【エボラ危機】リベリアで大規模な学級再開支援を実施(2015.02.16)

リベリアでは、エボラ出血熱の流行による半年に渡る学校閉鎖で、100万人以上の子どもたちが影響を受けました。

世界保健機関(WHO)によれば、リベリアでは、2014年半ばの流行のピーク時には週に300人以上だったエボラ出血熱の新規感染者数が、ここ数週間にわたり着実に減少しており、2月の第一週には僅か3件に留まっています。こうした状況を受け、セーブ・ザ・チルドレンは、エボラ出血熱の流行により6ヶ月間もの学校閉鎖を余儀なくされたリベリアで、大規模な学級再開支援を実施しています。


再開した学校

「史上最大の規模で感染が拡大したエボラ出血熱の流行に苦しんだリベリアの人々にとっては、大変喜ばしい状況です。しかしながら、私たちは、感染の再流行に対する生徒や保護者の不安を解消するために、学級再開の安全性を確実なものにする必要があります。リベリアの未来の宝である子どもたちを学校に戻すのですから、あらゆる必要な措置を取らなければなりません。」グレッグ・デューリー、セーブ・ザ・チルドレン・リベリア、カントリー・ディレクター

リベリア政府は、エボラ感染の危険のない学校環境作りのための、厳しいガイドラインを策定しました。ガイドラインには、手洗い設備や非接触体温計の設置、エボラウイルス感染の疑いがある患者を一時的に隔離するための小さなスペースの確保、そして近くの医療施設との緊密な連携体制の構築などが含まれています。



セーブ・ザ・チルドレンは、リベリア教育省や現地パートナーと協力しながら、これまでにおよそ840校の学校の教師やコミュニティメンバーに対し、エボラ出血熱のための地域安全委員会の設置や患者搬送システムの確立を含む、エボラ予防訓練を集中的に提供してきました。



さらに、840校のうち546校において、手洗い設備の設置や水の供給、さらにデジタル体温計、塩素、石鹸、バケツ、箒、教育ポスター、ゴム手袋、雨靴をセットにした安全キット数百セットを配布しています。

「エボラ出血熱への対策が成果をあげているとはいえ、まだ監視の目を緩めることは出来ません。リベリアでは学校の半分以上で安定した水の供給体制が整備されておらず、貧弱な校舎やインフラ環境の中、必要な教材も揃っていません。こうした状況を鑑みれば、2月16日の学級再開は、今後の支援の出発点なのです。」グレッグ・デューリー

2013年12月にギニアで始まりシエラレオネ、リベリアへと拡大したエボラ出血熱の感染を封じ込めるために、治療センターの建設・運営の他、街頭での意識向上・啓発キャンペーンの展開、学校教員やヘルスワーカー、地元の団体などへの感染予防教育、医療施設への基礎的な医療機材や予防キットの配布、エボラ出血熱から生還した患者への心理社会的サポート、孤児となった子どもや付き添いのない子どものケアなどを実施しています。


エボラ危機により閉鎖されていた学校
 
PAGE TOP

〒101-0047 東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4F