新型コロナウイルス感染症 全国の学童保育への支援-子どもたちが安心して学童保育で過ごせるように

全国には、2万5000ヶ所以上に放課後児童クラブ(学童保育)があります。3月の学校休校、4月の緊急事態宣言発出というなかで、働く保護者などを支え、子どもが安全で安心して過ごせる場を提供する役割を持つ学童保育は、さまざまな困難に直面してきました。


活動支援金で購入したゲームで早速遊ぶ子どもたち(沖縄県)

閉室となった学童保育がある一方、医療従事者やひとり親の世帯など、やむを得ない場合に限って子どもを預かるといった対応もありました。また、開室している学童保育では、休校となったために朝から子どもたちを受け入れ、厳しい感染予防の基準維持に努めながら運営を続けていました。

こうした学童保育を支援しようと、セーブ・ザ・チルドレンは、新型コロナウイルス感染症拡大下における緊急支援として、2020年4月16日から全国の放課後児童クラブ(学童保育)を対象に活動支援金の提供を開始しました。募集開始直後から多くの申請があり、合計250の学童保育に活動支援金を提供しました。多くの学童保育から「助かった」という声が届きました。


福島県の学童保育

活動支援金の使途では、感染症予防のために必要なマスク、アルコール消毒液、ハンドソープなど衛生用品の購入はもちろんのこと、子どもたちを朝から預かる長時間保育になるため、子どもが飽きないために、かつ物理的距離をとるために適したさまざまな遊具や文具などの購入が多くありました。

例えば、室内では工作用のカラーペンや色鉛筆、ボードゲーム、トランポリン、書籍や学習ドリル、屋外用では一輪車や竹馬、ボールやグローブ、バドミントンのラケットなど、それぞれの学童保育の環境にあわせ、指導員の皆さんが苦心している状況が申請から伺えました。タブレットを購入し、動画配信の体操や学校のオンライン授業を子どもたちと一緒に観ようと考えている学童保育もありました。

「子どもたちが安心して学童で過ごせるように」「ちがった遊具で少しでも子どもたちのストレスを減らしたい」という支援員の皆さんの思いも、申請フォームにはたくさん書かれていました。

一方、平時であれば放課後からの開室のところ、休校や分散登校措置によって朝からの開室を余儀なくされ、支援員やアルバイトの勤務のやりくりに困難を抱える学童保育も多数ありました。長時間の労働に加え、通常より衛生管理や子どもの体調に注意しなければならず、「見通しの立たない、いつまで続くかわからないという状況」で支援員のストレスや心労を危惧する声も。セーブ・ザ・チルドレンでは、子どもや子どもを見守る支援員のこころのサポートとして、「子どものための心理的応急処置(PFA)」や、企業と連携した衛生管理のオンライン講座も近く開始する予定です。

そして、5月25日、政府は1都3県と北海道の緊急事態宣言を解除、これにより全国の緊急事態宣言はおよそ1ヶ月半ぶりにすべて解除されました。しかし、新型コロナウイルス感染症予防のために、引き続き活動の制限や衛生管理の徹底が求められています。

セーブ・ザ・チルドレンは、新型コロナウイルス感染症対策下で、子どもや子どもを支援する大人の安全・安心を確保するため、今後もさまざまな支援を展開していきます。
私たちの活動は、皆さまからのご寄付で支えられています。国内外でさらに多くの子どもたちへ支援を届けるために、新型コロナウイルス感染症 緊急支援へのあなたのご寄付が必要です。

今回、活動支援金を提供した学童保育から届いた声の一部を紹介します。


「子どもたちが長い時間毎日学童で過ごすので、一人になれる時間を作ってあげたいと思い、一人用のテントを購入しました」(熊本県)

「学校がお休みになり、高学年は宿題はいつも以上に出されているので、そのサポートになるよう、国語辞典、その他辞書などを購入しました。逆に低学年は宿題も少ないので、長期休校の中でも学童で勉強を進められるよう子ども用ドリルを購入。学童も学習の時間を増やし子どもたちも頑張って勉強しています」(岡山県)

「不安な状況は確かに続いていますが、保護者の方も、極力時短で子どもを預けたり、不要な日は預けないようにしたりと、学童側、保護者が、ともに協力しながら頑張ってやっています」(北海道)

「子どもたちの様子はそこまで大きな変化はありませんが、支援員、スタッフとしてはやはり、感染が怖いです。感染予防のため、換気を徹底したり、外遊びも積極的に取り入れています」(埼玉県)


(報告:東京事務所 川上園子)
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