シリア危機 緊急支援レポート 2015年11月

2011年3月に始まったシリア危機。この紛争の影響でシリア国内や周辺国で避難生活を送る子どもたちに対し、セーブ・ザ・チルドレンは教育や衛生など様々な面で支援を行っています。これまでにシリア国内、そしてレバノン、ヨルダン、イラク、エジプトで3,518,934人(内、子ども2,246,085人)の人々を支援しました。しかし支援のニーズは増え続けており、さらなる資金が必要です。

2015年11月17日現在の、セーブ・ザ・チルドレンの支援活動をご報告します。

シリアからヨルダンに逃れて暮らす親子


<教育>

半数以上の学校が攻撃の被害に遭ったシリアでは、北部地域の34,500人の子どもたちに対し、学校で学び続けられるよう支援しました。ヨルダン、レバノン、イラクでは、シリアから逃れてきた子どもたちや若者に対して臨時学習所を開設して、代替教育の場を提供しています。また、通学バッグや制服、学費等を、必要とする子どもたちに提供しました。


<保護>

紛争により子どもたちは心理的に大きなストレスを抱えています。子どもたちが日常を取り戻せるよう、安心して遊んだり学んだりすることができる「こどもひろば」を各地で運営しています。シリアでは16ヵ所で開設し、避難キャンプでの「移動式こどもひろば」も運営しています。


<保健・栄養>

薬や栄養値の高い食料の不足で、子どもたちは栄養失調や病気の危機にさらされています。ヨルダンの難民キャンプでは乳幼児への適切な栄養支援を実施するほか、エジプトとシリアではA型肝炎やポリオのワクチン接種を実施。シリア北部では5つの保健・医療施設を支援し、内1施設では妊産婦への24時間緊急医療を提供しています。これらの施設には毎週約3500人の患者が訪れ、毎週約100人の赤ちゃんが誕生しています。


<シェルター、生活必需品>

氷点下の冬を迎える中、多くの難民・国内避難民が冬服や毛布、暖房器具、そして寒さをしのげる場所を必要としています。セーブ・ザ・チルドレンはシリア周辺国で冬服や毛布、防水シート、ビニールシート等を配布。また様々な団体と協力し、シリア北部では防寒用品や台所用品、衛生用品などの必需品を145,000人に届けてきました。


<食料・生計>

深刻な食料不足に直面する人々に対し、ヨルダンの難民キャンプでは毎月533トンの食料支援を実施。またレバノンやエジプトでは、社会スキル・専門スキル研修の機会を提供することで、将来的な雇用に繋げる支援を実施しています。シリア北部では、農業に必要な機材や種を購入する支援をし、人々が農業で生計を立てられるよう支える活動を始めています。


<水・衛生>

子どもたちを病気から守るためには、きれいな水と衛生的な環境が不可欠です。セーブ・ザ・チルドレンはシリアと周辺国で、衛生に関する啓発活動を実施。レバノンでは排水設備や水、トイレを提供しています。シリア国内では、水道設備の再建や水の提供、トイレの設置などを通し、約13万人に支援を届けてきました。


詳しくはこちらの報告書(英語)をご覧ください。

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