写真が紡ぐ、セネガルの少女たちの物語


今、とても勢いのある写真家・アーティスト、デルフィーヌ・ディアロ氏はこのほど、国際ガールズデー(毎年10月11日)に合わせ、女性の性的搾取や性暴力をテーマにした新作を発表しました。写真が撮影されたのは、セネガルの首都ダカールにある、女性や少女たちのための一時保護施設「ラ・メゾン・ローズ」。セーブ・ザ・チルドレンが運営を支援する施設です。

フランス系セネガル人のディアロ氏は、ラ・メゾン・ローズでワークショップを開催。参加者は、切り抜きでコラージュを制作しました。ディアロ氏は、撮影した少女たちの写真のフレームに、そのコラージュを使用し、彼女たちの人生の物語の要素を取り入れました。作品では、女性や少女たちが個人的に体験した暴力だけでなく、世界中の女性たちが日常的に直面している暴力についても、伝えています。

作品について、同氏は、次のように語っています。
「私は、写真とコラージュを組み合わせて、このプロジェクトを行いたかったのです。時に写真は、物語を伝えるには少々単純だと思われます。しかし、参加者は、コラージュを作成する過程で自らをコントロールし、自分らしさを確かめることのできる参加型のプロジェクトになりました。」

「ワークショップの間、部屋に充満するエネルギーはとても強力でした。多くの女性たちは、これまで多くの苦しみを経験しており、彼女たちが生み出す作品は全て、とても個人的な思いを強く感じました。何人かは、死と痛みのイメージを融合させながらも、とても美しいコラージュをつくっていました。表現豊かな彼女たちにとって、このワークショップが癒しの助けになればと願っています。」




「ラ・メゾン・ローズは色彩豊かで、とても穏やかな場所です。子どもたちは楽しそうに走り回っています。女性や少女たちが、くつろぎ、癒され、そして、前向きな未来をつくることができる、まるで天国のような場所でした。世界中どこに行っても、女性の強さと回復力にはいつも驚かされますが、ここでも同じものを感じました。ラ・メゾン・ローズは、私の創造性を大いに刺激しました。ここで感じた思いが、作品を通して伝わることを願っています。」

セーブ・ザ・チルドレンのセネガル事務所代表、ボンジー・マトゥラン医師は、「ラ・メゾン・ローズは、ダカールやその周辺地域から来た、とても傷つけられやすい立場にある女性や少女たちの支援や癒しのために、非常に大きな成果を上げています。彼女たちの多くが、ただ女性に生まれたというだけで、想像を絶するような暴力や搾取、虐待の被害に苦しんでいます。私たちは、ディアロ氏の作品を通じて、女性への暴力根絶の必要性について、セネガルだけでなく、世界中に広まることを願っています。」

セーブ・ザ・チルドレンではこのほど、報告書「Every Last Girl: Free to live ,free to learn, free from harm」(「少女たちを誰一人取り残さない:自由に生き、学び、傷つけられることのないために」)を発表しました。報告書では、世界中の少女たちが直面する危機について伝えています。また、児童婚、学校教育、10代の妊娠、妊産婦死亡率、女性国会議員の数といった項目をもとに、少女たちにとって最も住みやすい/住みにくい国はどこかをランキング形式で示しています。

このランキングでセネガルは、世界の144ヶ国中98位。女性の国会議員数は、アフリカの中で2番目に高い一方、少女の3分の1が18歳を迎える前に結婚し、15歳から49歳の4分の1が、女性器切除を経験しているといいます。国連は、女性や少女たちに対する身体的および社会的な性差別は、国内全域で大きな問題となっていると伝えています。

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「ラ・メゾン・ローズ」とは
ラ・メゾン・ローズは、セネガルのパートナー団体が運営する一時保護施設。状況に応じて、数週間から数カ月にわたり約50人が居住できます。現在の居住者の年齢は、12歳から20代後半で、多くは子どもがいます。セーブ・ザ・チルドレンは、このパートナー団体を支援しています。

ラ・メゾン・ローズは、家庭内暴力や性暴力、搾取や人身売買、路上生活に陥った少女、女性たちに対して、生活再建や社会復帰に必要な支援を提供しています。居住者は、医療やカウンセリング、法律相談などが受けられるだけでなく、ヨガやアートのワークショップ、園芸などを通した心理的サポートも受けることができます。ラ・メゾン・ローズでは、施設を離れた後も、就職相談や職業訓練などの面で、彼女たちを支えています。


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