【トンガ 海底火山大規模噴火】保護者や教師が学校を覆う火山灰を除去

2022年1月15日に南太平洋のトンガ諸島で発生した海底火山の大規模噴火とその後の津波により、トンガのすべての学校が影響を受けました。トンガに暮らす子どもたちは、1月31日に新学期を迎える予定でしたが、校舎の損傷などにより数千人の子どもたちの学習の再開が遅れる恐れがあります。

教材や黒板、スクールバッグなど学校再開に向けて必要な物資をオーストラリアから輸送

トンガタプやエウア、ハアパイの主要な島々では、コミュニティが一丸となって、家や道路、学校を覆っている約7.6センチメートルの砂や火山灰を除去しています。この作業は子どもたちが新学期を迎えるにあたり学校に安全に通うことができるよう親や教師が中心となって行われています。

教科書やノートをはじめとする教材や、学校の机などは使用できないほど破損しています。ある学校では、海や道端の石が波で運ばれたため建物が大きく損壊しました。セーブ・ザ・チルドレンは、トンガでこれまで活動をしてきたスタッフによって、子どもたちが早く学校に戻れるよう支援する活動を行っています。

セーブ・ザ・チルドレンのトンガ事業担当者は、次のように述べています。
「子どもたちが学校に戻ることは、授業だけではなく、津波が起こってからどのように生活してきたかについて他の人と話し、経験を共有するためにも非常に重要です。海沿いの学校は津波で全壊した校舎も多く、私たちは、津波の影響を最も受けた生徒たち、特に噴火した海底火山に最も近い島にいた生徒たちに、教材を提供しています。

各学校への安全な水の供給も問題になっています。子どもたちは学校に行くために飲み水が必要です。また、島から島への避難を余儀なくされた家族にとって、子どもたちの生活が落ち着くまで時間がかかるでしょうし、子どもたちの学用品や制服などの調達にも苦労するでしょう。

津波で壊滅した場所の近くの村に行った際、多くの困難に直面し、精神的にも苦しんでいる人たちを目の当たりにしました。家や主な収入源の作物などを失った親たちにとって、子どもたちを学校に復学させることは容易ではありません。」

セーブ・ザ・チルドレンは、学校再開に向けて、必要な物資を輸送しています。これには教材や黒板、スクールバッグ、学校用レクリエーションキットのほか、仮設教室として使用する大型テントも含まれています。新型コロナウイルス感染症のリスクを軽減するため、これまでトンガで活動していたスタッフが、地域の専門知識を活かした教育支援や現金の提供などの緊急支援を実施する予定です。

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