【ロヒンギャ難民支援】今年2回目の火災により750人の子どもたちが家を失う

バングラデシュ南東部コックスバザールには、100万人のロヒンギャの人たちが避難生活を送っている世界最大の難民キャンプがあります。
この難民キャンプで、2022年1月9日夕方に今年2回目となる火災が発生し、ロヒンギャの人たちが4年以上避難生活を送っていた家屋300棟が焼失し、約750人の子どもたちを含む1,500人が自宅を失いました。また、仮設学習センター4棟も焼失しました。この火災により2人が負傷しましたが犠牲者の報告はありません。


火災で家をなくしたシャムスディンさん

近隣の難民キャンプに移動した人たちもいますが、火災が起きたキャンプ内の親せきの家に避難した人たちもいます。

ジャイナさん(25歳)は妊娠8ヶ月で、火災が発生した当時の様子を次の通り話します。
「煙が漂ってきて、泣き叫ぶ声が聞こえ、すぐに自宅から外に出ましたが、外は煙だらけでした。子どもたちと安全な場所に避難し自宅が焼失するのを目の当たりにしました。所持品を何ひとつもって逃げ出すことはできず、すべてを失いました。」

シャムスディンさん(70歳)も次の通り話します。
「就寝中に火事が起こりました。妻が私を部屋から引っ張り出し燃え上がる家から急いで避難しました。わずか1分にも満たない時間で所持品を持って炎から逃げることはできませんでした。寒風のなか過ごし、支援団体が提供する1杯の温かい飲み物以外食べ物はありません。今すぐ家と食料が必要です。」

2021年3月にも大規模な火災が発生し少なくとも15人が犠牲になり、1万棟の家屋が焼失しました。そして、2021年1月から7月までの間に100件以上の火災が起きています。

セーブ・ザ・チルドレンは、母国ミャンマーで自宅が燃やされることを目撃した子どもたちに、難民キャンプでの火災により再び精神的苦痛が生じないか懸念しています。昨年8月に私たちが行った調査では、スタッフの73%が、一緒に活動する子どもたちが火事など難民キャンプで最近起こった出来事について話すときに、ミャンマーでの凄惨な体験についても言及すると話しています。

セーブ・ザ・チルドレンは、ストレス下にある子どもたちに対して必要な支援や心理的なサポートも提供しています。また、家を失った家族に毛布や蚊帳を配布したり、家族と離ればなれになった子どもたちが家族と再会できるよう支援しています。

それらの支援に加えて、私たちは国際社会に対してロヒンギャ危機の根本原因に対処し、ロヒンギャの人たちを安全かつ尊厳のある自発的な方法でミャンマーへの帰還を可能にする長期的な解決策を講じるよう呼びかけています。

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