G7伊勢志摩サミットに向けたセーブ・ザ・チルドレンの提言と活動

世界で最も豊かな国々の首脳が年に一度集まり、地球規模の課題について話し合い、コミットメントや対処方針を発表するG7サミット。2016年のG7サミットは、日本が議長国となり、526日~27日に三重県志摩賢島で「伊勢志摩サミット」が開催されます。

今年のG7は、持続可能で公正な社会を目指して20159月に国連総会で合意された2030年までの世界目標「持続可能な開発目標(SDGs)」採択後、はじめてのG7となります。本サミットでは、世界経済・政治課題に加え、「気候変動・エネルギー」、「開発課題」、「質の高いインフラ投資」、「保健」、「女性」といったテーマが話し合われる予定です。SDGsは開発課題のメインテーマであると同時に、他の課題も包括するテーマとして、日本を含むG7各国首脳が、世界や人類の未来を左右するこの重要な目標に、いかにリーダーシップを発揮するかが注目されています。

こうした中、日本の市民社会は201511月にG7市民社会プラットフォームを立ち上げ、国際的な市民社会とも連携を進めてきました。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンもその一員として、最も貧しく脆弱な立場に置かれた子どもたちが政策や資金投入において優先されるよう、積極的に活動しています。



セーブ・ザ・チルドレンは、今年のG7における国際的な優先課題をSDGs、保健、および栄養に設定しています。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンはこれに「責任あるサプライ・チェーン」も加え、それぞれの課題に取り組む国内外の様々な団体やネットワークと共に、提言活動を行ってきました。以下、提言内容と活動を紹介します。

 

1.SDGs

G7各国首脳がSDGs達成への強いコミットメントを示し、国家実施計画を策定して政策や予算に反映すること、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を中心に据え、環境・社会・経済の三分野に統合的に取り組むこと、あらゆるレベルで包摂的な市民の参加を確保すること、などを明示的にコミットするよう求めます。

 

523-24日に三重県四日市市で開催される「市民の伊勢志摩サミット」にて、SDGsに関する分科会を関連ネットワークとの連携により開催予定です。

 

2.保健

G7各国首脳が、「すべての人が金銭的な困難を伴うことなく、必要かつ質の高い保健サービスにアクセスできること」を表すユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現に向けた明確なコミットメントを表明することを求めます。UHCに向けた取り組みが公的な資金により実施されるよう、国内における税制改革を通じた保健支出の増加、税逃れや不正な資金流出の減少への取り組みを進め、UHC達成に向けた国家保健計画の支援とアカウンタビリティ強化のための「UHCアライアンス」を支持することを求めます。

 

3.栄養

G7各国首脳が、「5億人を飢餓と栄養不良から救う」という2015年エルマウ・サミットでなされた約束の実現に向け、具体的な行動計画について合意すること、また2016年リオ・オリンピックの際に開催される栄養サミットその他の機会を活用し、栄養不良を終わらせるための新たな具体的な政策および資金コミットメントを行うことを求めます。さらに、栄養プログラムの計画、モニタリング、改善において市民が参加できる強固な説明責任メカニズムの確立を求めます。

 

<保健・栄養に関する提言書>

G7伊勢志摩サミットに向けたセーブ・ザ・チルドレンの要望書

Save the Children’s Call to Action for the G7 Ise-Shima Summit

 

変革のためのアジェンダ:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成に向けたG7伊勢・志摩サミットの役割

A Transformative Agenda: What the G7 needs to do for UHC

 

Letter from participants of the G7 Civil Society Taskforce which met in Rome (1-2 February 2016) to members of the G7 Health Experts Working Group meeting in Tokyo (18-19 February2016) (英文・和文)

 

G7伊勢・志摩サミットの保健アジェンダに関する提言

Civil Society Recommendations on Health Agenda Items to be discussed at the G7 Ise-Shima Summit 2016

 

Ise-Shima Summit 2016: Food Security and Nutrition Recommendations

 

4.責任あるサプライ・チェーン

2015年エルマウ・サミットで議論された「責任あるサプライ・チェーン」が伊勢志摩サミットの議題に含まれていないことを懸念し、世界のサプライ・チェーンで続いている深刻な人権侵害と環境破壊に対して、伊勢志摩サミットで効果的な議論が展開されることを求めます。G7各国首脳がエルマウ・サミットでの透明性の向上、人権リスクの特定と予防、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」の促進などの約束を実行するための具体的措置をとることを求めます。

 

<責任あるサプライ・チェーンに関する提言書>

G7伊勢志摩サミット:G7各国はビジネスと人権に対する取り組みの強化を

Civil society calls on G7 countries to renew commitment to business and human rights at Ise-Shima Summit

 

G7伊勢・志摩サミットの「責任あるサプライ・チェーン」アジェンダに関する提言

Proposal for G7 Ise-Shima Summit Agenda on “Responsible Supply Chains”

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