海上の「恐怖の24時間」で母親を失った幼い子どもたち

セーブ・ザ・チルドレンは、紛争や迫害、極度の貧困を逃れ、地中海で危険な航海を試みる難民や移民の子どもたちやその家族を救助するため、捜索救助船を運航しています。

10月に救助した人々の中に、北アフリカからヨーロッパへの海上で母親を亡くした、2人の幼い兄弟がいました。この兄弟には他に付き添いの大人がいなかったため、セーブ・ザ・チルドレンの専門チームが保護しました。

生存者の話によると、北アフリカ沿岸で270人近くを乗せていた2隻のゴムボートが転覆。その約24時間後に救助されるまでに、240人以上の人たちが溺死し、水中から救助されたのは、この子どもたちを含むわずか29人でした。


セーブ・ザ・チルドレンの捜索救助船「ボス・ヘスティア」のチームリーダーであるロジャー・アロンソは言います。

「ボートが転覆してから救助されるまでの24時間の間に、この2人の幼い兄弟は、母親が想像を絶する状況で亡くなるのを目の前で見るという経験をしました。また、救助された人の中には、子どもを亡くして言葉を発せなくなっている母親もいます。子どもを残して亡くなった母親も、子どもを亡くした母親も、子どもたちの未来に希望を求め、命を懸けて海を渡る決心をしたのです。私たちのチームは、こうした子どもたちへの心のケアをはじめ、できうる限りの支援を提供する努力をしています。」

また、海を渡る人々の中には、妊娠中の女性も存在します。エリトリア出身の妊娠8ヶ月の女性(27歳)を、セーブ・ザ・チルドレンは緊急医療体制のもと、船とヘリコプターで救助。彼女は病院へ緊急搬送され、その夜無事に男児を出産。現在、健康に過ごしています。


2016年、すでに4100人以上の人々が、北アフリカからヨーロッパをめざして地中海を渡る中で、命を落としました。この数字は、地中海を渡る人の死者数として記録上最多です。

セーブ・ザ・チルドレンは、EUに対し、再定住や人道ビザの発給など、難民や移民が安全で合法的にヨーロッパに移動できる制度の提供を通じ、とりわけ子どもたちに最低限の保護を保証するよう要請しています。
同時にセーブ・ザ・チルドレンは、これまでに200人以上の子どもを含む1300人以上を救助し、これ以上の命が海で失われるのを防ぐための活動を続けています。

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