(公開日:2015.10.21)
「持続可能な開発目標」採択の前夜祭
貧困・不平等・気候変動を終わらせ、行く手に光を
- アドボカシー
今年9月25日、ニューヨークの国連総会の特別サミットで、今後15年間で貧困、不平等、気候変動を終わらせるための世界の共通目標、「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals/SDGs)を含む「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
SDGsの17目標と169のターゲットは、社会、経済、環境の課題を統合し、「変革」を目指す野心的な目標群で、これまで約3年間の年月をかけ、国連の全加盟国193か国により合意されました。その背景には、このままでは社会、経済、環境が立ち行かず、共に破綻する運命共同体としての意識と危機感があります。
SDGsの策定プロセスでは、セーブ・ザ・チルドレンも、すべての子どもの権利の実現の視点から、積極的な提言活動を行ってきました。今後は目標達成に向けて、国際社会、各国政府、そして私たち一人一人が早急に行動を起こすことが必要とされています。
9月24日、「持続可能な開発目標」が採択される前夜。貧困、不平等、気候変動の終結を目指し、世界中の2,000以上の市民団体が参加する大規模キャンペーンaction2015が 主催する#LightTheWayイベントが世界各地で開催されました。
ここニューヨークでは、ダグ・ハマーショルド広場が舞台となり、世界の著名な人道家、子ども・若者代表、ミュージシャン、宗教指導者、国連事務総長特別顧問などがステージに上がり、思い思いの「光」を手にした参加者と共に「行く手に光を!」「人々による、人々のための目標!」と声を挙げました。そして、これからの変革の主要な担い手として、世界16カ国を代表する子どもたちは、「今こそ、変革を」と英語、スワヒリ語、スペイン語で力強く呼びかけました。
期待と希望の熱気に包まれた空気。しかし、貧困、不平等、気候変動は、どれをとっても強い政治的意思や構造的課題への取り組みを抜きにしては解決不可能な難題であることも、広場に集まった人々は共有しています。果たして、どれだけの政治家や政策決定者の耳に、このかけ声は届いただでしょう。すべての人が尊厳を持って生きられる今と未来のために、そして地球の存続のために、これはただの始まりに過ぎません。決起集会を終えた人々は、これから取るべき行動、起こすべき変革への想いを新たに、それぞれの持ち場に戻っていきました。
(アドボカシー・マネージャー 堀江由美子)