(公開日:2018.08.02)
「子どものための心理的応急処置」紹介研修を大阪市学童保育連絡協議会で開催
- 日本/災害時における心理社会的支援
2018年5月26日に、大阪市学童保育連絡協議会主催による「子どものための心理的応急処置(Psychological First Aid for Children:子どものためのPFA)*」紹介研修が開催され、放課後児童支援員(学童保育指導員)など25人が参加しました。
「子どものためのPFA」についてセーブ・ザ・チルドレンの現場からの事例を基に学ぶ放課後児童支援員の皆さん
同会は毎年5月に、「安心・安全のための勉強会」を実施しています。今年は、万が一災害があった時に備えるため、被災した直後の子どもの反応や行動、対処方法について学びたいとのことで、「子どものためのPFA」紹介研修を行うことになりました。
地震や事故などの危機的な出来事に直面した子どもたちは、普段と違うさまざまな反応や行動を示します。例えば、強いストレスを抱えると、泣き叫ぶ子どもがいる一方、感情を全く示さなくなる子もいます。そんなストレスを抱えた子どものこころを傷つけずに対応するための手法が、「子どものためのPFA」です。
研修では、現場での支援活動経験を持つセーブ・ザ・チルドレンの職員が、東日本大震災や熊本地震での経験を伝えました。また、危機的状況下でストレスを抱えた子どもとのコミュニケーションについて紹介し、ロールプレイに取り組みました。支援員の皆さんからは、「ロールプレイで子ども役や支援者役になることで、緊急下の子どもや支援者の気持ちについて改めて考えるきっかけになりました」との意見が出ました。
また、災害時の持ちだし袋の中身や防災訓練について紹介した時には、「ビニール袋を使ってカッパを作ったり、紙でコップをつくるなど、子どもが「なるほど!!」と気がつく訓練はいいなと思いました」という感想もありました。避難所という、空間や物が限られた中で、子どもたちができる遊びについては、セーブ・ザ・チルドレンのウェブサイトで紹介しています。
地震や事故などの危機的な出来事に直面した子どもたちは、普段と違うさまざまな反応や行動を示します。例えば、強いストレスを抱えると、泣き叫ぶ子どもがいる一方、感情を全く示さなくなる子もいます。そんなストレスを抱えた子どものこころを傷つけずに対応するための手法が、「子どものためのPFA」です。
研修では、現場での支援活動経験を持つセーブ・ザ・チルドレンの職員が、東日本大震災や熊本地震での経験を伝えました。また、危機的状況下でストレスを抱えた子どもとのコミュニケーションについて紹介し、ロールプレイに取り組みました。支援員の皆さんからは、「ロールプレイで子ども役や支援者役になることで、緊急下の子どもや支援者の気持ちについて改めて考えるきっかけになりました」との意見が出ました。
また、災害時の持ちだし袋の中身や防災訓練について紹介した時には、「ビニール袋を使ってカッパを作ったり、紙でコップをつくるなど、子どもが「なるほど!!」と気がつく訓練はいいなと思いました」という感想もありました。避難所という、空間や物が限られた中で、子どもたちができる遊びについては、セーブ・ザ・チルドレンのウェブサイトで紹介しています。
■避難所でもできる遊びの紹介~遊びながら作ろう~
この紹介研修から約3週間後、大阪北部で地震が発生しました。地震が起こった2日後に、大阪市学童保育連絡協議会から、「子どものためのPFA」紹介研修で学んだスキルを実践して使うことができ、非常に役立ったと連絡がありました。7月19日にも、再度、このような緊急時に、学童保育では子どもにどう対応するのかについて学ぶため、大阪学童保育連絡協議会主催による「子どものためのPFA」紹介研修が開催されました。
7月19日に開催した研修には80人の放課後児童支援員などが参加し、セーブ・ザ・チルドレンの職員と日頃から「子どものためのPFA」普及に向け連携している災害医療支援機関より精神科医の緑川大介先生(厚生労働省DPAT)が、災害時における一般的なストレス反応、子どもの認知発達段階別のストレス反応、「見る、聴く、つなぐ」というPFAの行動原則、とりわけ「聴く(傾聴)」のポイントや一人で問題を解決しようとせず専門家に「つなぐ」大切さなどを伝えました。
参加者からは、「先日の地震後に、子どもたちが地震のごっこ遊びを始めていたが、どう対応すればよいかわからなかった。今回の研修に参加して、そんな子どもに対して、どのように対応すればよいか、とてもよくわかった」「何となくしか知らなかったことについて、何に対してどうしたら良いのかを具体的に学ぶことができた」といった感想が挙がりました。
研修を終えた大阪市の放課後児童支援員の皆さん
この紹介研修から約3週間後、大阪北部で地震が発生しました。地震が起こった2日後に、大阪市学童保育連絡協議会から、「子どものためのPFA」紹介研修で学んだスキルを実践して使うことができ、非常に役立ったと連絡がありました。7月19日にも、再度、このような緊急時に、学童保育では子どもにどう対応するのかについて学ぶため、大阪学童保育連絡協議会主催による「子どものためのPFA」紹介研修が開催されました。
7月19日に開催した研修には80人の放課後児童支援員などが参加し、セーブ・ザ・チルドレンの職員と日頃から「子どものためのPFA」普及に向け連携している災害医療支援機関より精神科医の緑川大介先生(厚生労働省DPAT)が、災害時における一般的なストレス反応、子どもの認知発達段階別のストレス反応、「見る、聴く、つなぐ」というPFAの行動原則、とりわけ「聴く(傾聴)」のポイントや一人で問題を解決しようとせず専門家に「つなぐ」大切さなどを伝えました。
参加者からは、「先日の地震後に、子どもたちが地震のごっこ遊びを始めていたが、どう対応すればよいかわからなかった。今回の研修に参加して、そんな子どもに対して、どのように対応すればよいか、とてもよくわかった」「何となくしか知らなかったことについて、何に対してどうしたら良いのかを具体的に学ぶことができた」といった感想が挙がりました。
研修を終えた大阪市の放課後児童支援員の皆さん
*子どものためのPFAとは
「子どものためのPFA」は、世界保健機関(WHO)などが作成したPFAマニュアルをもとにセーブ・ザ・チルドレンが2013年に開発した、子どもの認知発達段階の特性にあわせて、災害時にストレスを抱えた子どものこころを傷つけずに対応するための手法です。PFAの手法は、『スフィア・プロジェクト~人道憲章と人道対応に関する最低基準』や『災害・紛争等緊急時における精神保健・心理社会的支援に関する IASC ガイドライン』(機関間常設委員会(IASC)、2007)などのグローバルガイドラインにおいて、人道支援従事者が受けるべきトレーニングとして位置付けられています。日本でもここ数年、災害支援に携わる関係者の中で関心が高まっています。
「子どものためのPFA」は、世界保健機関(WHO)などが作成したPFAマニュアルをもとにセーブ・ザ・チルドレンが2013年に開発した、子どもの認知発達段階の特性にあわせて、災害時にストレスを抱えた子どものこころを傷つけずに対応するための手法です。PFAの手法は、『スフィア・プロジェクト~人道憲章と人道対応に関する最低基準』や『災害・紛争等緊急時における精神保健・心理社会的支援に関する IASC ガイドライン』(機関間常設委員会(IASC)、2007)などのグローバルガイドラインにおいて、人道支援従事者が受けるべきトレーニングとして位置付けられています。日本でもここ数年、災害支援に携わる関係者の中で関心が高まっています。