【ウガンダ】コンゴ民主共和国での衝突が激化-6,500人以上の子どもがウガンダに避難

コンゴ民主共和国東部北キブ州ルツル地域で激化する衝突から逃れるため、6,500人の子どもを含む1万1,000人を超える人たちがウガンダに避難し、緊急に支援を必要としています。ウガンダに避難してきた人たちは、首都カンパラから南西に約500km離れたキソロ県の2つの小さな町ブナガナ(Bunagana)とキバヤ(Kibaya)に到着し、ブナガナには約8,000人、キバヤには約3,000人が避難しています。そして、今回避難してきた人たちの大半は、女性と子どもたちです。


ウガンダの難民居住区に設置された子どものための居場所では子どもが安心・安全に過ごすことができる



セーブ・ザ・チルドレンは、コンゴ民主共和国とウガンダ当局の安全保障会議の後、一部の難民がコンゴ民主共和国に帰還したとの報告を受け懸念しています。帰還は、安全で、自発的で、尊厳のある場合にのみ行われるべきであり、現時点で帰還に適した状況かどうか見極めることは時期尚早です。

避難してきた母親たちは、ビンジャ(Binja)やキンヤルグウェ(Kinyarugwe)、チャンズ(Chanzu)の各村で、11月初めの週に戦闘が発生したため、故郷から避難を余儀なくされたとセーブ・ザ・チルドレンのスタッフに話しています。避難した家族のなかには、調理器具や寝袋などを持ってこられた家族や家畜と一緒に避難できた家族がいる一方、着の身着のままで避難してきた家族もいます。

ウガンダのキソロで活動するセーブ・ザ・チルドレンのチームは、衣類や衛生用品などの必要物資を配布しています。また、混乱の中で親や養育者と離ればなれになった子どもたちを特定し、家族と再会させる活動を行うため、子どもの保護窓口を設置しました。

セーブ・ザ・チルドレンは、避難を希望する人たちに安全な経路を提供するために、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため封鎖されていたコンゴ民主共和国との国境を開放した、ウガンダ政府の迅速な決断を歓迎します。一方で、現地の受け入れや支援の状況はすぐに限界に達してしまうのではないかとも懸念しており、新たに避難してきた人々のニーズに対応するために緊急の資金拠出を求めます。

セーブ・ザ・チルドレンのウガンダ事務所代表ドラガナ・ストリニックは次のように述べています。
「今の私たちの最優先事項は、新たにウガンダに避難してきた子どもたちを、屋根がある場所に家族と一緒にいて、暖かい服を着て、空腹が満たされている状態にすることです。そのために迅速な人道支援が求められていますが、すでに深刻な資金不足に陥っています。さらなる暴力の激化によって、状況がこれまで以上にひっ迫し、難民やホストコミュニティの子どもたち数千人が、保健医療や教育、保護などのサービスを利用できなくなることを懸念しています。」

セーブ・ザ・チルドレンのコンゴ民主共和国事務代表アマヴィ・アクパマグボは、次のように話します。
「人々が近隣諸国へ避難し続けている状況は大変遺憾です。セーブ・ザ・チルドレンは、国境地域を含むコンゴ民主共和国内や、ウガンダを含む近隣諸国で避難生活を送る人々を支援しています。現在、子どもたちの状況に細心の注意を払うことが急務となっています。このような危機的な状況下でも、子どもたちが暴力などから守られ、基礎教育を受けられるよう、計画を見直し、資金調達を早急に行う必要があります。」

ウガンダは、世界で最も先進的な難民政策を実施している国のひとつであり、世界で4番目に多い150万人近くの難民を受け入れています(そのうち6%が子どもたち)。

セーブ・ザ・チルドレンは1959年からウガンダで活動しており、現在ウガンダで活動する最大規模の子ども支援団体のひとつです。私たちは、難民の子どもたち数千人を含む、最も脆弱な立場に置かれた子どもたちとその家族に、保健・栄養支援、食料支援、生計支援を届けています。また、複数の難民居住区で活動し、プライマリーヘルスケア、リプロダクティブ・ヘルスケア、小児予防接種なども実施しています。そして、すべての子どもたちが教育を受けられるよう、子どもにとって安心・安全な空間を提供し、学習プログラムの導入や教室の設置などを進めています。

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