(公開日:2015.10.29)
「モンゴルの子どもの権利に関する報告書」出版公開イベント
- モンゴル
皆様、こんにちは。モンゴル事務所の岡本です。9月25日、モンゴルの首都ウランバートル市内のホテルにて、セーブ・ザ・チルドレンを含む複数のNGOによる共催のもと行われた、子どもの権利に関わる報告書の公開イベントに参加してきました。同イベントの前日には関係者を招待した記者会見が行われ、当日は、政府・行政機関、国連や国内・国際NGO、そしてモンゴルの各地から子ども代表として招待された高校生たち、計100人以上が参加しました。
報告書公開イベントの前日の記者会見にて
報告書公開イベントの様子
(左側:国内NGO団体代表、右側:モンゴルの青年団体代表)
左側:NGOによるオルタナティブ・レポート
右側:子どもたちによる子どもの権利推進のためのオルタナティブ・レポート
レポートの内容作成のためにグループワークや議論をする高校生たち
イベントの最後に挨拶をする豊田事務所長
報告書公開イベントの前日の記者会見にて
報告書公開イベントの様子
(左側:国内NGO団体代表、右側:モンゴルの青年団体代表)
同イベントでは、2つのオルタナティブ・レポート(補足的な報告書)が紹介されました。子どもの権利条約批准国であるモンゴル政府は、5年毎に国連・子どもの権利委員会(UNCRC)に対して、同条約が推進する内容に基づいて、国内の活動をまとめ「政府報告書」として提出しています。今回のオルタナティブ・レポートは、この政府報告書を補足するものです。同レポートの特徴として、政府の報告書では網羅されていない点、子どもの権利が十分に守られていない事例などを中心に、NGOなどの市民団体と、高校生を中心とした子ども達が、政府とは違った切り口で、それぞれの視点から子どもの権利条約の履行状況を調査し、報告しているということが挙げられます。
今回作成されたオルタナティブ・レポートの一つ目は、44の国内NGOの代表が共同で作り上げた「NGOによるオルタナティブ・レポート」、そして二つ目は、モンゴルの各地で生活する中高校生たちの声を反映させて作成された、まさに「子どもたちによる子どもの権利推進のためのオルタナティブ・レポート」です。
今回作成されたオルタナティブ・レポートの一つ目は、44の国内NGOの代表が共同で作り上げた「NGOによるオルタナティブ・レポート」、そして二つ目は、モンゴルの各地で生活する中高校生たちの声を反映させて作成された、まさに「子どもたちによる子どもの権利推進のためのオルタナティブ・レポート」です。
左側:NGOによるオルタナティブ・レポート
右側:子どもたちによる子どもの権利推進のためのオルタナティブ・レポート
一つ目の、NGOによるオルタナティブ・レポートについては、教育、保健、福祉、障害、子ども保護、子ども参加など様々な分野に基づいて、子どもの権利にまつわる事例を挙げており、今回のイベントでも各NGO代表によって主なハイライトが紹介されていました。その中で強調されていたのは、都市部と農村部において、教育や保健などのサービスや設備の格差が大きい点、国民的な祝日ナーダムで開催される競馬において子どもが騎手となることについての問題点、児童労働に対する具体的な解決策が実施されていない点などが挙げられます。
二つ目の、子どもたちによる子どもの権利推進のためのオルタナティブ・レポートに関しては、モンゴル各地にから選ばれた108人の高校生が筆者となり、子どもの権利に関する問題点と解決策についてまとめ、更には国内各地に住む3,285人の子どもによる、家庭内、学校内、そして寄宿舎内における子どもの権利に関するアンケートの回答を反映させたものです。主なテーマとしては、一つ目のレポートと似通っている点がありますが、この報告書の意義としては、子どもの権利促進のために、実際の子どもたちの声が反映されているところです。今回のイベントに出席していた子どもたちのコメントで印象的だったのは、「次世代を担う我々が立ち上がって、実際に声を上げていかなければいけない。」や「自分たちの行ったこと(問題点と解決策の執筆)の責任の重さは理解しているつもりです。」などでした。
二つ目の、子どもたちによる子どもの権利推進のためのオルタナティブ・レポートに関しては、モンゴル各地にから選ばれた108人の高校生が筆者となり、子どもの権利に関する問題点と解決策についてまとめ、更には国内各地に住む3,285人の子どもによる、家庭内、学校内、そして寄宿舎内における子どもの権利に関するアンケートの回答を反映させたものです。主なテーマとしては、一つ目のレポートと似通っている点がありますが、この報告書の意義としては、子どもの権利促進のために、実際の子どもたちの声が反映されているところです。今回のイベントに出席していた子どもたちのコメントで印象的だったのは、「次世代を担う我々が立ち上がって、実際に声を上げていかなければいけない。」や「自分たちの行ったこと(問題点と解決策の執筆)の責任の重さは理解しているつもりです。」などでした。
レポートの内容作成のためにグループワークや議論をする高校生たち
各レポートの紹介の後で開かれた質疑応答では、参加者の質問やコメントが絶えず、時間があっという間になくなるといった盛り上がり様でした。参加者からの印象的なコメントとしては、「今回子どもたちが参加したことには非常に意義がある。今後いかなるプロジェクトを行う際も、裨益者である子どもたちを巻き込んで実施していくべきだと思う」というものがあり、またNGOからは、「今回もこのレポート作りだけに終わらず、このNGOネットワークを生かして、様々な活動を続けていきたい」といった今後の予定が述べられました。
イベントの最後には、セーブ・ザ・チルドレン・モンゴル事務所の豊田光明所長の挨拶にて、「今回のイベントで子どもを含めた多くの参加者が集まって議論を重ねたことは非常に意義のあることであり、全ての関係者に感謝したい。今後、政府の報告書とこれら2つのオルタナティブ・レポートは、国連・子どもの権利委員会(UNCRC)に提出され、専門家によって平等な視点で分析される予定である。これまで以上にモンゴルの子どもの権利が促進されることを願い、我々もそれに向けて努力を続けていく」旨が述べられました。
イベントの最後には、セーブ・ザ・チルドレン・モンゴル事務所の豊田光明所長の挨拶にて、「今回のイベントで子どもを含めた多くの参加者が集まって議論を重ねたことは非常に意義のあることであり、全ての関係者に感謝したい。今後、政府の報告書とこれら2つのオルタナティブ・レポートは、国連・子どもの権利委員会(UNCRC)に提出され、専門家によって平等な視点で分析される予定である。これまで以上にモンゴルの子どもの権利が促進されることを願い、我々もそれに向けて努力を続けていく」旨が述べられました。
イベントの最後に挨拶をする豊田事務所長
今後も、セーブ・ザ・チルドレン・モンゴル事務所は国内NGOと連携をして、子どもの権利推進に力を入れていく予定です。
(報告:モンゴル事務所 岡本 啓史)
(報告:モンゴル事務所 岡本 啓史)