(公開日:2016.02.15)
東日本大震災復興支援『宮城県石巻市の約8,000人の子どもたちの声』石巻市教育委員会との協働調査を実施
- プレスルーム
約6割が自分のまちの復興に関わりたい、約9割が災害への備えが大切と回答
あらためて復興・防災に係る子どもへの情報・機会提供の必要性が浮き彫りに
あらためて復興・防災に係る子どもへの情報・機会提供の必要性が浮き彫りに
子ども支援の国際NGO、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)と石巻市教育委員会は、2015年11月~12月にかけて、宮城県石巻市の約8千人の子どもたちに、東日本大震災後の地域の復興や防災に参加することについてどのように考えているのかを尋ねる意識調査を実施しました。本調査は、SCJの東日本大震災復興支援「子ども参加によるまちづくり事業“Speaking Out From Tohoku(SOFT)~子どもの参加でよ良いまちに!~”」の一環として、2011年から岩手県や宮城県の被災地域で実施してきた「子ども参加に関する意識調査」の継続調査です。今回は、震災後の石巻市立学校児童生徒の実態調査を行っている石巻市教育委員会とSCJが協働で実施し、「Hear Our Voice 10 ~子ども参加に関する意識調査2015~」として、平成27年度第3回石巻市学校防災推進会議(2月15日開催)にて発表します。
調査の結果、東日本大震災から5年が経過しようとしている今も、子どもたちの地域の復興・防災への意識は高いものの、復興・防災への具体的な情報や参加機会の提供が子どもにわかりやすい形で十分になされておらず、子どもたちが復興・防災に関わる環境が整っていないことが明らかとなりました。
「Hear Our Voice 10 ~子ども参加に関する意識調査2015~」調査概要
【目的】東日本大震災後の地域の復興や防災に、子どもが参加することについて、子ども自身がどのように認識しているかを把握するため
【地域】宮城県石巻市
【対象】地域内の学校(*東松島の高校を一部含む)に通う小学4年生~高校生、合計8,170人(小学校35校/3,441人、中学校20校/3,728人、高校9校/983人)
【方法】小中学校は教育委員会を経由し、文書箱にて送付。高校は直接送付。教師のガイダンスによる自記式で回答。特別支援学校については、必要に応じて教師のガイダンスを丁寧に行い、自記式で回答。
【期間】2015年11月4日~12月11日
あなたは、石巻市の復興にかかわりたいと思いますか?
調査結果から、約6割の子どもたちが「自分のまちの復興に関わりたい」と回答しており、子どもたちは積極的に復興に関わりたいという意思があることがわかりました。一方で関わりたくない子どもの理由として、「何をしたらいいのかわからない」「関わる機会がない」という子どもたちの率直な意見が得られました。これは2012年度、2014年度の調査結果と同様の傾向です。
復興に関わりたいと思う子どもの意思に反して、復興に関わるための具体的な情報や参加の機会が子どもにわかりやすい形で提供されていないため、震災から5年がたとうとしている現在でもなお、子どもたちが復興に関わることのできる環境が整っていないことが課題であることが浮き彫りになりました。
あなたは、災害に備えることが大切だと思いますか?
約95%の子どもたちが「災害に備えることが大切だ」と回答した一方で、「災害に備えている」と回答した子どもは約73%であり、災害に備えることへの意識は高いものの、それと比較すると、実際に備えているという子どもの割合が少ないことが分かりました。災害への備えができていない子どもたちの理由として、「何をしたらいいかわからない」「いそがしくて、時間がない」「おとながしてくれる」といった回答が多くありました。
子どもたちの災害の備えに対する意識は高いにも関わらず、災害に備えるための情報や機会が子どもに分かりやすい形で提供されていないという状況が明らかになりました。
子どもたち自身が地域の一員として復興に関わり、災害に備えることができるようにするために、復興や防災に関する具体的な情報や参加の機会を子どもにわかりやすい形で提供していくことが今求められています。
詳細は別添『Hear Our Voice 10 ~子ども参加に関する意識調査2015~』結果 (速報)をご参照下さい
本件に関するお問い合わせ先
公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報担当:田代範子
TEL: 03-6859-0011