(公開日:2016.08.25)
地中海で難民や移民の「捜索救助船」を始動
- 地中海「捜索救助船」
セーブ・ザ・チルドレンは、紛争や迫害、極度の貧困を逃れ、地中海で危険な航海を試みる難民や移民の子どもたちやその家族を救助するため、9月から2017年12月までの15ヶ月間、およそ300人を収容できる捜索救助船の運航を開始します。
今年1月以降、地中海を渡った難民や移民の子どもの数は、昨年同期間と比べ約1.7倍に上ります。また、航海中に死亡した人は3,000人以上で、この死亡者数は、昨年同期間の1.4倍となり、そのほとんどは、北アフリカからイタリアへの航海中に起きています。
セーブ・ザ・チルドレンは、過去8年にわたり、イタリア沿岸へ地中海を航海してくる難民や移民を支援してきましたが、航海中に亡くなる人の増加に対応するため、今回の捜索救助船の運航を決定しました。イタリアの海域における全捜索救助活動の調整を担う、イタリア沿岸警備隊との協力の下、カターニアの港をベースに活動します。
船には、2隻の膨張式ボートを装備。専門救助員が、転覆や沈没によって海に投げ出された人々の救助を行います。船上で待機するセーブ・ザ・チルドレンの人道支援の専門家チームが、救助された人々に食料や水、医療などの基本的支援を提供する他、通訳や異文化間の橋渡しの役割を担う文化的仲裁者が、人々のニーズを正しく把握すると同時に、共感のあるコミュニケーションを通じて、これから起こりうる状況について、丁寧な説明を行います。
セーブ・ザ・チルドレンの船上スタッフはまた、子どもたちが安全に過ごせる場所を確保して、心理的応急処置などの支援を行いながら、イタリア到着後に適切な支援を受けられるよう、関係各所との調整を行います。2016年、地中海を渡ってイタリアに到着した子どもの9割は保護者の同伴がなく、その数は昨年同期間の2倍となっていることから、この調整はとても重要な作業です。
アフリカ大陸では、紛争や迫害、極度の貧困が子どもたちの生命を脅かし、中東では、凄惨な暴力を伴う紛争が続いています。現在、世界では6,000万人以上の人々が住む場所を追われていますが、状況が改善する見込みは薄く、子どもたちは、安全とより良い未来を求めて、全てを失うリスクを冒し続けなければなりません。
難民や移民の多くは、イタリアにたどり着くまでの長い道のりの中で、飢えや武装勢力による虐待、徒歩による砂漠の横断、レイプ、拷問などの恐ろしい経験をしています。中でも、保護者の同伴のない子どもたちは、最も脆弱な状況に置かれています。そうした子どもたちに対しては特に、イタリア到着後は、子どもたちが子どもらしさを取り戻すことができるよう、安全で、衣食住や教育などの基本的ニーズが満たされ、精神保健の支援が受けられる、適切な受け入れ先につなぐことが必要となります。
「子どもたちは、何をおいても守られなければなりません。どこから逃れてきたのかといった背景とは関わりなく、子どもたちには安全に過ごす権利があり、私たちには、子どもたちとその家族を保護する義務があります。人々が難民や移民となり、危険な航海をするに至った原因は、複雑で様々な要因が関係していますが、セーブ・ザ・チルドレンの活動は、子どもたちが溺死するような状況は止めなければならないという、シンプルな動機によるものです。」セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長ヘレ・トーニング=シュミットは言います。
「世界の首脳は、難民の再定住枠を増やし、移民に対する人道ビザの適用を推進するべきです。9月にニューヨーク国連本部で開催される、オバマ大統領が共催する移民に関する首脳サミットは、政治的決断をする絶好の機会です。世界は、紛争や極度の貧困、人権の侵害、気候変動など、人々を移民へと駆り立てる要因を解決するための長期的な戦略を必要としています。密航業者を取り締まったところで、生きるために住む場所を離れざるを得ない人々の状況は変わりません。移民の出身国や通過国で、産業や教育を活性化するための投資を増やし、移民という危険を伴う選択の代わりに、国にとどまる選択ができるような状況を創出するべきです。」
<セーブ・ザ・チルドレンの難民・移民支援活動>
セーブ・ザ・チルドレンは、難民や移民の出身国、通過国、目的国のすべての道のりで、子どもやその家族を支援する活動を展開しています。活動の内容は、食料や水、医療などの基本的支援、緊急支援物資の提供、子どもの保護、子どもの権利の啓発活動など多岐にわたります。
今年1月以降、地中海を渡った難民や移民の子どもの数は、昨年同期間と比べ約1.7倍に上ります。また、航海中に死亡した人は3,000人以上で、この死亡者数は、昨年同期間の1.4倍となり、そのほとんどは、北アフリカからイタリアへの航海中に起きています。
セーブ・ザ・チルドレンは、過去8年にわたり、イタリア沿岸へ地中海を航海してくる難民や移民を支援してきましたが、航海中に亡くなる人の増加に対応するため、今回の捜索救助船の運航を決定しました。イタリアの海域における全捜索救助活動の調整を担う、イタリア沿岸警備隊との協力の下、カターニアの港をベースに活動します。
船には、2隻の膨張式ボートを装備。専門救助員が、転覆や沈没によって海に投げ出された人々の救助を行います。船上で待機するセーブ・ザ・チルドレンの人道支援の専門家チームが、救助された人々に食料や水、医療などの基本的支援を提供する他、通訳や異文化間の橋渡しの役割を担う文化的仲裁者が、人々のニーズを正しく把握すると同時に、共感のあるコミュニケーションを通じて、これから起こりうる状況について、丁寧な説明を行います。
セーブ・ザ・チルドレンの船上スタッフはまた、子どもたちが安全に過ごせる場所を確保して、心理的応急処置などの支援を行いながら、イタリア到着後に適切な支援を受けられるよう、関係各所との調整を行います。2016年、地中海を渡ってイタリアに到着した子どもの9割は保護者の同伴がなく、その数は昨年同期間の2倍となっていることから、この調整はとても重要な作業です。
アフリカ大陸では、紛争や迫害、極度の貧困が子どもたちの生命を脅かし、中東では、凄惨な暴力を伴う紛争が続いています。現在、世界では6,000万人以上の人々が住む場所を追われていますが、状況が改善する見込みは薄く、子どもたちは、安全とより良い未来を求めて、全てを失うリスクを冒し続けなければなりません。
難民や移民の多くは、イタリアにたどり着くまでの長い道のりの中で、飢えや武装勢力による虐待、徒歩による砂漠の横断、レイプ、拷問などの恐ろしい経験をしています。中でも、保護者の同伴のない子どもたちは、最も脆弱な状況に置かれています。そうした子どもたちに対しては特に、イタリア到着後は、子どもたちが子どもらしさを取り戻すことができるよう、安全で、衣食住や教育などの基本的ニーズが満たされ、精神保健の支援が受けられる、適切な受け入れ先につなぐことが必要となります。
「子どもたちは、何をおいても守られなければなりません。どこから逃れてきたのかといった背景とは関わりなく、子どもたちには安全に過ごす権利があり、私たちには、子どもたちとその家族を保護する義務があります。人々が難民や移民となり、危険な航海をするに至った原因は、複雑で様々な要因が関係していますが、セーブ・ザ・チルドレンの活動は、子どもたちが溺死するような状況は止めなければならないという、シンプルな動機によるものです。」セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長ヘレ・トーニング=シュミットは言います。
「世界の首脳は、難民の再定住枠を増やし、移民に対する人道ビザの適用を推進するべきです。9月にニューヨーク国連本部で開催される、オバマ大統領が共催する移民に関する首脳サミットは、政治的決断をする絶好の機会です。世界は、紛争や極度の貧困、人権の侵害、気候変動など、人々を移民へと駆り立てる要因を解決するための長期的な戦略を必要としています。密航業者を取り締まったところで、生きるために住む場所を離れざるを得ない人々の状況は変わりません。移民の出身国や通過国で、産業や教育を活性化するための投資を増やし、移民という危険を伴う選択の代わりに、国にとどまる選択ができるような状況を創出するべきです。」
<セーブ・ザ・チルドレンの難民・移民支援活動>
セーブ・ザ・チルドレンは、難民や移民の出身国、通過国、目的国のすべての道のりで、子どもやその家族を支援する活動を展開しています。活動の内容は、食料や水、医療などの基本的支援、緊急支援物資の提供、子どもの保護、子どもの権利の啓発活動など多岐にわたります。