新型コロナウイルス感染症 アフリカで感染者1万人に

アフリカで、新型コロナウイルス感染症の感染者数が4月7日に1万人にのぼりました。セーブ・ザ・チルドレンは、この新型ウィルスの感染拡大によって、アフリカで最も脆弱な立場に置かれた子どもたちとその家族が、すでに深刻な影響を受けており、また、今後状況は悪化していくと警鐘を鳴らします。


感染拡大予防のため手洗い方法などを伝えるセーブ・ザ・チルドレンのスタッフ(ソマリア)

アフリカ各国の政府は、これまでも感染拡大防止策を講じてきました。しかし、新型コロナウイルスは同大陸でさらに猛威を奮い、3月13日以降感染者数は飛躍的に増加し、この1週間でアフリカでの感染者数は5,000人から1万人に倍増しました。

5日に南スーダンで初めて感染者が確認されてから、アフリカ諸国で感染者が確認されていない国は、レソト、コモロ、サントメ・プリンシペの3ヶ国のみとなっています(4月8日現在)。

アフリカ各国政府は、新型コロナウイルス感染症拡大防止に注力し、さまざまな制限を強化していますが、すでに日々の生活が困難な家族に偏った影響をおよぼしています。 世界の大半の地域とは異なり、アフリカ諸国では、社会保障の適用を受けている人は非常に限られているか、あるいは、制度そのものが存在しません。 国際労働機関(ILO)によると、アフリカ大陸で、社会保障として現金給付を受けている人は全体の17.8%にすぎず、また、社会保障制度の恩恵を受けることができる人たちは、労働力人口の10%程度しかいません。

アフリカ全土で、子どもたちとその家族は、10年にわたり気候変動や食料危機などの深刻な影響を受けてきました。私たちは、新型コロナウイルス感染症対策として、移動の制限や市場の閉鎖により、家庭の収入が減り、食料や燃料などの購入が難しくなるだろうと懸念しています。とくに、収入の減少は、最貧の中にある家族にとって、家賃の支払いか、子どもたちへの食事かの選択をせざるを得ないほどの影響をおよぼすでしょう。


また、在宅勤務や自主隔離しながら収入を得ることは困難な日雇い労働などで生計を立てている家族も、貯蓄に頼って生活するしかなく、自宅にある食料や燃料などの備蓄を使い果たしてしまう可能性が高まっているのです。

セーブ・ザ・チルドレンは、この世界的な危機のなか、およそ100億円規模の緊急子ども支援を開始し、すべての子どもたち、特に脆弱な状況にある子どもたちを守るために、迅速に活動を行っていきます。新型コロナウイルス感染症 緊急子ども支援はこちら

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