【ウクライナ危機】戦闘で物資不足に直面する家族

ロシアの軍事行動が2週間目に入り、ウクライナでは、自宅から避難を強いられた子どもたちが厳しい状況に置かれています。セーブ・ザ・チルドレンは、国内のパートナー団体を通して、薬や水の支援に加え減り続ける食料供給に対応できるよう支援を行っています。


ウクライナからルーマニアに避難してきたユーリーさん(3歳)

ウクライナ東部で、セーブ・ザ・チルドレンは、自宅から避難した家族のための支援センターをサポートしており、ここでは、さらに避難を進める家族に必要な物資や安全に眠る場所を提供しています。センターでは主に母親と幼い子どもたちが長い行列をつくっています。

ウクライナ東部で活動するセーブ・ザ・チルドレンのパートナー団体(Slavic Heart)の代表ナタリーさんは次の通り状況を訴えます。
「自宅から避難してきた1,000人を超える人たちを支援しています。約6割は幼い子どもを連れた母親か妊娠中の女性です。この地域はこれまで全体的に平和でしたが、今は近くで砲撃音が聞こえ始めています。私たちは、これまで支援してきた家族を引き続きサポートするために、ここに留まり活動しています。

子どもたちも含め全員が身の安全に不安を感じています。セーブ・ザ・チルドレンのサポートもあり、避難してきた家族に渡す物資もありますが、水などは不足しており、その必要性は急増しています。この地域では、約8,000人が支援を必要としています。都市間の物流がないため物資の調達が非常に困難な状況で、現在は、この地域で調達するしかありません。

そして、寒さのために体調をくずしている子どもたちもいますが、この地域には薬局がないため、薬を届けるのは非常に困難です。また、がんの治療薬やインスリン、てんかんの薬などが緊急に必要な人もおり、なんとか薬を手に入れることができましたが、わずかな量しか手に入れることができませんでした。」

戦闘が激しさを増すほど、多くの家族が支援を必要とし、セーブ・ザ・チルドレンは、パートナー団体(Slavic Heart)を通して、地方行政と連携し避難してきた家族の登録や一時的な住居を提供しています。またこのパートナー団体を通してオンラインによる子どものためのメンタルヘルス支援を実施したり、おむつや毛布、そのほかの生活必需品を提供したりしています。

攻撃が激化するなか数百万人の子どもたちが地下に閉じこもり、安全を求めています。親たちは、店頭の棚がほとんど空っぽの店に長い列をつくって待たなければならないことを恐れており、多くの子どもたちが食料や安全な水、薬を手に入れることができなくなる可能性があります。そして、厳しい寒さも追い打ちをかけています。

ウクライナ全土で軍事行動が続き、国内は医療危機の瀬戸際にあります。支援センターには帝王切開が必要な妊娠中の女性もいますが、この地域には外科医がおらず、状況は悪化しています。パートナー団体(Slavic Heart)のボランティアスタッフは、陣痛が始まった女性を地元の医療機関に連れていき、安全に出産できるよう支援しています。

紛争の終結が見通せないなか子どもたちや女性を中心に数十万人がポーランドやルーマニアなどの周辺国に避難し続けるでしょう。国連によると、すでに推計100万人がウクライナから避難し、そのうち40万人以上は子どもたちだとされています。

セーブ・ザ・チルドレンはウクライナ東部で2015年からパートナー団体(Slavic Heart)と活動し、生活必需品の提供や子どもを暴力から守る活動、メンタルヘルス支援を行っています。

また、私たちは、2014年からウクライナ東部で緊急人道支援として、教育支援、越冬支援、衛生用品キットや現金の提供を行ってきました。加えて、子どもたちが紛争や暴力により受ける精神的・心理的影響を軽減し、日常の中で精神的苦痛に対処する力を高められるよう専門家による支援も提供してきました。

【セーブ・ザ・チルドレンの緊急支援】
・ルーマニア:国境でスタッフとボランティアが食料や水、衛生用品キットを配布
・ポーランド:国境沿いで初動調査を実施するとともに、支援の準備を開始
・リトアニア:避難している子どもたちに「こどもひろば」の活動を実施






PAGE TOP

〒101-0047 東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4F