新型コロナウイルス感染症 東京都23区内のひとり親家庭2割が収入ゼロ、9割が現金給付を要望 「ひとり親家庭応援ボックス」申込結果から

セーブ・ザ・チルドレンは、新型コロナウイルス感染症緊急子ども支援として5月下旬に実施した「ひとり親家庭応援ボックス」(食料品や遊具の提供)利用世帯が申込時に回答した生活状況に関する項目の結果を発表しました(回答件数310世帯)。その結果、収入がゼロになったと回答した世帯は全体の2割、収入が5割以上減少したと回答した世帯は、全体の約6割にのぼることが明らかになりました。


申込結果はこちら



応援ボックス利用世帯のうち、約6割の世帯の収入が半分以上減少、約2割は収入がゼロに




応援ボックス利用世帯には、具体的な年収や月収について質問しませんでしたが、国の調べでは、母子世帯の平均年収は243万円、父子世帯は420万円となっており、今回の応援ボックス利用家庭のなかで収入が5割以上減ったと回答した世帯では、1ヶ月あたり10万円程度、あるいはそれ未満の収入まで落ち込んでいると推定されます。収入が減少した一方、休校や外出自粛などにより自宅での時間が増えたことで食費や光熱費の支出が増加しており、感染症の影響により、非常に厳しい状況で生活せざるを得ないひとり親家庭の実態が浮き彫りになったといえます。


さらに、こうした状況にある家庭が、現在、どのような支援を必要としているか質問したところ、9割が現金給付と回答し、具体的な金額を示した世帯の約4割が1ヶ月に5万円以上7万5千円未満必要だと答えました。


応援ボックス利用世帯のうち、9割が現金給付を希望


国による一律10万円給付や、ひとり親世帯への臨時特別給付金の実施が進む一方で、1回限りの給付金で今後の生活を支えていけるか心配という声もあり、中長期的な視点で対策を進める必要があるほか、今すぐの支援を必要とする世帯もあり、各家庭に給付金が届くまでの間、国や自治体がこうした喫緊の課題にどのように対応するのか継続して検討していくことが求められます。

また、必要とする支援として現金給付に次いで多かったのは、食料支援73.2%でした。6月に入り東京都23区内では学校再開が進んでいますが、学校給食の再開は6月第3週目・第4週目以降となる区もあり、引き続き子どもたちの食の環境の保障が求められます。

セーブ・ザ・チルドレンが先月末に発表した、ユニセフとの共同調査の結果では、今年末までに世界全体で貧困に陥る子どもが最大で8,600万人増加の6億7,000万人以上になるという分析もあり、日本でも子どもの貧困が深刻化することが懸念されます。こうした世界的な未曾有の危機のなかでは、政府や自治体が迅速で適切な社会保障や財政政策を講じていくこと、そして必要な人が必要な支援を利用できるようになることが不可欠です。私たちは、日本国内で、今回の結果をふまえ、ひとり親家庭の支援拡充に向け、国や自治体に働きかけを行うほか、「ひとり親家庭応援ボックス」の緊急追加支援の実施を決定しています(詳細はこちら)。

※ 厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によれば、平均年間収入(母または父自身の収入)は、母子世帯が243万円、父子世帯が420万円。なお、「東京都ひとり親家庭自立支援計画(第4期)」(令和2年度~令和6年度)p12「カ 収入の状況」によれば、母子世帯の年間収入は、200万円未満が全体の35.9%、200~300万円未満が23.4%、300~400万円未満が 14.2%。



新型コロナウイルス感染症 緊急子ども支援
https://www.savechildren.or.jp/lp/coronavirus/

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