーター(上)など


夜間でも保健センターが利用できるようになったことで、農山村地域の住民たちは、村から離れた田んぼや畑で安心して農作業を続けることができるようになりました。また、このことが口コミで広がり、少し離れた村の人々の利用も増えたようです。


ヤンゴン地域クンジャンゴン・タウンシップのトー・カ・レイ保健センターと、
そこで働く助産師さん

「365日24時間対応」で保健サービスの提供が可能になったことは、そこで働く助産師さんの自信と誇りを高めたうえ、「電気のない真っ暗な夜の村に、明るい保健センターがある」ということが、住民たちにどれほどの恩恵をもたらしているか計り知れません。電気のない村の保健センターにともされた明かりは、助産師にも、住民たちにも、大きな安心と信頼をもたらしています。


夜間に照明がともるマグウェイ地域セドタラ・タウンシップの
ミャウン・ウー保健センター

ミャンマーの農山村地域における健康で明るい村づくりのために、引き続き、私たちの活動に対するご理解とご支援をどうぞよろしくお願いします。

(報告:ミャンマー事務所 藤野)


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