【報告】「ぼうさいこくたい2021」―さらに質の高い子ども支援の実施を目指して

2021年11月6日と7日に「ぼうさいこくたい2021」(主催、内閣府、防災推進協議会、防災推進国民会議)が開催されました。





セーブ・ザ・チルドレンは、子ども支援の国際NGOなどと共同で「これだけは知っておきたい災害時の子ども支援28の基本」研修実施したほか、特定非営利活動法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(以下、JVOAD)が主催した、『どこで災害が起きても支援を届けるコーディネーション』のセッションに登壇しました。


JVOAD主催のセッションには、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフや内閣府、全国社会福祉協議会、いわてNPO災害支援ネットワーク、(公財)味の素ファンデーション(TAF)が登壇し、過去の災害支援を通して、それぞれの支援分野で得た好事例や教訓、また、今後の災害に備えた組織間コーディネーションについて意見交換を行い、全国からオンラインなどで約90人が参加しました。このセッションのなかで、セーブ・ザ・チルドレンが発表した内容を報告します。


【子ども支援の優先度が低い】
2013年に内閣府が発行した「災害時要援護者の避難支援に関する検討会報告書」では、災害直後の緊急避難行動から中長期の避難生活に至るまで特別な支援が必要とされる「災害時要援護者」に子どもを位置付けています。同報告書や2016年に内閣府(防災担当)が発行した「避難所運営ガイドライン」では、避難所での子どもの生活を向上するために遊びや学習のためのスペースの確保を進めることが望ましい、と明言されています。しかし、実際は、避難所が開設されても、子どもの居場所や遊び場が設置されているところは少ないのが現状です。また、子どもに特化した支援物資が少ない点からも子ども支援はまだまだ優先度が低い状況だと考えられます。


【子どもに関する情報が少ない】
災害時、子どもに関する情報が非常に少ないです。たとえば、過去の災害支援でセーブ・ザ・チルドレンが避難所を訪問した際、運営者が子どもの人数を把握していないということがありました。支援団体向け情報共有会議でも、子どもに関する情報が非常に限られていて、子どもの被災状況や様子を把握することが難しかったという経験があります。子どもは発達段階により必要な支援やニーズが異なります。子どもにあわせた支援を届けるためには、子ども・子育て支援団体に限らず、さまざまな支援団体などからの情報は欠かせません。


【どこで災害が起きても支援を届けるコーディネーション】
子ども支援分野に限ったことではありませんが、災害時、いつ、どこで、どの支援団体が、どんな活動をしているか、といった情報の集約や共有が不足しています。
現在、セーブ・ザ・チルドレンは子ども支援団体とともに JVOADが進める「被災者支援コーディネーション」の子ども支援分野の仕組みづくりに参加し、調整のためのガイドライン作成や研修の企画に取り組んでいます。
子ども・子育て支援分野はもとより、すべての支援領域において、子ども支援が当たり前になり、情報の集約と共有がスムーズに行われ、子どもに特化した支援活動が迅速かつ適切に行われるようになることを期待しています。そして、私たちも、縦横のつながりをさらに強化して、災害発生時には、さらに質の高い子ども支援を目指します。


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このほか、2021年11月6日に子ども支援の国際NGOなどと共同で実施した「これだけは知っておきたい災害時の子ども支援28の基本」研修には、62人が参加しました。


このセッションの動画はこちら➡https://youtu.be/ZyB1YOsXUsw (ぼうさいこくたい2021年11月6日、「これだけは知っておきたい災害時の子ども支援28の基本」研修)
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