【公開書簡】G20首脳に向けた225人の元大統領、首相、各界のリーダーによる書簡-新型コロナウイルス感染症(COVID-19 )による保健・経済危機対応、世界経済の回復に取り組むためにG20サミットの至急開催を

6月2日、G20各国が早急に会合を開き2兆5,000億ドル(およそ270兆円)の新型コロナウイルス感染症保健対策と経済回復計画に同意するよう、225人の元大統領や首相、各界のリーダーが共同で書簡を発表しました。すべての大陸から元大統領や元首相、元国連事務総長、国連機関の元トップ、世界銀行元総裁やノーベル賞受賞者などが参加したこの書簡には、セーブ・ザ・チルドレンも賛同しています。

途上国が新型コロナウイルス感染症の対策に必要な2兆5,000億ドルの一部しか未だ拠出されていないにもかかわらず、G20の会合は11月下旬まで開催の予定はありません。一方で、4億4,000万人以上が貧困に陥り、2億6,500万人が栄養不良の危険にさらされるという、世界の保健医療と、経済危機のさらなる悪化を回避するためには一刻の猶予も許されません。

書簡では、G20各国リーダーに向けて、現在の危機に対する国際的な協調を強化するよう求めています。そして、G20 サミットの開催とそこで合意すべき行動について、主に以下の内容を提言しています:

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた76ヶ国の800億ドル(約8兆6,000円)の債務返済支払いを免除し、これらの国々が社会保障と保健医療のために資金を使えるようにすること

緊急経済対策支援のために、世界銀行への拠出を2倍にすること

1兆ドル規模の特別引出権(SDRs)を新たに発行し、世界経済を再び成長させること
途上国における予防接種へのアクセス拡大を目指すGaviアライアンスの増資会合(6月4日開催)において、74億ドル(約8,000億円)の拠出を約束し、ワクチン開発の協調のもと、世界中でワクチンが無料で受けられるようにすること(注1)

3億人もの失業者が出ていることを受け、それに対処するために、グローバルな成長計画、経済のグリーン化推進策(Green Stimulus:緑の景気刺激策)、そしてタックスヘイブン(租税回避地)に対する取り組みに合意すること

セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長のインゲル・アッシンは次のように述べています:

「私たちが行動しなければ、子どもたちへの負担は増大し、ますます多くの子どもたちが極度の貧困に陥いることになります。子どもの栄養不良は深刻化しています。命を守るための保健医療サービスを利用できる人々は減少し、25万人以上の命が一刻の猶予もないリスクにさらされています。教育も緊急事態にあり、今この世代の子どもたちは、貧困から逃れるために必要な学ぶ機会を奪われかねない状況にあります。だからこそ、セーブ・ザ・チルドレンはG20に対して迅速な、そして断固とした行動を求めるこの書簡に参加したのです。」

書簡全文(英語)
PROTECT A GENERATION 新型コロナウイルス感染症からこの世代を守るための5つの活動分野

注1:6月4日に開催された増資会合において、目標額を超える約88億ドルの拠出が各国政府等から約束されました。日本政府からは安倍首相がビデオメッセージで参加し、2021年から5年間で計約3億ドルを拠出すると表明しました。
PAGE TOP

〒101-0047 東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4F