学校に戻れない、フィジーの子どもたち ― 南半球最大規模のサイクロン直撃

「今のままでは、月曜日に学校が再開したとしても、何千人もの子どもたちが教室に戻ることは難しいでしょう。」セーブ・ザ・チルドレン・フィジー事務所代表、アイリス・ロー・マッケンジーは、フィジーの状況についてこのように指摘しています。



みなさんは、今週、サイクロンがフィジーを直撃したのを知っていますか?

2月20日から21日にかけて、同国に甚大な被害をもたらしたサイクロン「ウィンストン」。風速は、毎時325キロにものぼり、南半球で観測されたサイクロンとしては、史上最大規模となりました。現地メディアなどによると、25日までに40人以上が犠牲となり、その中には、少なくとも1人の子どもが含まれています。また、1万人以上の人々が、避難所での生活を余儀なくされています。フィジーでは、30以上の学校が、家を失った家族のための避難所として使用され、約80カ所の学校の建物は水没、損壊もしくは全壊しているそうです。いまだに正確な被害規模は判明しておらず、被災者は、いつ自宅に戻れるのか、全く分からない状況にあります。

こんな中、大半の学校は、月曜日から再開する予定なのですが、セーブ・ザ・チルドレンは、数千人の子どもたちが、実際に教室に戻ることは難しいと考えています。

ロー・マッケンジー事務所代表は、「私たちは、これまで緊急支援で培ってきた経験から、子どもたちが学校に戻るまでの時間が長くなればなるほど、学校を退学してしまう可能性が高まることを知っています。たとえ、きちんとした授業ができないとしても、教育は、この厳しい状況に直面している子どもたちが教師たちに支えられながら、安全な場所で学び、普段の生活を取り戻すきっかけを与えることができるのです」と話しています。

このため、セーブ・ザ・チルドレンでは、サイクロンの影響を受けた地域の子どもたちが、できるだけ早く学校に戻れるよう、仮設の教室を開設するための準備や、学用品を入れたかばんの提供などを行っていきます。




PAGE TOP

〒101-0047 東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4F